百醜千拙草

何とかやっています

バルカン民謡

2019-03-19 | Weblog
来月頭の締め切りに向けて、グラント書いています。今回のは単純な筋なので、比較的簡単に書けるだろうと予想していたのですが、この三週間あまり、ほぼこれに集中してきたのに、まだ形が見えてきません。予備データをあまり含めないのが前提のグラントなので、理屈の勝負です。論理を二段、三段と積み重ねながら、積み重ねても論理が崩れないことを過去の文献のデータに基づいて示さないとなりません。書きながら細かい文献を調べたりしているとあっという間に時間が経つのに一行も進んでいないこともしばしば。

グラント書きには、数年前からPomodro timerを使っています。どうしてもやらねばならないミーティングや実験や他の作業のない時間は部屋にこもって、1日に5-8セットぐらいをやることにしていますが、ちょっとこの調子で間に合うか、心配になってきました。私は推敲に最低一週間かかるので、その他の書類の準備や、事務でのチェック期間を考えると、後、一週間で初稿を上げないと時間的に苦しいです。
千里の道も一歩から、と自分に言い聞かせながら、焦らずコツコツやるしかないと、今日もPomodoro Timerをセットする日々です。

座ってする仕事は、昔からBGMがある方が集中できる方で、iTuneで好きな音楽を流しなが作業しています。数年前に科学雑誌で知ったある研究者の人は「編み物」だそうです。編み物をしながらだと集中できるそうで、研究発表会やミーティングでは編み物をながら研究発表を聞くのだそうです。さすがに編み物しながら書きものはできないでしょうけど。

私は、主に、バッハの鍵盤曲と最近はバルカン民謡きいています。ちょっとしたきっかけでロシア民謡を聞き出してから、スラブ文化圏を南下して、バルカン民謡に至ったわけですが、このアジア、スラブ、ヨーロッパ文化が混じり合う地域の音楽は独特な魅力があります。変則リズムにアコーディオン、それからこの地域特有の笛の音色、アラビア風の音階と西洋風の和音進行、なかなかクセになる味わいがあります。もう一つの特徴は極端なビブラート、コブシを効かせるメロディーラインです。日本の民謡や演歌も思わせます。

セルビアの歌手による演奏で気に入っている曲を二つほどリンクしたいと思います。

Zubor voda zuborilaは、コソボの民謡のようですが、哀愁を帯びつつも躍動的な曲に裏声まじりに地声を響かせるように歌うDanica Krsticの特徴的な声がいいです。



一方、私の贔屓歌手、Jelena Tomasevicが歌う同曲は、完璧なボイスコントロールに透明感のある声質、安定感抜群の演奏が素晴らしい。


もう一つ、同じくJelena TomasevicのZajdi Zajdi。この有名曲は、バルカンの多くの歌手が歌っており聴き比べるのも面白いです。男性の歌うものもなかなか味があります。このライブでは彼女の落ち着いた綺麗な声がしみじみとした曲調によくマッチしています。Zajdi は(日が)沈むの意味で、詞は難解ですが、バルカンの永遠と無常を歌っているのかなと想像しています。
コメント
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