SMILEY SMILE

たましいを、
下げないように…

雨花(アメノハナ)

2004-08-30 05:26:20 | 
雨の日にだけ、咲く花があるという

ぼくは、物心ついた時から、それを知っていて

雨の日は、いつも傘をささない

なんでも、傘をさすと見えないそうだ

濡れねずみになりながらも、その花を探した

スキップしていく

大きな水たまりにじゃぶり

大きな口を開けて、目をつむり、天を仰いだ

そのまま、時を止めた

雨は、音をたてるのを、やめた

濡れた服は重く、ココロは軽く

雨は、僕の四肢をつたい、大地に戻る

水たまりのなかで

ちいさなちいさな青い花、一輪、咲いた




偶成

2004-08-29 09:28:35 | 
今まで、同じものを見ていたかと思うと、

今度は、てんで、バラバラ。

思い思いのことをやり始めた。

さっき見ていたものは、

僕に、

君に、

何をもたらしたのだろう。

おもしろいなあ、

おもしろいなあ。


あなたの夢を予告します

2004-08-27 18:56:06 | 
駅で、待っている。

駅には、何が来るのかしら。

あなた、ご存知?

始発も終電もない、

来るときに来て、来ないときは、来ない

ヒグラシが鳴いている。

きっと、もうすぐ、トカトントンが鳴り始めるんだ。

耳をふさいだって、ダメ。

それは、音ではないんですもの。

駅には、誰もいなくて、改札もないし、ホームもない。

駅長だと言い張る男は、夏に別の駅へ旅に出た。

僕は、待っている。

9472644

暗証番号を唱えても、来ないものは、来ない。

メロンを投げると、ホッとする。

そこには、小さい象がいっぱい集まってきて、

みんな運び出そうと必死に汗を流すんだ。

掛け声は、

「みみずくビールは世界一!いのししカレーはナフタリン」

隣のベンチでは、誰でもない人が、誰にも言っていない言葉で寝言を言っている。

トイレは8つあって、そのうち6つは使用中だった。

どちらにしますか?

どちらにしますか?

どちらでもない方を選んだら、なめこが出てきて「こんにちは」

その時、駅には、縄梯子がスルスルと降りてきて、

そのまま放置

犬の流し目は、猫をいたずらに怒らせるだけだったし、

ケモノミチはもう、捜し当てることはできない。

裏に廻ってなにか来ていないか確かめたが、

古墳があるだけで、それももう、盗掘されたあとで、

紙切れ一枚だけ残されていた。

「雲雀の嘘は見抜けない」

なにかの予告だろう。

突然、鈴がリンリンとなったから、何か来たのかと思って目をこらしたが、

見えるものと言えば、たぬきの釣り竿だけだった。

南無三、ここまで・・・。







感謝

2004-08-27 15:21:09 | 
怠惰、嫉妬、我侭、苛立、不安、虚無、無知、憎悪、不義、非常識、飽くなき性欲、不器用、無愛想、傲慢、偏取、頽落、ルサンチマン、侮蔑、不摂生、後悔、身勝手、言い訳、いやらしさ・・・・

僕が旅に出た理由

2004-08-27 14:49:20 | 
つまらないことを言ったか。

またあなたを苦笑させたか。

なにもわかっちゃいないのか。

また勘違いして、あらぬ方へ一歩、踏み出してしまったのか、などと深夜の帰り道、土手を

のろのろ、足元見つめながら、壊れかけたゼンマイおもちゃよろしく歩いていると、このまま

どうやっても家には辿りつけないんじゃないか、とさえ思えてきた。考えてみれば、ここに

こうして立っているのも、散々繰り返してきた見当違いの結果だった。

すっかり重くなった頭を挙げると、河川敷の闇の中に多摩川が、飽きもせずただ街灯を

映してそこに横たわっていた。彼女は、灯りとともに永遠に、その流れを変えながらも、

在り続けるのだろう。

・・・永遠?

