tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

土曜日のジャガイモ(174

2019-08-31 20:47:39 | 料理のサイエンス

ぱんぱんに膨らんだポテチの袋を見たいがために、キルギスのキャンプまで持ってった堅あげポテト、うすしお味。
カラコル谷からアラクル峠(3550m)越えの急なザレ場、ガレ場。落石や、細く脆そうなトラバースに一息ついた時のスペシャル行動食。
高山病ケアのため、アミノバイタル、マルトデキストリン(粉あめ),ショッツなど甘めのものを口にしてたから、食欲不振気味でも単純な塩味がおいしい。

いくつかのパッケージをポーターさんたちにあげたら喜んでた。学生バイトの彼らは、キャンプでの食事は自炊。何を食べてたかは知らないけど、持参できるものは限られてる。日本のポテチ。かの地でもかなり好評のもよう。


陸路で国境越え

2019-08-30 23:46:36 | プチ放浪 山道編

彼女がぼくを目覚めさせた。ぼくの心を揺り動かした。ぼくは夢中で走り回り、大地と世界を眺めてみた。驚いた。まるで世界をはじめて見るような気がした・・・。
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アルマティ(カザフスタン)から入国→カラコル(キルギス)へ陸路による国境越え。出国ゲートから入国ゲートへ。舗装のない砂利道を距離にして10mぐらい、歩いて移動する。出国する国のビザが切れていて、入国側のビザが降りなければ、あるいはパスポートの条件が合わなければ、その10mぐらいの中間地帯(無国籍地帯)で足止めを食うことになる。(・・・なんかそんな映画があったな。国際情勢の変動には要注意)

周りを海に囲まれているぼくらとって、陸路の国境越えは手続きや国境を挟んだ街並みの違いなどワクワクの体験だ。国境のどちら側でもタクシーが客待ちをしているもよう。出入国検査に時間がかかったりすると乗ってきた国境越えのバスなどに置き去りにされてしまうかも。。

国境越えといっても、国境に線が引かれているわけでもない。大勢の脱獄者・・・違った旅行者に背中を押され、入出獄(国)検査。スタンプが押されいつの間にか越境。仲間たちと抱き合って感慨にふける暇もない。

さて、言葉の壁をどう乗り越える。でも大丈夫。「なんとかなる」のだ。。帰りのカザフスタン入国審査官は若い女性。いくつかの窓口の中で一番仕事が速い。余計なことは言わず、極力短文で。。「はろー。オンリー・トランジット。おーけー?」。変な英語の日本人旅行者に不信を抱いた同僚が彼女をヘルプ。でも、彼女は「ヒー・イズ・マイ・フレンド!」と言って入国を許可してくれる。。

国境は走り高跳びのバーをもってしても超えらない高さの鉄条網が、はるか向こうまで続く。鉄条網の端を迂回して密入獄できそうとか考えるのはぼくだけなんだろう。国境は制服を着た軍隊がガードしてて、その胸には血液型が記されたシールが。どうも、カザフスタンは日本人と同じくA型が多そうだ。中にはOのマイナス型の人も。。そんなとこでマイナーなのは、なんかかわいそう。


ジャミーリャ

2019-08-29 22:31:00 | 椿 名木・名園

邦訳は『この星でいちばん美しい愛の物語』。この小説を読んだフランスの詩人ルイ・アラゴンが「これは世界でいちばん美しい愛の物語である」と、フランス語版の本書に書き記した文が邦訳のタイトルとなっている。

人はどの瞬間から恋に落ちるものなのだろう。彼女は自分たちが仕掛けたちょっとしたいたずらに、何とも思ってなかった男が命をかけていたずらをクリアした時に恋に落ちた。落ちたらもう逃れることはできない。

ラブストーリではあるが、主人公は幼い男の子。戦争という特殊な状況下で、一人前の男にならなきゃと自覚を持つ。だがやはり子供だ。戦争に取られた若い兄の新婚の女性に「大人の女性に対するのあこがれ」を抱く。

戦争が生み出した悲劇は、こんなキルギスの山奥の田舎の村にも訪れる。時代が悪かった、運が悪すぎた。そんな陳腐な言葉でひとくくりにまとめられてしまうものなのだろう。そういう意味で、この小説は幼い恋心がテーマというよりも、作者の反戦のメッセージがかすかに感じられる。戦争を超えた新しい生活。閉鎖的な村社会でも憧れの世界なのだろう。


高山病

2019-08-28 23:13:39 | プチ放浪 山道編



2500mを超えての高所は、体のあちこちに不調をきたすのは織り込み済み。キルギスのアラクル峠(3550m)越えのトレッキングには、前もっていろんな作戦を立てて臨んだ。
効果が一番大きかったのは、ダイアモックス。ご存じ、高山病の予防薬。トレッキング前日のカラコル(1,700m)から服用開始。朝晩、処方箋通り1/2錠づつ飲んだ。

ぼくのかつての最高到達は、エベレスト街道のナムチェ(3,440m)、富士山山頂(3,776m?)、ボリビア・ラパス(4,061m)、ペルー・クスコ(3,360m)。
もう何十年も前の学生時代には、クライン・マッターホルン展望台(3,883m)も経験しているが、当時は若く、血液がサラサラだったころだから、そこで酒をのんで酔っ払ってたのは参考にはなるまい。

服用したダイアモックスの効果があって、さほどひどいトラブルには陥らなかったものの、酸素が内臓に行きわたらず食欲は皆無。キャンプで若い女性シェフが腕によりをかけて作ってくれてたメイン料理(ラグ麺)には、ついに到達できなかった。前菜のスープ以外のものは胃が受け付けそうもなかったのだ。

高山病は高度を下げれば回復する。アラクル峠を超え、イシククル湖(1,607m)まで降りてきたら、食欲全開。せっかくのキャンプ料理、毎日残してごめんよ。でも、スープは最高においしかったです。
(ムスリムの娘は、恥ずかしがってなかなかファインダーに捕らえられない)

 


アシュラン・フー

2019-08-27 23:08:14 | プチ放浪 山道編

中央アジア全域で広く食べられている手延べ麺。ラグマン。
キルギスでは独特のラグマンがある。アシュラン・フーという一皿。辛くて酸っぱい冷麺で、中国から移住したムスリム(ドンガン人)の料理。ぼくのいちばんのお気に入り。
カラコルの街で有名な食べ物らしい。酸味の効いたスープにうどんに似た冷たい麺とジャガイモのデンプンから作ったツルツル麺の2種類が入っている。スープは真っ赤。一見、盛岡のジャージャー麺風。フルーツはのってないけど。
ジャージャー麺との最大の違いは、アシュラン・フーがすっぱからいところ。

四国の讃岐うどんのように、店が軒を連ねていて、一杯は40円ぐらいとのこと。システムもほぼ同じで、総菜が皿に盛られて売られており、好きな総菜を自分で取っておかずにするようだ。
店によってスープの素味が全然違うらしく、人気の店、ガラガラの店と客入りは店によって大きく異なる。ガイドに連れられて入ったお店は、日本人向きの味。

遊牧文化の国・キルギスの料理は何といっても肉中心。「客は満腹だと言い、主人はまだ足りぬと言う」そんなことわざが表すように毎日フルコースで攻められる。
・・・アシュラン・フーなら3食でもいいっすよ。