高槻成紀のホームページ

「晴行雨筆」の日々から生まれるもの

ON THE RETIREMENT OF PROFESSOR TAKATSUKI, MY FRIEND TAKA

2015-03-07 09:38:41 | つながり

C. W. Nicol

Dear Taka,
We first met about thirty years ago, when I was doing a television documentary on deer. We met again in Iwate, and again the subject was deer. You and I have been telling society about the need to balance and respect Nature for many years now. I especially thank you and your students for all the great research and the advice that you have given to our Afan woods here in Kurohime. Now, you retire…really? Retire? Play golf? Soak in the hot waters of an onsen somewhere? Forgive me if I have a little chuckle, because I think that you will be even more busy than ever before! I personally look forward with pleasure to many more years of working and finding fun and meaning in Nature.
Intai dewa nakutte, sotsugyo dewa nai no ka na….?
‘Aka oni’

高槻教授-わが友タカ-の引退について
C.W.ニコル

タカ*へ
 初めて会ったのは30年ほど前、シカのテレビドキュメントの仕事をしている時だった。岩手でまた会って、そのときもシカの話題。私たちは社会にバランスと自然に対するレスペクトが必要なのだとずっと言い続けてきた。
 黒姫のアファンの森で君と学生がすばらしい調査をし、アドバイスしてくれたことをほんとうにありがたく思っているよ。
 いよいよ退職だって、本当?退職?ゴルフでもするの?どこかの温泉でお湯にでもつかるのかい?まちがってたらごめん、でも、これまでより忙しくなるよ!ぼく自身は、これまで以上に長い時間を、自然の中で働いて、その愉しみと自然の重要さを見つけるのを楽しみにしているんだ。
 インタイデハナクテ、ソツギョウデハナイノカナ?
 赤鬼

* 私(高槻)はことばが好きで、日本語にも興味がありますが、英語も好きです。ある論文の要約を英語にしてニコルさんに読んでもらったら、まったく直す所はないと言われました(エヘン!)。でも私は日本人ですから、自分が下の名前で呼ばれるのは気持ちがよくありません。言葉が違うことと、文化や習慣が違うことは別のことです。英米人が「ジョージ」と呼ぶのと、日本人が「正夫」と呼ぶのはまったく意味が違うでしょう。私はうまくもない英語を使う日本人が英米人と仲良くなって自分のことを下の名前で呼ばせて、自分が英米人になったような顔をしているのをみると気分が悪くなります。かといって英米人からすれば親しくなったのに「高槻さん」というのは違うと感じるでしょう(と想像する)。だから、「タカ」と呼んでもらっています。こうすれば、むこうからすればニックネームで呼んでいることになるし、こちらも下の名前を呼ばれる心地悪さを回避できるというわけです。同じ意味で私は彼を「ニック」と呼ぶのは照れるので、「赤鬼さん」と呼ばせてもらっています。
 retirementを「引退」、graduationを「卒業」と訳しましたが、マラソンで体調不良でリタイアするというようにリタイアは放棄することでもあります。graduationは「grade」つまり学年とか階層とかを改めて次に上がるという意味がありますから、「引退ではなく卒業」といってもそのニュアンスは伝えきれません。「やめてしまうのではなく、次の段階にうつる」という含みがあります(高槻)。

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