SMILEY SMILE

たましいを、
下げないように…

観梅

2006-02-25 12:36:59 | 偏愛
桜より梅が好き。

桜はちょっと恐い。
桜はちやほやされすぎだ。w
花見は嫌いじゃないけど、花見の、宴の後の汚さがいやだ。
冒瀆に近い。
桜は花が多く咲きすぎる。
過剰なのが苦手。
目黒川の桜はどうかしら。

梅は凛としている。
素朴な美。
まだ寒いというのに、我慢して春を知らせているようだ。

「私の後には、桜さんが見事に咲きますからね。私は軽く、春を告げに来ただけです。」

斜陽と曙のように・・・

日本的
古風

甘酒

それが目当てだったりする。

羽根木公園かな?
池上かな?
御苑は?
昭和記念公園は?

追悼

2006-02-25 11:09:14 | 
茨木のり子さんが亡くなった。
謹んでご冥福をお祈りいたします。




「知命」(後半部引用)

まきこまれ
ふりまわされ
くたびれはてて

ある日 卒然と悟らされる
もしかしたら たぶんそう
沢山のやさしい手が添えられたのだ

一人で処理してきたと思っている
わたくしのいくつかの結節点にも
今日までそれと気づかせぬほどのさりげなさで



「自分の感受性くらい」

ぱさぱさに乾いていく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ



・・・・・・・・・・・・


気持ちよい涙が流れた。
またひとつの命を受け継いだ。
重いぞ。背負い甲斐があるってもんだ。
「震える弱いアンテナ」を失くしてしまわない様に、
よりかかることなく、生きてゆく。


10950日間の真実

震える弱いアンテナ


すべての別れに

2006-02-15 15:28:53 | 
以前,最後まで引用しなかったけれど
今なら、できる。
悲しすぎるけど。



悲しい歌       pizzcato five



とても悲しい歌が出来た けさ目を醒ましたときに
あんまり悲しい歌だから きみに聞かせたくないけど

とても悲しい話がある きみもたぶん気がついてる
本当に悲しいことだけど ふたりの愛は終わった

こうして ふたり抱き合って 同じ朝を迎えた

とても悲しい夢を見た けさ目を醒ます前にね
悲しい歌を歌うぼくに きみがただキスしてくれた夢

こうして ふたり抱き合って 同じ朝を迎えた


ごめんね ぼくはきみのこと あんなに愛してたのに
ごめんね ぼくだけをきみは こんなに信じてたのに
ごめんね ぼくはきみのこと あんなに愛してたのに
ごめんね だけど いつの日か みんな忘れるはず




・・・・
きのう、ソファに座ったまま眠ってしまった。
そして、夢を見た。
とても好きな人と、抱き合っていた。
しあわせな雰囲気に包まれて。
でも、次の瞬間、
その人は、冷たくなっていた。
大好きだったのに
大好きだったのに

ゆっくり目が醒めてゆく中で、
ゆっくり涙がこぼれてゆくのがわかった。
ゆっくり頬を伝い、流れてゆく。

そして僕は、ゆっくりと拭った。
誰も見ていない涙。


すべての別れに
祈りを捧げる
あなたにも
あなたにも








MY FUNNY VALENTINE

2006-02-13 12:49:50 | 偏愛
エヴァンスとジムホールでも、
チェットベイカーでも、満足しなかったけど、
マイルスで、落ち着いた。
もちろんピアノはエヴァンスだけどね。

`58 Miles Featuring Stella by Starlight
Miles Davis
Columbia

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で、バレンタインですね。
バレンタイン。
女の子から男の子に愛の告白
という図式はかなり崩れてきていますね。
友達同士、男同士でも?男からだって!

