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不敬罪とは、国王や皇帝などの君主・王族・皇族の一族や宗教・聖地・墳墓等に対し、名誉や尊厳を害するなど、不敬とされた行為の実行により成立する犯罪である。
日本に於いても明治13年から明文化され戦後まで続いている。過去形にしないのは不敬罪が廃止されたもののGHQによるところの影響が大きく、現在においてもまだまだ皇室関連のバッシングや陛下の敬称を付けない呼び方に於いて不敬であると感じる方が多く見られる実感からである。
そんな不敬罪が法的に失効したプロセスを再確認してみよう。
日本国憲法の成立に伴う刑法改正に際して、不敬罪、大逆罪の廃止をめぐる、日本政府とGHQの一連のやりとりを示した資料を貼る。
『1946(昭和21)年12月20日、ホイットニー民政局長は、木村篤太郎司法大臣に対し、不敬罪、大逆罪に関する規定を定めた刑法第73条から第76条までの条項を削除するよう指示を与えた。これを受けて、吉田茂首相は、12月27日付けのマッカーサー宛書簡で、
1)天皇の身体への暴力は国家に対する破壊行為であること、
2)皇位継承に関わる皇族も同様に考えられること、
3)英国のような君主制の国においても同様の特別規定があること、
を理由に大逆罪の存置を訴えた。しかし民政局法務課長のアルフレッド・オプラーは、吉田の書簡の内容について調査を行い、アメリカ大統領及びイギリス国王には日本の大逆罪に該当するような特別規定は存在しない、と結論づけた。
この調査結果を踏まえ、翌年2月25日、マッカーサーは吉田宛書簡で、吉田のあげた存置理由について一つ一つ反論し、天皇や皇族への法的保護は、国民が受ける保護と同等であり、それ以上の保護を与えることは新憲法の理念に反する、と吉田の訴えを拒絶した。』
しかしながら憲法解釈に於いて14条で一条との齟齬が発生しており、天皇皇族は適用外とされている。
憲法14条
すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。
憲法1条
天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
憲法第1章の存在により、天皇、皇族は適用範囲外となる。
昭和天皇は幣原に対して「堂上華族だけは残す訳にいかないか」と発言しており、政府内では「1.天皇の皇室典範改正の発議権の留保」「2.華族廃止については、堂上華族だけは残す」という二点についてアメリカ側と交渉すべきか議論が行われたが、岩田宙造司法大臣から「今日の如き大変革の際、かかる点につき、陛下の思召として米国側に提案を為すは内外に対して如何と思う」との反対意見が出され、他の閣僚も同調したことから、「致方なし」として断念された。
結局、華族制度は衆議院で即時廃止に修正し可決(芦田修正のひとつ)、貴族院も衆議院で可決された原案通りでこれを可決した。
次にこの廃止を目前に実証するような事件か起きる。
プラカード事件てある。
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1946年5月19日の飯米獲得人民大会(食糧メーデー)で、表に「詔書 国体はゴジされたぞ、朕はタラフク食ってるぞ、ナンジ人民飢えて死ね、ギョメイギョジ」、裏に「働いても働いても何故私達は飢えねばならぬか、天皇ヒロヒト答えて呉れ」と書かれたプラカードを掲げて参加し、不敬罪で逮捕される。
1946年11月2日、東京地方裁判所で
「ポツダム宣言を受諾し降伏文書に調印した後においては、従来の天皇の特殊的地位は完全に変革し、その時以後これまで法的に認め難かったところの天皇の個人性を認めるに至った結果、かかる天皇の一身に対する誹謗、侮蔑などにわたる行為については不敬罪をもって問擬すべき限りでなく、名誉に対する罪条をもってのぞむを相当とする」
との理由で名誉毀損による懲役8ヶ月の実刑判決が下る。これに対し弁護側は名誉毀損罪が親告罪である点を衝き、天皇の告訴なしになぜ名誉毀損罪が成立するのか、との理由で控訴。
1947年6月28日、東京高等裁判所は「不敬罪だが日本国憲法の公布にともなう大赦令で免訴」との判断を下す。最終的に1948年5月26日、最高裁判所で公訴権の消滅を理由に上告棄却となり、免訴が確定した。最後の不敬罪事件となる。
GHQの「天皇といえども特別の保護を受けるべきではない」という意向が通ってしまったと考えて間違いはない。
現行法律下では告訴権者が「天皇、皇后、太皇太后、皇太后又は皇嗣」であるときに内閣総理大臣が代わって名誉毀損罪や侮辱罪の告訴を行うことができるのみで、適用される法律自体は一般国民に対するそれと変わらないこととなっている。
つまり、不敬罪であれ、名誉毀損であれ、死者への冒涜は法的には許されていることとなるのである。
それをいいことに日本国の象徴の名誉毀損や不敬行為が横行するのはまさに自虐的なGHQ占領史観の影響であり反日行為の一丁目一番地なのである。