浸

雨音と朝の音を聴きながら
横になっている

雨は止む気配もなく降り続ける
ひたひたと部屋まで浸水して
水底となる
イルカが話し掛けてくる

「ムカエニキタヨ」

唇が痺れて上手く言葉が出ない

それでも微笑って
手をつないだ

陽の射す方へ
陽の射す方へ！

悼

昨日は朝まで
『You must believe in spring』

今日は
「Turn out the stars」

もちろん、EVANS

沈

眠りたい
眠りたい
眠ってばかりいる

ハタチのころのように
よく眠る

深淵で
真白き砂に包まって眠るの
真珠を舐めながら

夢の浅瀬で九十九の物語をカレイドスコープで覗くの

放

私は
私自身を持て余している

ただ飼い放ちてあらば
月余の命、保たず

溶解 溶塊 解塊

夢をみた「BIG BAD BINGO」
を聴いて泣いていた

たぶん何かを思いだして泣いていたんだと思う
目が醒めて、また枕を濡らしていた

悲しいけど、心の奥に凝り固まった塊がけていくようでもあった
何かは定かではない
夢はそうやってひとつの無意識下の謎を解いてくれる、いい奴だ
ただ茫然と脱力して横たわっている

さて、ビールでも飲むか

ふうせん

風船って
素敵な言葉ね
風の船なんて、粋だわ
音もやさしく、ふわふわしてる

風船で思い浮かぶ歌
小島真由美「ふうせん」
小沢健二「天使たちのシーン」

落ちこぼれの天使

落ちこぼれ―茨木のり子詩集 理論社 このアイテムの詳細を見る

茨木さんの詩集を・・・
と思って探していたら、こんな素敵な装丁の本を見つけた
6月1日
今日も誰かが茨木さんの詩を読んでいるだろう
私もそのひとり