夜汽車

夜更けの妄想が車窓を過ぎる

ギターケース

2020年10月31日 21時25分21秒 | 日記
重いケースを引っ張り出してラチェットをパチンパチンと外して蓋を開け、そこに微睡んでいるギターを抱え出すところから練習は始まる。この儀式は大事だ。しかるに最近はセミ・ハードケースとかソフト・ケースとかハードケースであってもご丁寧にカンバスカバーがあってチャックを開けなければならない。このチャックを開けると言う動作がもうやる気を削いでしまう。

ハードケースも個人的には樹脂製以外は好きではない。私は耳の人間であると同時に眼の人間でもある。【視覚的に美しい】のでなければ所有したり触ったり弾いたりしたくない。19世紀ギターや古いスパニッシュギターにはゴテゴテ装飾過剰のものやキモチの悪い造形部品などのついた楽器がある。それがどんなに音がいいと言われても興味は湧かない。悪趣味だと思う。

そういう性格からか、日本人の作るギターを正直あまり見たくない。仏像の頭のよなうな、豚の耳のような、犬の耳のような糸蔵トップの造形・・・こういう造形しか思いつかない人の音だってたかが知れてるよ、と思うのだ。昔のスペインギターには如何にも【ああ、スペイン!】と思わせる造形や配色のギターがあったが最近薄れた。日本の場合はロゼッタデザインなど【下手な工夫なんかスルナ、アイデアがないなら縄模様かヘリンボーンだけの方が余程気が利いている】と言いたくなる。

2020年10月31日 21時15分05秒 | 日記
少し鬱だ。いつもこの鬱に負けてブログを更新しなくなる。
最近ユーチューブで見たアメリカ大統領選挙に関する一連の記事と陸上自衛隊の台湾有事想定演習が互いに関係していてそのジグソーカードの穴を埋めるのが黙示録とダニエル書の最後の2章であることを書かなければならないが気が重い。
大統領選挙の後が危機の本番で日本人が腹を据えてかからなければならない事態が起こると思う。結果は日本晴れではあるのだが・・。

今日、街歩きに出て憂鬱な物を見た。あの、フランスやドイツで行われていると言う日本祭りとやらの逆輸入みたいなの、そう、かぼちゃ祭りハロウィンだ。『何だあのカッコウは!?』品位もなければ美しくもない、顔に何やら塗りたくった仮装行列、単なる飲み食いバカ騒ぎじゃないか。

大急ぎでバスに乗って帰宅した。

読書百遍意自ずから通ず

2020年10月30日 13時04分15秒 | 日記
【子曰く、学びてときにこれを習う、また愉しからずや】・・・何のこっちゃ?
寺子屋の論語素読では多分意味までは講義しなかっただろう。ただ子供達の記憶の抽斗にこの、子曰く・・・が収納されていった。そして後年、もしかしたら晩年になって『アッそうか!』と閃く。

・・・大分勿体をつけてしまった。【上級】とグレード分けされたギター曲は何度も弾いていないと曲のカタチが見えて来ない。これでもか、これでもか、と性懲りもなく練習する内に作曲者の思い描いているものが少しずつ見えて来る。最初は何だ、このヘンチクリンな音符の連なりは!?だったのが霧の向うから徐々に素晴らしい姿を現して来る。
実はそこのところが所謂古典ギターには無い面白さで、現代曲に嵌っているのだ。

特攻崩れ半ゴロツキ親父のホラ話

2020年10月29日 22時46分45秒 | 日記
どこまでが本当でどこまでがホラか定かでないところがムズガユイ・・・確かに軍服には羽の紀章がついていて航空兵だったようでもあるのだが・・・。
肥前言葉を解読されよ。

終戦になったいどん、こんまま戻う(る)わけにゃいかんざいて、皆で相談して最後の特攻ばしよで、と決したサ。そいで翌朝飛行場にいたてみたらプロペラば抜かれとった、こいじゃ飛ぶわけにゃいかん、ちゅうわけでしぶしぶ復員したとばい・・・
(ウソつけ、プロペラがそう簡単に抜けるもんか、それくらいなら燃料を抜くさ)

復員して長崎戻っ来たいどん仕事がなか、そいでぶらぶらして港んねき行たっ見たさ。そけ、米軍のジープが走っ来たざい、窓にドクロば吊り下げとっとばい、そいがチョコレートば投げたさ、そしたや子供ンしがワーッって寄って来て拾うとばい、『ああ、敗けた!』ってそん時本気で思たさ、泣こごたった。

アメリカ兵と喧嘩になったさ、行き掛かりで仕方ンなかったいどん、巴投げで投げたサ、そしたら海ん中へ落っちゃげたもん。その場は走って逃げたいどん、MPが捕まえに来んとも限らん、わや、暫く逃げて身を隠せ言われて天草んにき戦友が居った、そけ逃げた。

『わや遊んでばかい居らんでちった手伝いでもせろ』っちそいが牛ば牽いてきたさ、『どげんすっとか?』『こいば川で洗え、左さね行かすっときゃ【ヒダ】、右さね曲がらすっ時ゃ【ワ】て言え』
そいで牽いて歩いたさ、右さね行かそでっち【ワ】て言うてみたいどんいっちょん言うことば聞きよらん、そいで棒で尻ば打っ叩いて【ワ】て言うたさ、そしたら後ろば振り返っておいばじーっと見るとばい、【こいが横着っか】思て睨み返したさ、だんだん恐ろしゅなって綱ば放して逃げたさ、・・・『追っかけてきたばい、おろちーて海に飛び込んで泳いで逃げたさ』
・・・(フーン、嘘臭いなあ、米兵に仇をとられたわけだ)

中学時代の悪友で原爆におた(遭った)とがおったよ、どうせなご(長く)なかっちわけで密造のショーチューば仕入れて砂糖ばカルメラ焼きして混ぜ込んでウィスキーのごとして飲ませた。野ウサギを捕まえてその肉ですき焼きをして食わせた、ゼン(銭)がの(無く)なっずい(なるまで)やったいどん死なんとばい、参ったぜ、そん奴ゃまだ生きっちょっど。
・・・(これは本当かもしれない)

フラメンコギターでクラシックギター曲を弾く

2020年10月28日 10時00分13秒 | 日記
弦高が高いと弾きにくいから限界まで下げる。フラメンコギターはラスゲアドなどの奏法で表甲を激しく傷めるので板厚が厚めで、力木もクラシックとは相当違っている。いや、今持っているのが特殊なのかもしれないがクラシックギターの扇状力木配置とはまるで違う。
普通のノーマル・テンションの弦ではボン鳴りする。そこで、ハイテンションの弦を張って、五度低く調弦する。・・・・ああ、この暗い情念の音!棺桶の中にまで抱いて行きたい。
大体、カンテ・フラメンコと言うのがそういう音楽なのだ。フラメンコのレコードなど聴くと始めはセビリヤーナス、アレグリアスなどの明るい音楽だがだんだん暗い音楽になって行く。グラナディナ、ティエント、シギリーヤなど、ろうそくの炎がゆらめくような・・・心がどこかへ持って行かれる。この状態をドゥエンデと言う、フラメンコ独特の世界だ。クラシックの、やはりその類の音楽にはピッタリだ。まあ、一般向けはしないだろうが。