tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

ラインに密着せよ

2017-07-12 22:42:48 | 日記

普段、あまり買い物をしないぼくでも、長い列に並びたくないと思う。実際、レジに並んでいる時間というのは、実際の時間よりも長く感じるものだ。
クアラルンプールの空港免税店での清算待ちで、長い列を途中から2つに分けられた彼女は日本語で怒ってた。不幸なことに、彼女のすぐ後ろに並んでいたバングラディッシュ人の男性が先に清算をすませることになったからだった。

というか、その列を傍観してて笑っちゃったのは、インドやバングラディッシュ系の人々の列の詰め方。もう、ほとんど自分のお腹と前の人の背中がくっつくくらい、密着して並んでいる。絶対に割り込みはさせないぞ・・・気迫がひしひしと伝わってくる。

沢木耕太郎の深夜特急にも出てくる。
「いかにも 金 の あり そう な 押し出し の いい オッサン が やって来 て、 長い 列 を 見渡す と 前 の 方 で 並ん で いる ひとり の 男 に 眼をつけた。これ が また いかにも 気弱 そう な 人物 だっ た が、 オッサン は 横柄 な 態度 で 声 を 掛ける と、 その 前 に 入り込ん で しまっ た の だ」
沢木はそのオッサンに報復する。
「私 は 腹 が 立ち、 オッサン に 怒鳴っ た。 「俺 たち は みんな 並ん でる ん だ、 後 に つけよ」   それでも 知ら ない 顔 を し て いる。 私 は 本格的 に 腹 を 立て、 近く に 寄っ て 大声 を 上げ た」
沢木 耕太郎. 深夜特急3―インド・ネパール―(新潮文庫) (Kindle の位置No.1968-1970). 新潮社. Kindle 版.

しかし、彼がが本当に腹を立てていたのは、要領のいいオッサンではなく、言いなりになってしまう気弱な男に対してなのだった。
・・・ぼくは彼ほど強気にはなれない。深夜に到着したニューデリー空港の両替所で、ぼくの前の東欧系の旅行者の前に割り込んだ若いインドの男にも、ぼくの背後にぴったりとくっつくインドの女性にも、苦笑はして見せるものの何にも言い出せなかった。

「ディス・イズ・ライン!」   これ が 列なん だ、 と 耳元 で 三 回 ほど・・・
沢木のように大声をだせたら気持ちいいんだろうな。。

 

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