上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

他都市における庁舎整備の取り組みを視察・・・熊本市の庁舎建替えの問題点を再認識

2024-02-11 20:04:28 | 熊本市庁舎建替え問題
他都市における庁舎整備の取り組みの視察報告
説明責任と住民合意、財政負担、まちづくりなど、熊本市の建替えの問題点を再認識

【千葉市新庁舎】   人口 約98万人
・敷地面積:約29,000㎡
・延床面積:48,889㎡
・階数:地上11階(低層棟は7階)
・総事業費:約293億円 (うち工事費 約270億円)
 *財源内訳は、市債・248億円、基金等・35億円、一般財源・7億円
・2023年1月竣工 (旧庁舎:1975(S45)年建設で築53年)
・建て替えまでの流れ 
 2011(H23)~:本庁舎あり方検討、整備基礎調査、第三者評価
 2014(H26):1万人アンケート、高校生アンケート、パブコメ、基本構想策定
 2015(H27):パブコメ、基本計画策定、基本設計方針策定
 2016(H28):基本設計作成、シンポジウム、事業方針決定
 2019(R1)~:実施設計書作成、執務室検討、着工、移転計画作成
・新庁舎の特徴
 支援業務はコンサルへ委託、建設は実施設計・施工一体のDB方式発注。
環境への配慮やユニバーサルデザインはもちろん、庁舎内に「総合防災拠点機能」を備えている点が特徴です。

【渋谷区新庁舎】  人口 約23万人
・敷地面積:約7,855㎡
・延床面積:31,930㎡
・階数:地上15階・地下2階
・新庁舎の特徴
庁舎に隣接する市有地4,565㎡を民間事業者に70年間の定期借地で貸し付け、その定期借地評価額211億円の相当額で、区庁舎と2,000席の公会堂を建設する事業として実施。
  当初の事業費154億円は、211億円に変更されました。
  その後、さらに建設費が上がり、その分をマンション売却益で補うために、計画では37階のマンションが39階建てに変更されました。
  (民間タワーマンションは505戸、主な分譲価格は1.5~3億円程度だったようです)



【厚木市の庁舎整備】 
人口 約22万人
・敷地面積:約12,800㎡
・延床面積:46,800㎡
・階数:地上9階・地下1階
・総事業費:約330億円 
 *財源内訳は、市債&一般財源137億円、基金80億円、国補助30億円、県負担金45億円
*旧庁舎:1976(S46)年建設・築52年
・建て替えまでの流れ 
 2017(H29):基本構想策定
2020(R2):基本計画策定
 2022(R4):基本設計完了
 2024(R6):実施設計(完了予定)
 2027年3月(R9):竣工(予定)
・新庁舎の特徴
  国県の行政機関が多く立地する条件を生かし、庁舎に国県機関を一体整備。国県の補助金・負担金を活用。物価高騰分は、基本設計で工夫・合理化し吸収して事業費を抑えた。建設は実施設計・施工一体のDB方式発注。
 事業費は、計画時240億円が、実施段階330億円に。



いずれの市庁舎整備も、官民一体で、工期を短縮する手法を用いて整備していますが、熊本市のやり方は似て非なるものです。
市民への説明責任・市民合意、財政問題、まちづくりの観点、いずれにおいても合併推進債を使うためにスピードばかりを重視し、大企業丸投げ、住民不在の市政史上最大のムダ遣いとなっています。建替えの根拠であった「耐震性能の不足」がないこともはっきりしており、建替えは中止すべきです。
千葉市・厚木市・渋谷区の庁舎整備では、
市民への説明・意見聴取を重視
 千葉市・厚木市ともに、実施設計・施工一体のDB方式による発注で工期が短縮されていますが、それは物価上昇による工事費高騰を抑えるためです。いずれの市も、基本計画・基本設計・実施設計に5年程かけ、市民への説明を尽くし、パブコメ他市民意見の聴取を丁寧に行っています。
庁舎整備の基金を準備、財政負担を緩和
 いずれの市も300億円近い事業費です。物価高騰の影響で事業費が増える場合が多く、費用を抑えるために、建物をコンパクトにすることや、財源の面で基金活用他、条件を生かした工夫ある取り組みが行われています。
どこも旧庁舎は50年以上使用
 3市いずれも、旧庁舎は50年以上使用しています。

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