私は専ら、自分買い・・・。
なるほどそうきたか、なるほどこういう組合せもありか!、などと独り言を言いながら楽しんでる。
そんなんじゃ、インチキショコラフリークスに、
「にわかじこみのチョコ知識では、ダメだよ」
とか知ったようなことを言われそう。
本当に好きな人は、きっと、ああだこうだと、薀蓄はたれないのだ。

ショコラが好きなんじゃなくて、ショコラを楽しむのが好き。

そんな私でも、伊勢丹のサロンドショコラが終わると、一気に萎える。
伊勢丹直輸入はもうなくなっちゃった。
あとは、似たようなものばかりだ、きっと。
でもね、日本のパティスリー、ショコラトリーであまり注目されていないようなところが、一番美味しいのかな、なんて思う。大量生産せず、フレッシュなものを、コツコツ作っているようなところ。デパートの催事などには出さず、お店だけで扱っているような。

どこがいいかな?

バレンタインが終わったら、行ってみよう。

豊かさって、ショコラを食べる余裕を持つことだと思う。
「あなたと夜と音楽と」、ショコラを♪お酒も!


帰還

2006-02-08 00:27:51 | 
16時間の眠りから醒めた

カレイドスコープワールドで、
僕は千の夢をみた
そして、それらほとんど振り払った

茫然としている
ここにいることが不思議
ここにこうして立っていることが

羽毛か、雪のように軽い存在感
消えそうに
飛んでゆきそうに




冬-春

2006-02-04 23:57:16 | 
長い階段をのぼり 生きる日々が続く
大きく深い川 君と僕は渡る
涙がこぼれては ずっと頬を伝う
冷たく強い風 君と僕は笑う
今のこの気持ちほんとだよね

小沢健二『強い気持ち 強い愛』




春が来る
春が来る
僕らの知らない春が

雪が解けて
芽が出づる
花も咲く
枯葉も一緒に
雪解けと共に哀れな姿を現すだろう

それが春
というものだ
甘く霞む
融ける
甘く甘く
腐乱臭にも似た・・・

ホロビノスガタ

でも、
生まれる
全く新しいものが、新しいものが
枯葉は土へ還る
新しいもののために

僕らは祈りを捧げる





美味なる午前

2006-02-03 22:41:34 | 
正午になるまでのこの1時間が、好き。
12時を過ぎてしまうと、ダメな気がする。
それまでの時間、11時台のこの1時間が甘美にさえ思える。

