wakabyの物見遊山

身近な観光、読書、進化学と硬軟とりまぜたブログ
(哺乳類進化研究アップデートはしばらくお休み中)

葛西臨海公園に行く

2023-10-28 07:08:33 | 遊園地・公園・遊び場

先日、葛西臨海公園に家族で行ってきました(2023年10月8日)。ここに来るのは、娘が幼稚園生だったとき以来で、久しぶりです。

 

公園中央の広場。

 

まずは、クリスタルビューという展望室に上がります。

周りの風景がよく見えます。これは、お花畑。

 

葛西臨海公園駅の方向、つまり北側。

 

葛西臨海水族館のシンボルであるドーム。

 

東京ディズニーランドや周辺のホテル群。

 

バーベキュー施設。

 

展望室から下りて、お花畑を歩きます。

 

葛西渚橋を渡って、西なぎさという人工干潟に行きます。

 

西なぎさでは、スポーツカイトというプロフェッショナルな凧のイベントをやっているようです。あれは、シロナガスクジラか?

 

西なぎさの砂浜。人工とは思えない自然な海岸です。東京はいいですね、人工とはいっても砂浜があって。横浜は、だいぶ南の八景島のほうまで行かないと砂浜がないのです。浅野総一郎さんによる埋め立てによって、横浜の砂浜は消えてしまったのです。

 

スポーツカイトのイベント場。

こんなカイトたちが、号令によって一斉に地上に着陸します。ものすごく操作性が高そうです。

大きなカイトたち。

シロナガスクジラのカイトは人の大きさと比べると、30mくらい、本物のシロナガスクジラくらいありそうです。

 

海岸には大きな岩が敷き詰められているところもあり、

フジツボが吸着していますが、

他にはほとんど生き物の気配はありません。

 

橋を元に戻ります。

釣りしている人がいますね。何が釣れるのだろう。

 

公園中央の広場まで戻りました。ここでおやつを買ってしばし休憩。手品のおじさんが店仕舞いをしています。葛西臨海公園をあとにしました。


僕の読書ノート「進化で読み解く バイオインフォマティクス入門(長田直樹)」

2023-10-21 07:46:36 | 書評(進化学とその展開)

 

企業で生物医学系の研究の第一線から離れて5年、今は研究開発の管理業務を担当するようになり、さらにあと1年で定年である。しかしこれからも、研究のフィールドで何か新しいことを見つけてみたいという気持ちはある。そんな状況で一人でもできることは、自然観察のような生態学的研究か、バイオインフォマティクスを使った進化学的研究だろうと考えた。バイオインフォマティクスの分野ならプロでなくても、家のパソコンとネット上の公的データベースを使ってなにか面白いことができそうな気がする。そんな思いつきで、まずは学習を始めるためのとっかかりとして選んだ教科書が本書である。

とりあえず一通り読んでみたが、理解できたのは3分の1程度か。それは言いかえれば、これから何度も読み返す価値が残っていると言うこともできる。様々なバイオインフォマティクスの研究方法の原理説明として、数式がたくさん出てくるが、なかなか理解がおぼつかない。しかし、数式は理解できなくても、コンピューター・プログラムを使うことで、実用的には困らないのかもしれない。だから、あまり数式の理解にこだわらなくてもいいのかもしれない。もちろん理解できるに越したことはないだろうが。

けっこう基本的な用語でもよくわかっていないことが多い。そんな専門用語の説明をあげつらってみた。

・集団遺伝学:種レベルでの遺伝情報の進化を扱う学問分野をよぶ。集団とは、交配を行うことのできる生物の集まりのことであり、生物種に対応する。個体で起こった突然変異は生殖を経て次世代に伝わり、集団の中で数を増やしたり減らしたりする。

・分子進化学:種より上のレベルでの遺伝情報の進化を扱う学問分野をよぶ。種より上のレベルでは、種間の比較を行うことが基本であるので、種内の多様性については目をつぶり、問題を単純化する。

・アレル頻度:アレルとは対立遺伝子のことである。たとえば、ある単数体の集団で、半数の個体においてゲノムのある塩基サイトでの塩基がAであり、もう半数の個体のゲノムでGであった場合、Aの頻度は0.5であると表現し、これをアレル頻度とよぶ。

・ハーディーワインベルグ平衡:「ほかの集団と隔離された十分に大きな集団では、任意交配が行われており、変異が中立であれば、次世代の遺伝子頻度が前の世代の遺伝子頻度と同じになる」というのがハーディ―ワインベルグ法則である。遺伝子型(対立遺伝子の型)の頻度は1世代で平衡に達する。この状態をハーディーワインベルグ平衡とよぶ。集団遺伝学の多くの解析では、個々の遺伝子型(たとえば、AA、AT、TT)の頻度よりも、アレル頻度(たとえば、A、T)を中心に考えることが多く、集団の中にあるアレルの集まりのことを遺伝子プールとよぶ。

