wakabyの物見遊山

身近な観光、読書、進化学と硬軟とりまぜたブログ
(哺乳類進化研究アップデートはしばらくお休み中)

秋の上高地ハイキングー2日目(岳沢登り)

2022-10-29 07:56:37 | 長野・山梨・静岡

10月の3連休(2022年10月8~10日)に行ってきた上高地、2日目のご紹介です。この日は、河童橋からもよく見える岳沢カール(氷河が削った跡)を登って、岳沢小屋(2,170 m)をゴールとして目指すことを計画していました。標高差が約700 mありますが、ここまでなら技術的にはそんなに大変じゃないようです。家族のだれかが体力的に無理だったら途中で引き返す予定です。天気予報はくもりでしたが、山の天気は変わりやすいとよく言います。さて、どうなるでしょうか。

 

穂高連峰、岳沢カール方面。

 

明神岳。

 

この岳沢カールの上部を目指します。中央のピークは、ジャンダルム(3,163 m)かな。

 

河童橋を出発。

あまり見たことのない枝分かれの木。

 

岳沢湿原のあたりは木道になっています。

 

シダなどの草が黄金色に色づいています。

 

木が立ち枯れしているということは、水量が増えたということなのでしょうか。

魚がいました。上高地といえばイワナが有名ですが、放流されたカワマスやブラウントラウトが増えてしまったということと、その3種で斑点の模様が似ていることから、どの種類なのか簡単には判別できません。野生動物ということでは、新島々から上高地までの道程でニホンザルに2回遭遇しました。

 

分岐点で、まっすぐ行けば、明神池、左に行けば岳沢と出ています。我々は左に行きます。

 

すぐのところに岳沢登山口があって、さっそく上りの道になります。10番(1,520 m)と書かれています。

 

巨木が倒れたところを、コケがおおっています。コケが多いということは、湿度が高い、つまり雨や霧が多いのでしょうね。

 

岳沢風穴(7番)。夏は冷たい風が出てくるそうです。

 

岳沢カールのガレ場に出ました。

 

上高地が下に見下ろせます。左の山は、六百山(2,470 m)と奥に霞沢岳(2,646 m)。

 

西穂高岳の峰々がよく見えます。

 

名前はわかりません。高山植物でしょうか。

 

ガレ場を出て、また森の中を歩いていきます。

 

西穂高岳方面。

 

ここまで来ると、木々がけっこう色づいています。

 

ゼニゴケ、スギゴケ。

 

2番(2,030 m)、胸突八丁まで来ました。

 

ナナカマドのような赤い実、ブルーベリーのような紺色の実がなっています。これを食べに来るのでしょうね、小鳥をときどき見ました。

 

もう1度、ガレ場を越えます。娘には、モンベルのザック、レインスーツ、トレッキングポール、キャラバンの登山靴を揃えました。ちょっとした出費です。娘は、両親よりも楽々登っていく感じで、あまり疲れなかったそうです。長年バレエを習っているので、筋肉やバランス感覚が鍛えられているのかもしれません。

 

カールの上端の先は、屏風のような岩壁が立ちはだかっています。

この岩壁の上が、左の奥穂高岳と右の前穂高岳をつなぐ吊尾根です。

 

明神岳。

前穂高岳のピークはこの方向ですが、ここからは見えてないかもしれません。

 

なんとか12時ごろに、目標の岳沢小屋(2,170 m)に到着しました。家族で一番ばてたのは私です。

ここのテラスからの展望はいいです。

 

左の六百山と、中央の霞沢岳。

 

中央の奥は乗鞍岳(3,026 m)。その左のほうは雲海になっているようです。

 

1時間ほど滞在して昼食を摂っているうちに、雲が上がってきました。

この後すぐ下山しましたが、天候はどんどん悪化して、けっこうなドシャ降りになってしまいました。足元はすべりやすくなり、視界も暗くなり、弱点の右膝の痛みでスピードは上げられず、家族には置いていかれる中、必死で下りました。ただただ怪我しないようにていねいに下りる一念で、無事、宿までたどり着きました。軽登山のつもりでしたが、恥ずかしながらとてもたいへんな山行でした。


秋の上高地ハイキングー1日目

2022-10-22 07:33:03 | 長野・山梨・静岡

10月の3連休に家族で上高地に行ってきました(2022年10月8~10日)。2泊3日のハイキングのようすを3回に分けて紹介したいと思います。前回は、2011年5月家族で来ています。上高地は標高が1500 mありますが、2日目には軽登山をしてさらに高度を上げることで紅葉が見れることを期待しています。

 

JR松本駅で、松本電鉄上高地線に乗り換えます。

 

終点の新島々駅で下車、隣接しているバスターミナルから上高地行きバスに乗ります。

 

バスはいくつかのダム湖が作られた梓川の谷沿いの道を行きます。

 

釜トンネルから先はマイカーは入れません。このトンネルを越えるといよいよ上高地です。

 

トンネルを越えれば、そこは上高地。いよいよ来ました。

 

上高地バスターミナル。

 

梓川と河童橋と穂高の峰々(雲がかかっていますが)という、上高地の代表的な風景。

上高地に来るのはこれが3回目です。1回目は、1994年10月のことです。松本で学会があり、その後、お世話になっていた大学の方々が安曇野や上高地を周るバスツアーをセッティングされたので、私も参加させて頂きました。その時は、上高地を長い距離歩かされただけで、風景がキレイだったとか楽しんだという記憶がないんですよね。今だったら、上高地に来れてよかったなと思えるので、長年生きていると考え方や嗜好性が変わるものだと実感します。

