新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

青春は1941年12月7日に始まった

2020年04月08日 | 日記

 3月25日に書いたコラムニスト、アート(アーサー)・バックワルドの自伝から。

 1941年12月7日、日本軍の真珠湾攻撃のニュースがアメリカ全土に流れた。現地時間の12月7日であり、日本とは時差がある。アメリカじゅうの若者たちがジャップに報復を、と叫んでいた。血気盛んな16歳のアーサーも同じだった。ここで海軍に入隊することを決意する。年齢を18歳に偽ればなんとかなる。学校や家での生活に飽き飽きし、学校をサボって映画を観にいく毎日だった。家を出るきっかけに、海軍入隊はうってつけの理由だった。ところが同居していた父にも3人の姉にも反対される。父には入隊書類を破り捨てられてしまった。
 1942年夏休み、ニューハンプシャーのマウント・ワシントン・ホテルでベルボーイとしてアルバイトする。男子25人、女子75人が男女別の寮に入って働いていた。ウェイトレスをしていたフロッシーと懇ろになる。フロッシーはノースカロライナ大学の学生で、同じく夏だけのアルバイトに来ていた。母音を長く伸ばす南部訛りがなんともいえない魅力だった。一日の仕事を終え、デートするのは森のなかかゴルフコースぐらいのものだった。ゴルフコース18番ホールのカップ近くで抱擁し合ったのが二人にとっての最高潮だった。そして夏が終わり、別れのときが来る。別れても互いを愛し続けることを約束する。(つづく)