tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

晩鐘の鳴る里(2)

2007-09-06 23:56:39 | 日記
すっかり都会に染まりきった自分が、3年ぶりに帰った田舎ではやけに浮いているように感じられる。ここで暮らしていた頃は、まるで変化のない田舎と思っていた。しかし、駅に降り立った時には、まるで見知らぬ町のように思えたから不思議だった。今日、この祭りに出向いたのは、久しぶりの実家でブラブラしていたら、母親からせっかくのお祭りだから行って来いと言われたからだ。母親はどうやら、都会から3年ぶりに帰ってきた彼を、近所の人に見てもらいたいようだった。都会に出たからって、別にえらくなったわけでもないのに・・・・・・。祭りに出かけるのは面倒くさいけど、そんなことでいちいち反論する気にもならず、<どうでもいいや>と彼は人ごみへと足を進めていった。
出店が並んでいる通りに折れて、両側に連なるいろいろな出店を冷やかしてブラブラ歩いた。都会で人波に慣れているとは言え、浴衣を着た家族連れや、若い男女がごったがえす祭りの人ごみにもまれると、さすがに頭がクラクラする。喧騒が全身の感覚を襲い、その猥雑さに彼は押し流されそうになっていた。