憂国のZ旗

日本の優れた事を様々話したい。

米軍大増強で「反中国」方向修正 日本にも覚悟と負担増要求の可能性大

2016-11-19 23:43:34 | 時評

トランプ新大統領は海軍と空軍を大幅に増強するつもりである。
同盟国にも、負担を望む姿勢が見える。これをもって、第二の黒船と称する向きもある。
この重大事に、はるかに後ろ向きな姿勢が野党であり、足を引っ張られる日本国民は
堪った物じゃないと考える。

米軍大増強で「反中国」方向修正 日本にも覚悟と負担増要求の可能性大
2016.11.18
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20161118/plt1611181530001-n1.htm

 次期米国大統領のドナルド・トランプ氏による、外交・安全保障や経済政策が注目されている。選挙戦では「米国が『世界の警察官』であり続けることはできない」と主張していたが、投開票直前、オバマ政権が削減させた米軍の規模や装備、予算を再び拡充させ、大増強する考えを表明したのだ。側近が指摘する「反中国」の姿勢と、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加の可能性とは。同盟国・日本にも、覚悟と負担増を求めてくる可能性が高い。

 「米国が復活したことを世界に示すときだ」「われわれがやろうとしているのはアメリカ・ファースト(米国第一)だ。グローバリズムではなく、米国主義を信条とする」

 トランプ氏は7月、共和党候補者指名を受諾した後、演説でこう訴えた。「米国第一」という言葉を受けてか、「孤立主義復活」「米国は『世界の警察官』を降りた」と報じたメディアもあった。

 だが、米軍最高司令官としての資質を疑問視する声が、外交・安全保障の専門家から続出したためか、トランプ氏は方向修正したようだ。

 トランプ氏は投票直前、米軍の戦力を陸、海、空で増強し、最新のミサイル防衛システムを開発することが必要だと指摘し、大統領就任後に「米軍の大増強」に着手する考えを明らかにしたのだ。

具体的には、(1)陸軍を49万人から54万人に増強(2)海兵隊を18万人から20万人に(3)空軍戦闘機を1113機から1200機(4)海軍を272隻体制から350隻体制-などと指摘されている。

 トランプ陣営の防衛問題上級顧問、アレックス・グレイ氏は、米国政府系放送局「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)のインタビューに、以下のように語ったという(12日、産経新聞『緯度経度』)。

 「オバマ政権は、アジアに『リバランス』(再均衡)といった政策を掲げたが、現実には空軍や海軍の戦力を削減してきた。中国にも東・南シナ海での無法な拡張に抗議はしても、硬軟両方の姿勢をとってきた。結果、日本や韓国など長年の同盟諸国からの信頼を失い始めた」

 「トランプ氏は、中国に対して十分な抑止力の効く軍事増強を果たす。レーガン政権以来の大規模な軍事力強化を図る。特に、南シナ海には中国を圧倒する海軍力を配備し、『力の立場』から断固として交渉する。平和で自由な国際秩序を乱す行動は、一切自粛するように強く求める」

 これが本音ならば、「国際法の順守」「航行の自由」と言いながら、中国が勝手に軍事基地化した南シナ海の岩礁の周辺に、駆逐艦を航行させるぐらいしかできなかったオバマ政権とは雲泥の差ではないか。

ただ、トランプ氏は「ディール(取引)する」が口癖のビジネスマンであり、楽観論を持つのは極めて危険だ。現に、大統領就任前から日本に対し、さまざまなメッセージを送ってきている。

 選挙期間中、トランプ氏は在日米軍の駐留経費負担増を求めていたが、トランプ氏側近として先月来日し、菅義偉官房長官と会談したり、自民党でも講演したマイケル・フリン元DIA(国防情報局)局長は、民進党の長島昭久元防衛副大臣との会談で、次のように語ったという。

 「日本は『中国が脅威だ』とか『北朝鮮が脅威だ』とか言っているわりには20年間ほとんど防衛費(国内総生産=GDP=の1%程度)が変わっていない。ちょっと、おかしいのではないか」

 長島氏が14日、都内で開いた自らのパーティーで明らかにした。トランプ政権の「国防長官候補」「国家安全保障担当補佐官候補」と言われている人物の発言だけに無視できない。

 安倍首相は17日(米国時間)、トランプ氏と初めて会談した。羽田空港を出発前、記者団に意気込みをこう語った。

 「未来に向けて、お互いの夢を語り合う会談をしたい。(日米同盟は)日本の外交、安全保障の基軸。信頼関係を構築して、世界の繁栄と平和に尽くしたい」

 トランプ政権の「米軍増強」「対中姿勢」は信用できるのか。安倍首相は、したたかなトランプ氏に対し、どう対峙すべきか。

 安全保障問題に精通する、評論家で拓殖大学客員教授の潮匡人氏は「トランプ政権は『米軍増強』の方向に向かうはずだ」といい、続けた。

 「オバマ政権は『リバランス』の名の下、総額的には『軍縮』の方向に進んできたが、トランプ氏は(中国の軍事的覇権などを見て)『軍事費を総額で上げる』と主張し、日本を含む同盟国に『応分の負担』を求めている。NATO(北大西洋条約機構)は加盟国にGDP比2%の軍事費を義務付けており、日本も同様の要求をされる可能性がある。自衛隊には『盾』の機能しかない以上、必要な『負担増』『役割増』は認めざるを得ないだろう。米国内には『日本は金を出すだけでリスクを背負わない』という不満が強い。日本人は覚悟を求められるのではないか」