なんて甘ったるい言葉。

でも、そんな感情の奥底に未だ否定しきれない、弱いところがありはしないか。弱いと

いうことを否定すまい。弱さを、それとして見つめて認める強さが一等大事なんじゃない

か。

川を見つめながら行くうち、知らぬ間に家を通り過ぎてしまっていたが、もう構わなかった。

壊れたおもちゃは沈黙するが、ふやけた人間はあてどもなくさまようしかないんだ。


もう二十年も、彼女に寄り添うように離れることなく生きてきて、彼女から安堵と平穏を

この上なく甘受してきた。しかし今は、そのことがかえって焦り、不安、苛立ちを生んで

いた。

確かにここで得たものは、かけがえのない温かなものばかりだが、自分はここにしかいる

ことが出来ないのかと思うと、うんざりしてしまうのだった。

彼女は、いつも優しく抱きしめてくれるが、もう僕はどうにも、くるしいんだ。


明るくなるまでには、海へ出るだろう。


倦怠

2004-08-27 13:37:57 | 
おぼれにゆく

あの、なまぬるくのみこむ

うみ、へ

ゆっくりとおぼれていく、いしき

しだいにふやけていく、からだ

ぼんやりした、けしきのなか

あわれむべき、なみのおと

もうとおくなってしまった、と

そっとつぶやいた

のみこめ、なにもかも

どれくらい?

2004-08-27 08:40:59 | 
距離が、つかめない

きみとの距離は、どれくらい?これくらい?









こんな?
それとも、

















こんな?
それとも、



こんな?

わからない

わからないんだ

ずっと、わからなかった

いまでも・・・

親子の、濃密な関係

他人であって、他人じゃないような

なんの遠慮も要らない、関係


それとも、あらかじめ決められた関係

=お客さんとの関係

それなら、奉仕致します

必死のサーヴィス

ココロから、悦んで


形容できない関係は、恐い

わたしとあなたは、どんな関係?

怯えている

甘えてる


こんなこと書いて、なんだというんだ?

同情してほしいのか?

たしなめられたいのか?

無視してほしいのか?

あ、泥沼だ









では、さようなら

いやらしい

反省

2004-08-27 08:24:31 | 
古い友人を、傷つけてしまった。

しばらく会ってくれないだろうな。

というか、私のほうで、もう会えない、と思ってしまった。

甘えすぎてしまった。

寄りかかり過ぎてしまった。


2004-08-25 23:30:16 | 太宰
Bill Evans & Monica Zetterlundの「Waltz For Debby」

が堪らなくイイ。

また、秋を迎えることができた。

次の秋をまた迎えることができるのだろうか、なんて、

考えたりする。

だって、いつ、消えるか、わからぬ命。

何度も引用するようだけれど、


「こうしてお互いに生きてるというのは、なんだか、なつかしいことで

もあるな。」

「人は誰でもみんな死ぬさ。」


~ダス・ゲマイネ

逆行

2004-08-25 12:53:32 | 
時は、残酷にただ、流れ

置いて行かれる

君は、何処へいくの?

貴方は?

貴女は?

お前は?

貴様は?

みんな、行ってしまった

さて、

ぼくは、空を見上げる

水たまりを覗きこむ

とんぼ、が目の前で、止まる。つかまるものも無く、中空で、止まる

とんぼは、僕をいざなう

水たまりにとんぼとぼくは、入っていった

雲が浮かび、かき分け掻き分け、

暗くて、静かで、涼しいところへ、辿りついた

とんぼは言った

「ここへ、きたことは、誰にも言ってはいけない」



大地とは、いつも一緒だった

空に、包まれて育った

風は、頬を撫でた、時には、さらわれそうにもなった

太陽は、・・・

月は、・・・

切りがない



また、とんぼは言った

「どこへ行ってもいいが、必ず、ここへ帰ってくるように」





井戸の底では、石が一粒、静かに光っていた