年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

落語の長屋の花見・花見酒の経済

2024年04月11日 | 宅老のグチ
散り行く桜を見に千鳥ヶ淵戦没者墓苑へ行った。都営新宿線九段下駅から桜の散り具合を見つつ行ったのだが9日の大雨で桜の花と新芽の割合が半々くらいでチョットがっかり。期待していた花吹雪は風が弱くひらひら程度。途中で戦没者墓苑に向かうのだが行く人が少なく、ひっそりしていて一組の慰霊行事が行われていて読経が微かにきこえる。その脇で手を合わせ、親族の戦没者へ祈る。帰りに昭和天皇の和歌を見るともっと早く聖断が出れば良いと思うが8月15日の録音盤騒動を知っているのでやはり原爆が天皇陛下の決断を後押ししたとしか思えない。北の丸の国立公文書館で見学の最後に玉音放送を聞くことにしている。皇居前の泣いている女性の写真は当日で無いという報道もある。検証が欲しい。
 中国の検索サイト・百度で見ると、どうやら景気良さそうな報道で多くの中国の人が清明節の3連休で国内の花見に出ていて、経済効果を報道している。花見は日本も外国も普通は入場料を取らないので安上がりのレジャ-となる。そこに経済効果を出すことはあまり良いニュ-スがない中国の苦境を暗に示している。江戸時代の話として長屋の花見という落語がある。貧乏長屋の大家さんが大家さんの声掛けで花見をすることになった。店子と言われる賃借人は多くは家賃を滞納していて、不安で参加していた。
 そこで出された徳利酒は中身は出がらしのお茶、卵焼きはタクワンの厚切り、白いかまぼこののようなものは大根だった。このお弁当でみんなで酔って、目が回りお茶酒の中に柱が見えたという下げになる。
 江戸時代から漬物のタクワンは安物の代表であった。最近どこかのライターさんがしきりに6月からの食品衛生法の漬物業への完全実施で道の駅等で販売している地域のおばあちゃんの手作り漬物の絶滅危惧をわめいている。この食品衛生法の漬物業への実施の経過を知っている身ではやむを得ないとおもう。その程度の負担が出来なければ、もし食事故が起きた時の日本の全国の農産物と漬物の被害が甚大だったことを知っている。
 高齢者施設へ浅漬け漬物が納入され、O-157の大腸菌で過去最大の死者数を出し、さらに季節が夏のため、白菜農家が全国的に大被害となり、さらに漬物業へ売り上げ低迷と野菜の殺菌の設備投資を要求された。その設備投資でその後に浅漬業者が負担で破綻した。今はネットの世界で当時の記録が簡単に出て来るので、いったん事故が起きればまた大打撃となる。これは高齢運転手の事故報道と似ていて、今まで事故が無いのでという言い訳が通用しないし、行政の姿勢も変わらないと思う。この法律の完全実施で消える漬物はいずれ消える。次世代の人に動画とかレシピを残し適正な価格で復活すればよいとおもう。惰性の継続は若い人たちの工夫とやる気を失わせる。
 今の日本は花見酒の経済から出つつある。日本の中でお金が回るのでなく、異国人がわざわざ日本に来て高いホテルと高い料理を食べて、遊んでいる。花見もお金を出させるイベントと言うこと知った今年の2週間遅れの花見だった。待たされた開花は実に記憶に残る花見だった。
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« オッペンハイマーという映画... | トップ | 街歩きで知る銀座の地価上昇 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。