百醜千拙草

何とかやっています

究極の選択

2024-05-07 | Weblog
いよいよ、イスラエルがハマスに突きつけた最後通告にハマスが回答する日を迎えました。ハマスは人質の交換と引き換えに永久停戦を望んでいますが、ネタニヤフはハマスが解体しない限りは兵を引かないと主張。しかし、そもそもハマスの盾になっているとの言いがかりでガザで一般人を殺し、病院、学校、住居を破壊しまくったネタニヤフの目的はハマスではなくパレスティナの殲滅とガザの掌握であるのが明らかですから、仮にハマス側がイスラエルの主張を受け入れたとしても、ネタニヤフはまた適当な言いがかりをつけて攻撃を再開するでしょう。つまり、永久停戦はイスラエルにとっては最初から選択にない。そしてガザの次はウエストバンクのファタハに対しても同様のことを繰り返すだろうと予想されます。イスラエルの要求は、ハマスが要求を飲めば、Rafahへの攻撃をちょっとだけ待つが、そのうち再開して150万人の一般人を集めたRafahを攻撃する、要求を飲まなければ、直ちにRafahを攻撃する、ということで、いずれにせよRafahの攻撃とその後のガザの完全掌握は変わらない。財産も破壊され食料でさえ不足し移動することもままならない一般人の首にナイフを突きつけ、パレスティナの土地からパレスティナ人を消し去ろうとする下劣極まりないネタニヤフ。

これは言ってみれば大規模なイジメです。イジメは力のあるものが弱いものに対して嫌がらせをする卑劣な行いであって、力の不均衡と差別意識に基づいています。イスラエルの場合でも、自分が相手より優れていると思い込む愚かで醜い差別意識がシオニストの根底にあります。旧約聖書にあるように、彼らは(イスラエルの)神に選ばれた存在でパレスティナは神が彼らに約束した土地であり、異教徒は皆殺しにするべきだ、と文字通り信じているのでしょう。ホロコーストのあった時代、彼らは差別される側にあって力を持ちませんでした。結果として600万人と言われるユダヤ人が殺されました。そしてヨーロッパで金融で成功したユダヤ人らは自らの国土とそれを守る武力を欲したのでしょう。結果、資本主義(金持っている奴が偉い主義)という人間の欲望のエネルギーを使って強大な経済力と軍事力を持つに至ったアメリカという国の政治や様々な機関の中枢へユダヤ人は入り込み、アメリカを内部からコントロールしそのパワーを利用するに至りました。ガザに落とされた大量の爆弾の大半はアメリカ製であり、イランからのドローンとミサイルの多くを拿捕したのはアメリカ軍でした。アメリカの武力援助がなければ、イスラエルの力は半減し、周辺のアラブ諸国との力関係は大きく変わっていたはずです。

一方、土地を盗まれ、難民となりガザに閉じ込められてきた200万人のパレスティナは、その生存を国外からの支援に頼り、兵力はほぼ皆無です。力に圧倒的な差がある状態で、その力に任せてパレスティナをイジめ続け、抵抗を挑発し、それを口実に最後のトドメを刺そうとしているのがネタニヤフの極右政権であると言えると思います。ユダヤ人は「自分の身を守るため」という大義名分が立てば、全てが正当化されると考えるようです。ネタニヤフや彼を支持するユダヤ人は、おそらく本気でパレスティナ人を殲滅しないと我が身が危ないと考えているのだろうと思われます。それだけにタチが悪い。われわれからすると、彼らシオニスト自体がそもそもの厄災の種であって、その狂信と歪んだ認識が彼ら自身のみならず、世界を危険に晒し続けているとしか見えません。

さて、そのイスラエルのパレスティナ虐殺を支援してきたアメリカですが、統一教会、経団連とアメリカにコントロールされている日本と同じで、一般国民の意思と政治権力の乖離は如何ともしがたいものがあります。アメリカの多数の大学で行われている巨大なプロテストを見ても、アメリカ政府のイスラエル支援に抗議して焼身自殺した軍人の行動を見ても、多くのアメリカ人がイスラエルの武力支援中止を訴えていても、「聞く力」のないバイデンもアメリカ議会も耳を貸しません。アメリカ議会の二大政党の議員の多くがシオニストの息がかかっており、大企業、メディア、政府機関、教育研究機関の多くの管理部門はユダヤ人で占められています。

アメリカでは、各地の有名大学でのプロテストへの警察介入に見られるように権力側は大学での学生運動も黙らせようとしてきています。ハーバードの臨時学長は今日、泊まり込み運動に参加する学生は停学処分の審議にかけるとする脅迫まがいのメールを関係者に送付。そもそもこのユダヤ系の学長、Alan Garberは、前学長である黒人のClaudia Gayが12月の「反ユダヤ主義」に関する議会の公聴会での吊し上げにあい、身の危険を感じて今年1月に学長を辞任ため、後を一時的に引き継いだものでした。上述の通り、議会はシオニストに牛耳られており、議会の質問は、挑発、誘導によって「言質」をとり、コンテクストから切り離して拡散し、「反ユダヤ」のレッテルを貼る目的で行われたもので、Gayの言葉によると、「巧妙に仕組まれた罠」でありました。今回のコロンビアの学長の吊上げでも見られたように、議員はわざと曖昧な質問をして高圧的にYesかNoで答えを迫り、シオニストに都合の良い答えを強要し、意にそぐわない答えの場合は強く糾弾した上でその模様をSNSで流させるという汚い手を使っています。議会の様子は公開されていますが、日本の国会中継と同じで、ニュースやSNSに拡散されるのは、与党に都合の良い部分だけが切り取られるのです。

さて、アメリカ次の大統領選ですが、もしこの一連の裁判を乗り切ればトランプが返り咲くという悪夢が再来しそうで戦慄します。しかし、パレスティナに関しては、仮にバイデンが再選となってもトランプが選ばれても、何らかの奇跡が起きてロバート ケネディーJr. が勝っても、アメリカのイスラエル支持は変わりません。これだけ全国の学生が抗議デモを激化させ、一般人が怒っても、政治に反映されません。

これが政権交代によって社会は改善していくと国民に思わさせる二大政党制の欺瞞です。結局は、どちらが勝とうが興行主は同じなのです。これは日本の場合も言えます。山本太郎は、かつて、自民党と立民に関して、どちらも貴族階級であって大差はない、が立民の方がちょっとだけマシと言いました。思うに、権力を持っていない立民は自民党ほど腐敗していない分マシだが、与党になった場合の政治のスタンスは変わらないと言っているのでしょう。政権交代前のシロアリ演説で有名になったノダの与党時代の手のひら返しは酷かったですからね。しかし、独裁制と政権交代できる体制とどちらが良いかと言われたら、無論、後者です。少なくともプレーヤーの交代で多少の腐敗は防げますからね。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「いちご白書」がもう一度 | トップ | Eurovision 2024 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事