最初に買ったのは当時5000円のヤマハダイナミックギター、まだナイロン弦ではなかった。それで【南国の夜】を何とか弾けるようになった。二年使った。次に8000円で矢入貞男氏のギターを買った。弾き易く音が良く、これで随分上達した。本気でクラシックギターをやり始めたのもこのギターで、だった。
当時、広島の紙屋町交叉点の太田川側に木定楽器店があってそこで買った。ある日幟町辺りの路地を歩いていて小さな楽器店で北折忠直氏の【睡蓮】と言うギターを見た。その名前に惚れて買った。が、余り弾かなかった。
社会に出て最初のボーナスで河野賢氏の6号を買った。・・これには奇妙な思い出がある。注文したのは夏だった。秋も深まったある明け方、夢を見た。髪の黒い、痩せぎすのロイド眼鏡の人が誰かにギターの梱包をさせている夢だった。翌日、会社から帰ると立派な木箱に梱包されたギターが届いていた。夢が当たり始めた最初の経験だった。ケースはバーガンディの内張りで洒落ていて嬉しかった。これを60代まで使った。アルハンブラの想い出やグラナダなどスペインものをやった。
学生当時、好楽社と言うところから発行されているギターピースをよく買った。大学を出る前の日に買ったピースにリュートの絵があった。もう50代半ばになっていてふと本棚から見つけたその楽譜の絵に触発されて(かなりお調子者の気がある私は)ルネッサンスリュート曲をギターで弾いてみることにした。使ったキターは松村雅亘氏のsuperior model。だんだんのめり込んで病気が重くなり、ついにリュートを買った。この段階で、ギターの方もブレーキが壊れて Armin Gropp、Armin Hanika ギターなど買った。Gropp ギターは旧東ドイツ、ワイスガーバー系統の作家だったので、人と違うのが好きなおっちょこちょいの気がある私みたいのが手を出しそうなものではあった。楕円の響孔があった。Hanikaギターは気に入っていたが息子の車をブレーキ・アクセル踏み間違いでバンパーをやってしまってその弁償の為に売ってしまった。
ああ疲れた、次はまた別に書こう。振り返るとトンデモナイ無駄使いをしているのだ、出来れば忘れたい。