澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

歴史教師が毛沢東批判

2010年05月12日 08時33分54秒 | マスメディア

今朝の「産経新聞」に興味深い記事が載っている。
「ネット騒然映像講義 歴史教師が毛沢東批判」という記事だ。(下記参照)

急速に経済発展が進む中国では、毛沢東時代はもはや忘却の彼方かと思ったら、時折こういう記事が報道される。
中共(=中国共産党)政権は、「大躍進」や「プロレタリア文化大革命」の悲惨で愚かな歴史をきちんと総括することなく、ただただ中華民族主義、愛国主義を強調している。

 (毛沢東のそっくりさん)

現在、中国人が学校で教わる歴史というのは、中共が現在の中国を作り上げたというサクセス・ストーリー。主人公である中共に敵対した勢力は皆悪者なので、中国国民党は裏切り者。だが、最大の敵・悪者は日本だ。毛沢東時代は、日本軍国主義と日本人民を峻別して教育していたのに対し、現在は日本そのものが悪で憎悪の対象となるように教えられているのだ。そう考えると、中国人が見せる傲慢な態度、日本人に対する攻撃的な態度が理解できるだろう。

この歴史教師である袁騰飛氏は、日本と中国の歴史教科書を比較して、次のように述べている。
「日本教科書篡改率比中國低得多,中國教科書真實率低於5%,純粹胡說八道。」(日本の教科書の改竄率は中国と比べてとても低く、中国の教科書は、真実を5%しか載せておらず、あとはデタラメだ)

中共がいくら内部の矛盾を他者に転嫁しようとしても、すべての中国人をだませるはずもない。「08宣言」や今回の歴史講義騒動を見ても、中国知識人内部では、中共に対する批判が沸々と起きていることが分かる。 

中国国内では、中共当局によって削除されてしまった袁騰飛の講義だが、次の映像で見ることが出来る。興味ある方はぜひどうぞ。

【袁騰飛老師の講義 YouTube映像】

袁騰飛が語る毛沢東 1959-1961

 袁騰飛が語る「無産階級文化大革命」 

袁騰飛が語る「反右派闘争」における "言者無罪"について

 

ネット騒然映像講義 歴史教師が毛沢東批判 (産経新聞 2010.5.12)<o:p></o:p>

「毛(もう)沢(たく)東(とう)はスターリン、ヒトラーに並ぶ永遠の罪人」「毛沢東記念堂は大虐殺記念館と改称せよ」
 中国で人気絶大の歴史教師、袁騰飛氏(38)が4月下旬、ネットにアップされた映像講義で、毛沢東を痛烈に批判、保守派が袁氏バッシングに出るなど波紋を呼んでいる。袁氏の主張は、毛沢東が築いた一党独裁体制批判に通じるため、当局は当該映像の削除を指示、サイト掲示板の書き込みの規制を始めた

 袁氏は北京の私立精華学校高等部の看板教師で、国営中央テレビCCTV)の教養番組「百家講壇」の講師を務め、出演番組は常に最高視聴率を記録。その人気に着目した動画サイトは、約2年前から教壇での講義をアップ、これも年間数千万のアクセス数を誇る。軽妙な語り口と大胆な解釈が売りで、ネット投票で「中国で最高の歴史教師」に選ばれた。
 今回問題になったのは、市内の予備校での講義。2回計3時間にわたり「文化大革命」を論じたが、文革にとどまらず毛沢東の全面批判だ。そのごく一部を紹介すると-。
 「毛沢東の問題点は、独裁者と同時に教祖になったことだ。20世紀の三大暴君は、毛とスターリン、ヒトラーだが、ヒトラーは外国人を殺したのに、毛とスターリンは自国民を殺した」
 「数千万の餓死者を出しながら自己の権力のため原爆を製造したのは、今日の北朝鮮と同じだ。彼の太子(毛岸英氏)が(朝鮮戦争で米軍に)殺されてなければ、今日の中国も北朝鮮の金王朝と同じだったろう

 袁騰飛氏は毛沢東時代を「赤色テロの時代、中国で最も暗黒の時代」と呼び「1949年以降、毛沢東が行った唯一の正しいことは、死去したこと」と断じる。政治的に微妙なチベット問題に関しても「ダライ・ラマがノーベル平和賞を受賞したのは、共産党の武力侵略に抵抗したため」と言い切った。
 袁氏は他の講義で、西側の三権分立制について「絶対的権力は絶対的に腐敗する」と間接的に現体制を批判してもいる。その立場は、2008年に「08憲章」を起草し、懲役11年になった作家の劉暁波氏に近い。
 袁氏に対しては、民族系サイトなどは「裏切り者」「世界史上最低のばか」といった洪水のような罵(ば)声(せい)があふれた。当局に裁判にかけろと要求する声が上がり、袁氏逮捕のデマ情報も。

 一方で袁氏を勇気をたたえ、声援する声も少なくない。
 当の袁氏は9日夜、動画サイトを通じ、「私は万事OK。法律が公正な判断を下すと思う」と声明を発表した。憲法の保障する言論の自由の枠内という意味だが、当局は若者の圧倒的支持を受ける袁氏の扱いに慎重で、公式メディアもこの件の報道をしていない。(北京 伊藤正) 



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