もう、30分過ぎてしまった。
なにもせず、ぼんやりしている。

空飛ぶ鳥を見よ、
播かず、刈らず、倉に収めず

などと、嘯く。シードルを、ひとくち。

BGM『ELLA AND LOUIS AGAIN』
手元には、『太宰治と聖書』 野原一夫 著

天使の見上げる空は

2006-02-02 13:14:16 | 

これから、書こうとするのは、えと、いつだったでしょうか、7年くら

い前、電車の中で考え考えしながら、携帯電話のメモに打ちこんだも

のが元になっている短いお話。

『くじら、ねこ』みたいに長くないから、みなさんの大事な時間をそれ

ほど頂戴することも、ありません。

あ、でも、たまに『くじら、ねこ』の方も読みなおして頂けると、私に

とってこれほどの至福はありません。あれには、私の、




・・・いや、いいんです。

さてさて、はじまりはじまり・・・、と。



さてさて、どこまで話しましたかね。今や、「ペンギン」などと呼ばれ、

きゃあ、可愛らしい、などと専ら婦女子なぞに人気の、あの鳥類につい

て。

この話を、あなた、聞いたなら、あの珍妙な鳥類への考えがちょっ

と変わるかもしれません。いや、なあんだ、やっぱりそんなことだろう

と思っていたよ、とも思われるかもしれませんが。



ペンギンは、実は、天使だったのです。




天地創造。

かみさまは、この世界をお創りになり、とりあえず、ホッと一息。大地

に生え始めた低木の葉をひと掴みお湯に投げ入れお茶の時間。しばし

和み、自作の庭、眺めるが如く世界を見下ろしになる。すると、何やら

足元で先程創った人間が、何だかもじもじ、ぶつぶつ言っているので、

仕方なく話を聞いてやることにしました。

「かみさまかみさま、かーみさま。聞いてますかー。なんかね、あたく

しの場所、なくなっちゃったみたい。ぼんやりしてたら、海も、山も、

大地も、みいんな誰かのものになっちゃったい。あなたサマのお力でな

んとかしておくんなまし。どこでもいいから、さ、できるよね、かみさ

まだものネ。ねぇ、旦那ったら、そんな嫌な顔するもんじゃありません

よ、ね、頼みます。」

いやに馴れ馴れしいこの人間は、「詩人」といい、今この世に跋扈する

人間の試作品、試作人、言ってしまえばデキソコナイ、失敗作、穀潰し

、ろくでなし、習作、スケッチなのでした。

困り顔のかみさま曰く、

「もう遅いよ・・・。これから誰かの場所を取り上げたりしたら、その

 人はどうしたらいいんだい。わがまま言わんでください。かみさまだ

 って大変なのです。みんな仲良くしてほしいのです。隣人愛!みんな

 みんな、ほんの少しずつ譲り合え上手く行くのに、いやらしい、みん

 な揃って少しずつ欲張るものだから、嫌な思いするのです。・・・そ

 れはそうと、君はいったい、どこでボンヤリしていたのです。」

「どこって・・・、ここだよ、ここ。アンタの足元にずっといたのさ、
 
 かみさま、あなた夢中だったからね。楽しそうに、歌いながらこの世

 を創っておいでになったからさ、コッチはウットリしてたって訳よ。

 あの歌、教えてお呉れよ。

 素敵なうた。

 そしたらさ、手前の場所なんていらない。おいらはどこへでも行くさ。

 さすらいましょうや。そのうたさえ歌えたら、ねぇ。」

かみさまのお顔はやっと晴れ晴れいたしました。そのせいで世界に光

があふれ、すべてのものに希望が宿った、とさえ言われています。

かみさまは嬉々として曰く、

「おおそうか、お易い御用だ。すべて教えてあげよう。人間に聴かせ

 てやってくれ。あやつらのココロは放っておくと、簡単にすさんでい

 ってしまう。(・・・こやつは人間の中でも出来損ないだったんだが

 なるようになるものだな。)」

ふたりとも、思いのほか、都合よくことが進み、笑顔で別れることが出

来ました。

「たまには、ここに顔をだすがいい。うたの評判も気になるでな。」

「そうだね、僕くらいになると、ここを思いさえすれば、一瞬でやって

 来れるからね。気が向いたら、ご報告にあがりますよ。」

こうして、詩人は世の中の至る所で、うたを詠うことになったのです。


「やれやれ、もう安心。ゆっくりお茶でもしようかしらん。どれどれ、

 果物はりんごに、いちじく、あとラファエルの作ったギモーヴも食べ

 たいな。」

仕事のあらかた片付いたかみさまは、すっかりご機嫌で玉座にゆった

りあぐらをかいて、鼻歌、リラックス。

「ねぇねぇ、お茶のオカワリを頂戴」

側に仕える天使たちは、「はいよろこんで」とばかりに立ち働く。

しかしどこの世界にも、のんびりやというか、ぼんやりしたのがいるも

の。本人としては全く悪気はなく、公然と世の流れから外れて平気で

いる。沸いているお湯を不思議そうに眺めていたり、真赤に輝くりんご

を名残惜しげに撫でつけていたり、とかく役立たずではあるのだけれ

ど、憎めない天使がいるのでした。


(続)

回帰

2006-02-01 10:11:12 | 
すべて帰ってくるものと思え

僕の

軽蔑
        憧れ
 愛
      嫉妬
                     憎悪
  やさしさ

裏切り


すべて
すべて
自分に返ってくる
かつて箱から飛び出したものは
すべて

聖句

2006-02-01 10:08:56 | 
赦さるる事の少き者は、その愛することも少し。


思い煩うな。空飛ぶ鳥を見よ。播かず。刈らず。蔵に収めず。


なんぢら断食するとき、かの偽善者のごとく悲しき面容をすな。