百醜千拙草

何とかやっています

研究サポートシステム

2019-03-15 | Weblog
学内の研究活動を支援する組織が、毎年二日のシンポジウムと研究発表会を行なっていて、今年も来月初めに行われます。その委員会に一般研究者の意見を反映させようと委員と研究者の昼食会が行われていて、今年は招待されました。すると、その昼食会のメンバーの仕切り役の人から、意見を集約したいから昼食会のための予備昼食会をするとの連絡があり、タダ飯につられて行きました。

結局、ガス抜きで終わりましたが、早い話、すべての研究活動上の問題はカネで方が付く、ということをあらためて確認しまいした。もう一つ明らかになったことは、この施設には研究者を十分にサポートできる資金に乏しく、現在ある非常用資金も底がつきつつあり、施設も研究支援組織もその研究サポートシステムの持続的運営に長期的な計画をもっていないらしいということでした。ま、結局、金の話ですから、もっと金を何とかして手に入れるか、使う人間の方を切り捨てるかしてバランスをとるぐらいしかないわけですが、施設は施設の維持のために研究費に付随する間接費用を当てにしているわけで、人間を切れば、間接費用(カネ)も減り、施設が維持できなくなるわけで、現状では、研究者を使い捨てにしながら走り続けるしかないのです。
その他の研究施設と比べて、ウチの施設の計画性と組織性のなさは、ちょっと驚きでしたが、金銭的な研究サポートシステムが全くない施設もあるから、まだマシという意見もあり。

委員の多くは学外の人々なので、そんな人との昼食会で学内の研究支援組織運営に関する不満や要望を語り合って何の意味があるのかと正直思いました。

ウチの施設は、上から下にいたるまで、全員がサバイバル モードだ、という中堅研究者の言葉が皆の心境をよく表しています。この施設の研究者はみな「屋根の上のバイオリン弾き」なのです。いつ屋根から落ちるかわかない不安定さの上に活動しています。かと言って、足元ばかりを見ていてはまともな研究はできないわけで。

ま、人間だったらだれでもそうなのでしょう。大企業のサラリーマンや公務員なら大丈夫というわけでもないし、中小会社の経営者だったらもっと大変でしょう。人間は安定と将来の予測性を求める生き物ですが、激動の世の中、「安定」というものは幻想にしか過ぎません。明日に何が起こるか誰にもわかりません。

スキーを始めたころを思い出しました。滑らなければコケないのですけど、スキー場に行って滑らないという選択はありません。そして、面白い斜面ほどよくコケる、コケない斜面は面白くない。これを人生レベルに拡大して私の研究活動を眺めれば、困難が大きいほど面白いことをやっている、と解釈できます。サバイバル モードだからこそ面白い研究ができるのかも知れません。この分野の大先輩が昔言っていました「困難だからこそ人間は知恵をだし成長するのだ」と。

私は、もうちょっとアドレナリン控え目で行きたいと思います。生き残れなければ、それが天が決めた潮時というもので、違うことをやるチャンスが与えられたと思えばよいと思い始めました。落ちる時は落ちればよし、死ぬ時は死ねばよい、と先人も言っていました。

でも、痛いのはイヤです。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする