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今日の筆洗

2017年07月24日 | Weblog

 一九六四(昭和三十九)年前後を描いたNHK連続テレビ小説の「ひよっこ」を見ていると登場人物が当時の流行歌を口ずさむ場面がひんぱんにある▼今の若いお方があのドラマをご覧になれば、ずいぶんと歌の好きな人たちだなと思うかもしれぬが、当時や、そのしばらく後を知る世代からすれば、不思議でもなんでもない。昭和の人は流行歌を日常生活において、よく口にしていた▼<流行歌、歌謡曲と呼ばれた時代の歌は、歌手だけのものではなく、たくさんの人が声を出して歌った、みんなの歌だった>。そう当時を分析していた昭和流行歌の作曲家が亡くなった。平尾昌晃さん。七十九歳▼「霧の摩周湖」(布施明さん)「よこはま・たそがれ」(五木ひろしさん)「瀬戸の花嫁」(小柳ルミ子さん)「うそ」(中条きよしさん)…。題名を見ただけで曲がすらすらと出てくる人も多いにちがいない。台所でお風呂場であるいは酒場で。みんなが口にできる名曲を数多く残した▼自分で作詞作曲し、歌唱もした「ミヨチャン」は昭和三十五年だから、今でいうシンガー・ソングライターのはしりともいえる▼<いまに見ていろ 僕だって>。「ミヨチャン」のフレーズに苦しくとも負けないでというメッセージを込めて書いたそうだ。歌に励まされた高度成長期の青年たちもいるだろう。みんなの流行歌の時代が恋しい。