上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

「国保料引下げの請願」に賛成討論・・・熊本市議会最終日

2024-03-25 21:17:25 | 熊本市議会
3月議会最終日、「国民健康保険料引下げの請願」に賛成討論
3月議会に、「熊本市生活と健康を守る会」から、「国民健康保険料の引き下げを求める請願」が提出されました。
日本共産党市議団が、紹介議員になったので、最終日に賛同を求めて、賛成討論を行いました。
内容は、以下のとおりです。

請願第1号「負担の限界を超えている国民健康保険料の引き下げを求める請願」について、賛成討論を行います。
 今議会には、国民健康保険料の賦課限度額を後期高齢者支援分として2万円引き上げるとともに、保険料率についても後期高齢者支援金分の所得割率を0・35%、均等割・平等割額を合計で2,500円の引上げ、介護納付金分の所得割率を0・36%、均等割額を2,400円引き上げるものです。賦課限度額の引き上げは、1,240世帯で2,480万円の負担増となるとともに、料率の改定はすべての世帯が値上げで、1人当たりの値上げ額は約5,000円、加入者への負担増総額は7億円となります。しかも、今回の値上げは、第9期介護保険事業計画の開始年度と重なるために、介護保険料の3億円負担増とのダブルパンチとなります。
 新型コロナ禍に続く、止まらない物価高の中で市民生活はひっ迫しています。所得の低い世帯ほど、その負担と矛盾は大きく、困窮極まる日々を暮らしておられます。国民健康保険は、社会保険や共済保険などに加入していない年金生活者や自営業者などが加入し、所得200万円以下が加入者の約8割を占めるという構造です。一番苦しんでいる方々への7億円負担増をなぜ今、と思わずにはいられません。
 そもそも、大西市長になって、一般会計からの法定外繰入・赤字補てん分が大きく減らされ続けてきました、前市長の時には、最高で年間28億円あったこの一般会計からの補てんが、2024年度予算では2億1,000万円にまで減っています。2024年度は、都道府県が策定する次期国保運営方針の初年度ということもあり、保険料抑制・負担軽減のために自治体が行っている法定外の一般会計繰入を廃止することや、市町村が決めるべき国民健康保険料の料率を都道府県単位に統一して大幅値上げへと誘導し「保険料水準の統一」を図る方向への加速化を迫り、高すぎる国民健康保険料をさらに値上げさせようと、厚生労働省が自治体への圧力を強めています。しかし、国民健康保険は自治事務であり、国いいなりではなく、市民の側に立った運用こそ必要です。
 2023年度末の国民健康保険の収支見通しは、単年度7億円の赤字見通しです。いわば、赤字分を加入者に穴埋めさせるための値上げです。市民の暮らしの実態を見ず、国いいなり、帳尻合わせの負担増というのは、あまりにも心がありません。高い保険料が払えない方々の滞納率は23%、4人に1人が滞納です。制度の根幹が揺らぐような状況です。
 国民健康保険は、国民皆保険制度の基幹となる医療保険で、どんな人でも保険証があれば、いつでも病院に行くことができるようにとつくられている制度です。国民健康保険法第1条の目的には「社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」と明文化されています。国の強い指導はあっても、市民の立場で、市町村としてのできうる限りの手立てを講じ、市民のいのちと生活を守る運用を貫いていかなければなりません。
 今は社会保険や共済保険に加入していても、仕事をリタイアすれば、必ず国民健康保険に入ります。私ども日本共産党市議団は、国民健康保険はすべての市民に関わる重要な課題として、毎回の議会で取り上げ、市民に寄り添った対応、制度の見直し、運用の改善を求めてきました。
 請願にあるように、負担の限界となった保険料の引き下げは喫緊の課題です。徴収だけを強化しても矛盾は解決しません。国の制度見直しや国庫負担引き上げが基本であるとは考えますが、国に対し求めつつも、自治体としてできることをやる、そういう立場で一般会計を増額し、保険料は上げない、むしろ引き下げをすべきです。
 請願の2点目、子どもの均等割廃止についても、国が就学前までを半額に軽減していることは、収入のない子どもにまで保険料を負担させるという矛盾を一定認識したからです。本市は、今議会に提案された「第8次基本構想・基本計画」においても、少子化対策・子育て支援を優先課題と位置付けています。この点でも、直接子育て世代の負担軽減につながる均等割の廃止は効果的な手法であり、ぜひ速やかに決断して実施していただくよう、お願い致します。
 資格証明書や短期保険証は、受診抑制につながり、医療を受ける権利を市民から奪うものです。保険証がなければ国民皆保険とは言えません。コロナ禍に中止した資格証明書は廃止し、短期保険証についても発行をやめるようお願いします。
 国民健康法第44条の「医療費の一部減免制度」は、法に規定された制度でありながら、利用は年間わずか3件、あまりにも少なすぎます。生活保護の申請が昨年は最も多かったという報道があったように、生活に困窮する人が過去にないくらい増えています。それなのに、制度が活用されていないというのは、活用しにくく、周知が届いていないからです。繰り返し要望してきましたが、周知をはじめとする市の運用改善をお願いします。
 保険証のマイナ保険証への移行についても、相次ぐトラブルの中、その改善はなされていません。全国保険医団体連合会が行ったアンケート調査では、昨年10月以降だけでも、回答のあった8,672医療機関のうち、約6割の5,188医療機関でトラブルがあり、現在もトラブルは解消することなく、続いていると報告されています。最も多かったのが名前や住所に関するもので、次が「資格情報が無効」というものだったそうです。その場で医療費全額を請求した、持っていた紙の保険証で対応したとのことですが、いのちに関わる問題です。現在マイナ保険証の利用登録率は約60%、実際に使っている人はもっと少ないと思われますが、この状況で、これだけのトラブルが発生しているのですから、本格的にマイナ保険証へとの切り替えがすすめばどうなるのかと、現場からは疑問と不安の声が上がるのも当然です。さらに、大災害が起きた場合は、停電による通信インフラの遮断でマイナ保険証を使うシステムの利用そのものが困難になるとの指摘もあり、危機管理の面でも重大な懸念です。国が強力にすすめるマイナ保険証への切り替えですが、指摘されている重大な問題点が改善されないまますすめていくことは、国民の命を危険に晒してしまうことになります。もともと任意であるはずのマイナンバー押し付けはやめて、現行の保険証こそ存続すべきです。市長におかれては、こうした現状を踏まえ、国に対し、市民の立場で、現行保険証の存続を要望していただくよう、要望しておきます。
 すべての市民が、生涯安心して、保険証1枚で医療にかかれるためにも、議員各位におかれては、請願の趣旨に、どうかご賛同いただきますようお願いして、賛成討論と致します。
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