 

小梨平キャンプ場は、

森のリゾート小梨の中にあります。

 

我々は、そこのケビンに泊まります。3棟が長屋になっている一番右側を使います。

1F。

2Fがロフトになっています。

 

ケビンに荷物を置いて、近くの散策と夕食・買物に行きます。テントが張られています。テント泊は予約なし、廉価で、この場所が利用できます。

 

穂高岳方面。山の上が雲で覆われています。

 

明神岳方面。

 

六百山の手前の峰。紅葉した木もちらほら見られます。

 

河童橋。上高地や北アルプスを舞台にした小説として、新田次郎「栄光の岩壁」や井上靖「氷壁」が有名だそうですが、私は芥川龍之介の「河童」を無性に読みたいと思っています。

 

焼岳方面。こちらも雲に覆われています。

 

河童橋から覗く梓川の水は澄み切っています。いったいどこに河童はいるのでしょうか。

 

夕方になって、穂高岳頂上が夕日に照らし出されました。明日の軽登山が楽しみです。


僕の読書ノート「上高地ハイキング案内(山と溪谷社 (編集))」

2022-10-08 06:58:58 | 書評(その他)

11年ぶりに家族で上高地に行くことになったので、買ってみた。山と渓谷社が出してるだけあって、山好き向けの作りになっている。よくある観光ガイドのような、食べ物、土産、おしゃれな店などの紹介は少なくて、上高地の土地、自然、歴史、歩き方などを中心にまとめられている。もちろん、旅に必要な、交通機関や宿泊等の情報もちゃんと載っている。

そしてキレイな写真が満載である。とくに上高地をとりまく山々を高いところから俯瞰して撮った写真は位置関係がよくわかって有用なうえ、美しい。写真が見開き2ページに掲載されていて、次の見開き2ページには写真に関連した解説文が書かれているという構成もいい。そんな、いいことづくめのガイドである。今私たちが見ている上高地の風景は、地球のダイナミックな物理的活動の間のつかの間の静寂だということがわかる。少しだけ、上高地のうんちくを下記に引用しておきたい。

1万2000年以上前、かつて飛騨(岐阜)側に流れ下っていたという古梓川が火山活動で堰き止められた。そこに誕生したのが、上高地湖という堰止湖。そして、5000年という歳月を通して、堆積が続き上高地の平坦な地形が生まれた。

大正池は、大正時代に起こった焼岳の噴火により梓川が堰き止められてできた。焼岳の山腹で目をひく大きな地溝(亀裂)は、噴火に伴う地震の3回目にできたらしい。焼岳の標高1800m地点に長さ270m、幅35mの大亀裂が生じ、大音響とともに噴煙と泥流が噴出。流れ出た泥流の勢いは、梓川を越えて霞沢岳の麓に衝突してはね返ったほどの勢いがあったという。

涸沢の紅葉シーズンは、国内の山岳紅葉を代表する風景だ。涸沢の紅葉を見た人は、「涸沢の紅葉を見ずして穂高を語ることなかれ」とか「冥土の土産に....」と口にするという。


都庁の展望室に上ってきた

2022-10-01 07:46:26 | 東京・川崎

東京都庁の展望室まで上ってきました(2022年9月10日)。じつは都庁に入るのは初めてです。西新宿の浄水場跡地に作られた東京都庁第一本庁舎は、丹下健三設計、1991年竣工、243mの高さは当時日本一でした。このあたりの土地の成り立ちは、中沢新一氏の「アースダイバー」に書かれていておもしろいです。このへんは大蛇が住む大池があるような湿地帯とうっそうとした森があって、いまも十二社が残っていますが、ずいぶんと違ったおもむきがあったらしいです。

 

下層部を見ると、ヨーロッパのクラシックな建築みたいで、丹下健三氏設計の横浜美術館と通じるところがあります。丸の内にあった旧都庁舎も丹下健三の設計だということで、今の隈研吾氏のような、昭和~平成の売れっ子建築家だったのですね。

 

しかし、上を見上げると印象が変わります。ヨーロッパの教会の尖塔のような、ゴシックな感じのある圧倒的な存在感です。

 

都民広場から見る都議会議事堂。

 

都民広場から第一本庁舎を見ると、ギラギラとした違った印象があります。

 

南展望室(202m、地上45階)に上がります。

 

展望室からの眺め。南東、明治神宮・代々木公園方面。

 

南西、丹沢・富士山方面。

 

西の新宿中央公園。

 

展望室よりさらに上の階もあります。

 

東の都民広場と都議会議事堂。

 

北東の西新宿高層ビル群。

 

東には、東京スカイツリーが見えます。

 

都民寄贈による「おもいでピアノ」は、草間彌生監修によるペイントがされています。腕に自信がある人たち(ない人も)がこのピアノを弾きに来ます。私たちがいたときには、いかついお兄さんが、情緒的なショパンのノクターンを弾いていて、じょうずで似つかわしくないのがかっこよかったです。

 

2階に下りてきました。オリンピック・パラリンピック展示コーナーがあります。これはオリンピックのメダル。

 

パラリンピックのメダル。けっこうデザインが違っています。

 

帰りに目をひいた、東京モード学園のコクーンタワー。こりゃあすごいデザインです。設計はなんと、丹下健三の子息の丹下憲孝氏。

これを参考にしたのでしょうか。クスサンのマユ(Wikipediaより)。

 

LOVEのオブジェ。