「原発と映画」プロジェクト準備ブログ

原発に関する映画の紹介をメインに2011年から書いているブログです。

原発に関する映画その71「抱く HUG」

2016-04-01 18:46:23 | 原発と映画

ほかのことを優先していたら、関西での京都シネマと第七芸術劇場での上映が終わってしまいました。

中部シネマテークと 横浜のシネマ・ジャック&ベテイでの劇場公開や自主上映はまだまだこれからとのことですので、とりいそぎ感想などお伝えします。

(体裁ととのえをしているひまがありませんが)

公式HPはこちらです。

http://kanatomoko.jp/hug/

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ちラシのイメージとは大違いの硬派の映画でした。

子どもを授かることはあきらめ仕事に生きていたので、原発事故後福島をとろうとした監督が

思いもよらず授かった子どもの命を守るため
仕事も生活もなげうって西に避難して出産するまでを描いた映画ですが

セルフドキュメンタリーといいながら

感覚的な内面的な世界を描いたものではなく

ものすごく普遍性社会性説得力のある骨太の映画となっています。

海南友子さんが生まれたのは
1971年3月26日
福島原発ができた日だったという偶然に、何か運命を背負っている人なのではと感じさえしました。

このまま撮影を続けたらどんな貴重な映画になったかと想像されるほど、最初の何分かの映像は貴重なものでした。

ガイガーをあてられている人々
避難所の様子
35年で寿命だった原発を五年延長したその時に起きた事故であると東電本社に突っ込みたい位だと語る人の言葉


大手マスコミが入らない20キロ圏内にはいり
飼い主のいなくなった牛や家畜の様子

6キロ地点で2300マイクロシーベルト毎時を記録したこと

そのあと
妊娠がわかり
放射能の子どもへの影響を調べまくりながら

515東電がメルトダウンを認めた記者発表

母乳から放射能が検出されたこと
55ヨウ素
48セシウム

523文科省交渉
20ミリシーベルト

を描き
監督は京都に。


第一優先でおなかの子を守ろうとする
ようになった気持ちがものすごく理解できる映画と
なっています。

つわりとは違う吐き気と胸の痛みに苦しみながらも無事に出産。

ナレーションが
その時その時の監督の思いをストレートな言葉で伝えてくれています。

もう五年まだ五年
変わってしまった世界の中で
子どもを守ろうと苦闘している母親を支えてほしい

そんなメッセージが伝わってきます。

復興へ
東京オリンピックに向けて

子供を守ろうとする母親の行動が
たたかれてしまいがちな今だからみてほしい映画です。

完成してから三年間釜山映画祭で上映されたものの

公開してくれる劇場がなく、ようやく2016年3月の劇場公開となったそうです。

終わってからのトークの中で

東日本の映画館は
東日本大震災・放射能・原発の映画をかけるのがすごく難しくなっているというお話もありました。

◇あえていうとチラシが映画に必ずしもぴったりあっていないのが残念に思います。
もう少し違うチラシならもっと見に来る人が増えるのではと思いました。


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