・ハプロタイプ:染色体レベルでのアレルの組み合わせをいう。例えば、染色体の二つのサイト、サイト1の遺伝子がa、サイト2の遺伝子がbで、サイト1と2との間に組み換えが起こらなかったとすると、アレルbは常にアレルaと同じ染色体上に存在することになり、ハプロタイプabを持つことになる。

・cic制御変異、trans制御変異:プロモーター配列やエンハンサー配列に起こり、直接遺伝子の発現量を変えるようなゲノム上の変異をcic制御変異よぶ。このcis制御変異によって起こされた発現の違いは、さらに別の遺伝子の発現を変える可能性がある。このように別の遺伝子の発現に対しては間接的にはたらく。間接的に遺伝子の発現量を変えるような変異を、trans制御変異とよぶ。

・NM、XM:ゲノム配列が決定された生物について、転写産物を単位として配列をまとめたのがNCBIのRefSeqデータベースである。RefSeqのデータで、cDNA配列がもとになっている転写産物のアクセッション番号は「NM..」で始まり、ゲノム配列よりコンピュータによる予測によってのみ同定されている遺伝子には「XM..」で始まるアクセッション番号がついている。後者はより不正確な遺伝子配列を含んでいる可能性が高いので、注意が必要である。

・統合TV(現在は、TogoTV):日本語で書かれたデータベースやツールの使い方を紹介するサイトとして、ライフサイエンス統合データベースセンターが提供する統合TVがある。データベースの紹介から簡単なチュートリアルまでそろっているので、興味がある方は触れてみることが薦められている。


僕の読書ノート「大腸癌治療ガイドライン 医師用 2022年度版(大腸癌研究会編)」

2023-10-14 07:52:15 | 書評(生物医学、サイエンス)

 

大腸癌治療ガイドラインは、患者用とこの医師用が出ている。自ら患者である人の中で、知識を得たいと思う人はまず患者用を読むわけだが、もっと詳しく知りたいと思った人は、こちらの医師用を読んでもいいのではないだろうか。私は、医師ではないが、医療についてある程度は知識があって、大腸癌患者の当事者という立場である。そうした立場から、患者用を読んだ後、この医師用のガイドラインを読んでみたので感想を述べたい。

本書は専門家向けだけあって難しいが、内容的にはいちおう読めるレベルである。素人にはわからない略号がよく出てくるが、本書内には説明がないので、おそらく関連書の「大腸癌取扱い規約 第9版」などを参照しないと意味がわからないのであろう。一方で、患者用の本には書かれていない、様々な詳しい治療法が記載されている。CQ(クリニカル・クエスチョン)の項では、それぞれの病態におけるそれぞれの治療法について、エビデンスレベルと推奨度が書かれているので、その治療法がどのくらい科学的に証明されていて、「大腸癌研究会」においてどのくらい推奨されているのかがわかる。逆に、そのような記載がない治療法は、十分なエビデンスが得られていないのか、否定的なエビデンスが出ているのであろうと想像できる。ただおそらく、素人であるわれわれ患者にとっては、自分が知りたいところを中心に読むことで情報が得られれば十分だろう。全部読んだところであまり頭には入ってこないと思う。

例えば、私が個人的に知りたかったところについては、次のような記載があった。

・本ガイドラインは、文献検索で得られたエビデンスを尊重するとともに、日本の医療保険制度や診療現場の実状にも配慮した大腸癌研究会のコンセンサスに基づいて作成されており、診療現場において大腸癌治療を実践する際のツールとして利用することができる。ただし、本ガイドラインは、大腸癌に対する治療方針を立てる際の目安を示すものであり、記載されている以外の治療方針や治療法を規制するものではない。

・CQに対する推奨文には、下記の作業によって決定したエビデンスのレベル、推奨の強さが付記されている。エビデンスのレベルは、CQに関する論文を網羅的に収集し、CQが含む重大なアウトカム(効果、評価指標)に関して個々の論文が提示するエビデンスを研究デザインでグループ分けし(システマティックレビュー群、メタ解析群、無作為化比較試験群、観察研究群、・・・・)、GRADEシステムを参考にして文献レベル・エビデンス総体を評価し、最終的にCQのエビデンスのレベル(A(高)、B(中)、C(低)、D(非常に低))を決定した。上記の作業によって得られたアウトカムとエビデンスのレベルをもとに推奨文案を作成し、ガイドライン作成委員によるコンセンサス会議において推奨文案を評価し、推奨の強さを決定した(1(強い推奨)、2(弱い推奨))

・補助放射線療法の術後照射についてー術後照射は術後6~8週までに開始することが望ましい。術後照射により局所再発は低下するが、生存率の改善をもたらさない。補助放射線療法または化学放射線療法による腸管障害の症状として、頻便、便意切迫、排便困難感、便失禁、肛門の感覚異常などがある。

・サーベイランス(監視のための検査)についてー欧米で行われたランダム化比較試験の複数のメタアナリシスにおいて、大腸癌治癒切除術後のサーベイランスが再発巣の切除率向上と予後の改善に寄与することが示されている。一方、近年の研究においてもintensiveな(集中的な)サーベイランスによる再発切除率の向上は示されているが、全生存率の改善には否定的な結果も報告されている。