2016.11.10 05:01更新
【主張】
日本は防衛努力を強める覚悟持て 規格外の人物登場「トランプ・リスク」は不可避だ

http://www.sankei.com/column/news/161110/clm1611100001-n1.html
超大国の次期指導者に、当初は泡沫(ほうまつ)候補扱いだったトランプ氏が決まった。
 不動産王として知られてはいたが、政治経験はない。イスラム教徒の入国禁止を叫ぶなど数々の暴言、失言で世間を騒がせた。そういう氏の勝利は衝撃的であり、同時にアメリカ国民の選択にも驚きを禁じ得ない。
 その行方は不透明だが、米国が劇的な変化を求めた結果を冷静に受け止めるしかない。
 日本は米国を最も重要な同盟国と位置付けてきた。問われるのは、自由と民主主義などの価値観を共有する関係を今後もいかに維持していくかの具体論である。
《価値観共有への努力を》
 格差拡大をめぐる不満などに起因する国内の対立の解消は、米国自らの手で行う問題である。だが、トランプ氏が訴える「米国第一主義」が孤立主義につながりかねない以上、自由貿易拡大の理念を貫徹するよう、日本は働きかける必要がある。
 予想外の展開、規格外の人物の登場により「トランプ・リスク」が生じるのは避けられまい。これに振り回されないため、政治、経済の両面での備えが必要だ。
 強く懸念されるのは、米国で内向き志向が強まることだ。
 安全保障の観点では、日米同盟軽視の姿勢は日本の安全に直結する。トランプ氏は日本だけでなく、北大西洋条約機構(NATO)加盟国や韓国など他の同盟国にも駐留米軍経費の負担増を求める考えを示している。
発想の根本には損得勘定があるようだが、国際秩序の維持に努める重大な意義と天秤(てんびん)にかけられる話ではあるまい。
 米軍はアジア太平洋地域の平和と安定に重要な役割を果たしている。この地域はいま、中国の一方的海洋進出に歯止めをかけられるかどうかの岐路に立たされており、その成否は米国自身の国益にも結び付いている。
 北朝鮮の核、弾道ミサイル開発も、米国の安全を脅かしかねない段階に入っている。
 日本の経費負担の現状や在日米軍の持つ抑止力の意義について誤解を解く努力を重ねるべきだ。より重要なのは、東シナ海の尖閣諸島の危機を抱える日本として、自ら防衛努力を強める覚悟を持つことである。
 安倍晋三首相は「普遍的価値で結ばれた同盟を強固にしていきたい」と語った。決意のみならず、具体的な防衛力の強化策を講じることが不可欠といえよう。
 トランプ氏優勢が伝えられた段階から東京株式市場の株価が暴落するなど、金融市場は大荒れの展開となった。
 保護主義的な主張への警戒だけでなく、予想のつかぬ政策運営で経済が混乱する不確実性への不安もあろう。
《経済変調に警戒怠れぬ》
 堅調な米経済が直面する新たな政治リスクが、停滞感の強い世界景気を下押しすることがないか警戒を怠るわけにはいかない。
 大統領就任時に、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からの離脱を宣言するとした点は見過ごせない。米国の脱落はTPPを無にする。
 あらゆる国の経済が密接につながる中で、自由貿易を推進する経済連携を否定するなど、米国の成長に資するはずがない。
 TPPの戦略的な意義も再認識してほしい。覇権主義的傾向を強める中国ではなく、日米が軸となってアジア太平洋の新たな経済秩序を築く。その役割を放棄するなら、米国への信頼は失墜する。
 オバマ大統領は残りの任期中の議会承認を目指している。議会もこれに応じるべきだ。特に本来、自由貿易に前向きな共和党はその理念を実現する責任が大きい。
 日本が確実に国会手続きを進めるのは当然だ。
 その上で他の参加国とも連携し、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議などの機会に米国に承認を促すべきだ。
 差別的発言や女性蔑視発言が繰り返されたことは、米国内に宗教や人種、党派による分断状態があることを浮き彫りにした。
 オバマ大統領が世界の警察官を否定したことで、中国やロシアが台頭する局面が増え、米国の影響力低下が顕在化した。
 「米国を再建する」と語るトランプ氏には、融和と超大国としての責任を語ってほしい。