・CQ1:内視鏡的切除されたpT1大腸癌の追加治療の適応基準は何か?ー大腸癌研究会のプロジェクト研究によればSM(粘膜下層)浸潤度1,000 µm以上のリンパ節転移率は12.5%であった。しかしながら、1,000 µm以深浸潤癌のすべてが追加手術の絶対適応になるわけではない。SM浸潤度1,000 µm以上であっても9割程度はリンパ節転移がないわけであり、SM浸潤度以外のリンパ節転移危険因子、個々の症例の身体的・社会的背景、患者自身の意志等を十分に考慮したうえで追加治療の適応を決定することが重要である。

・CQ18:StageⅡ大腸癌に術後補助化学療法は推奨されるか?ー行わないことを弱く推奨する(推奨度2・エビデンスレベルA)。再発高リスクの場合には補助化学療法を行うことを弱く推奨する(推奨度2・エビデンスレベルB)。

本書を読むことで、どの対応方法(治療を行うか、経過観察するかを含めて)を選ぶかを患者が決めるための情報はかなり得られたことになる。


總持寺と裕さんのお墓

2023-10-07 07:49:14 | 遺跡・寺社

9月の秋分の日の次の日、気温がすこし下がってきたようなので、ウォーキングしようと思い、久しぶりに總持寺に行ってきました(2023年9月24日)。總持寺は横浜市鶴見区にある、禅宗曹洞宗の二つある大本山のうちの一つです。広大な伽藍なので、公園のように散歩できます。

 

總持寺の入口。左の方にある看板で、太祖瑩山禅師700回大遠忌本法要が来年あることを示しています。曹洞宗の二大本山として、道元さんが永平寺を開き、瑩山さんが總持寺を開いたとされています。

右側の看板には、感染症終息の祈願が示されています。新型コロナのことでしょうね。そういえば、新型コロナのRNAワクチン開発の基盤となる発明をしたカリコさんたちがノーベル生理学・医学賞を受賞しました。新型コロナはまだ完全に制圧されていませんが、現在のレベルに収まるのに大きな貢献をしたと思います。また、今後の感染症やがん対策などへの応用も期待されている技術です。

 

総門の三松関。今日は人が多い気がします。

 

境内の図。巨大な寺院です。

 

三門。ここまで大きな門は他に見ません。やっぱり人が多い。昨日が秋分の日だったから、今お彼岸でした。お墓参りの時節ですね。私も總持寺のお墓に用があってきたのですが、お彼岸だとはまったく意識していませんでした。

 

この目の前に長廊下があります。

この中が廊下になっていて、

廊下の木の板がピカピカに反射しています。ここはテレビなんかにも出る、修行僧たちが雑巾がけで駆け抜ける廊下です。私も小学生のとき、学校の廊下で雑巾がけをしたような記憶があって、親しみを感じるんですよね。

 

ここが総持寺で最も大きなお堂、大祖堂。

その手前に、木柱が立っていて、五色の綱がつながれています。私は、この柱と綱を撫でたのでした。その理由は下記の通り、

五色の綱に触れることで、瑩山さんの心に触れることになり、慈悲の心につながることになるということです。今日ここに来たのも、家庭でのモヤモヤがあってのこと。少しでも心を浄化したいという思いがあったので、こういう仕掛けと言ったらヘンですが、あるとありがたいですよ。

 

大祖堂に入って椅子に座って、中の雰囲気を感じとりました。

 

ヒガンバナが咲いているここはお墓です。ヒガンバナは毒があるので、周りに植えることでお墓をネズミなどから守っているのだけれど、毒花だからお墓に献花してはいけないそうです。

總持寺には広大な霊園が併設されています。

 

これは立派な墓石。一番目立っていました。日比野雷風という剣術家のお墓だそう。

 

そして、道に迷いながらやっと見つけました。裕さんのお墓です。とくにファンではないのですが、ここにあることは有名なので、一度は見ておきたいと思っていたのです。初めて来ました。墓前に手を合わせました。

来てみて思ったことは、裕さんのお墓もいいけれど、もっと行かなきゃならないお墓があったよねということ。そして、人に優しくできるのは生きているうちだけだよなということ。そういうことに気づいただけでも来た甲斐があったというものです。

 

たぶん、修行僧たちの生活の場である寮。

 

三門を出ます。

 

總持寺から新子安駅まで歩くことにしました。これがけっこう長い道のりでした。

昔あった遊園地ー花月園の跡地は公園になっています。

 

浅野中学校・高等学校。神奈川県の男子御三家のうちの一校。毎年東大に何十人も入っている。子安から鶴見、川崎にかけて埋め立てをして運河を作り、京浜工業地帯の基盤を作った浅野総一郎による設立。

この日は1万3千歩歩きました。ウォーキングするには、まだまだ暑い日でした。