忘却への扉

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互いの目が合った

2016-09-27 | 追憶

 【 いのしし君との出会い 】 大洲市平野町 ( 男性・70 )

[ 早朝、イノシシの捕獲折を見に行き手入れをしていると、後方でガサガサ音がする。振り向くと80㌔程の大イノシシが2、3㍍後ろで私を見上げていた。互いの目が合った。何と、イノシシは人懐っこい目で私を見上げている。おまけにかわいい尻尾をクルクル回しながら、おりの手入れが終わるのを待っている。
 10㍍ぐらい離れた軽トラックに入って見ていると、ゆっくりおりの周囲の餌を食べ、おりの中のごちそうには目もくれず、目の前を悠々と去っていった。私はそのイノシシが友達のような不思議な気持ちになり「おりに入らなくてよかったね。早く山奥に帰って、もう田畑を荒らさないでくれよ」とつぶやいた。
 もともと殺生嫌いの私がイノシシの捕獲を始めたのは、農業委員となって農地の現地調査をするたびに、丹精した作物が収穫直前に荒らされて次々と農地が荒廃していく現実に直面し「イノシシの被害を何とかしてほしい」という農家の要望からだった。それで狩猟免許を取得し、わなを掛けたり農地をメッシュで囲ったりしている。今では人間がおりの中に住んでいる感じだ。
 今まで相当数のイノシシを殺処分したが、早く殺生しなくてよい暮らしに戻りたい。いのしし君にも山奥で平和に暮らしてほしいが、まだまだこの悩みは終わりそうもない。。]

 ( 忘却への扉 ) この地方でもイノシシ捕獲用の罠が仕掛けられ、檻(おり)も多数設置されてている。年間相当数のイノシシが殺処分されるのだが、いっこうに頭数は減少せず、農地は荒らされている。
 ワイヤーメッシュに電気柵、いろいろ防御対策も取っているのだが、イタチごっこで、人間の負け。段畑の石積みを壊し開墾前の傾斜地に戻したり、畑の中のどこにあったのか、2人で抱えることができるかどうかの重い石まで掘り起こす悪さもする。
 イノシシにタヌキどちらも農林業等に被害を与えなければ、乾くもある。だが、今は害獣、人に危害を与える危険もあり死者まで出る現実。
 檻に入らなければいいがと思う気持ちはよく分かる。昔、私が役をしていた時、イノシシではないが野犬が増えて危険ということで、役所から野犬狩りの檻を借りていたことがあった。新しい餌に取り換えるため見に行くたび、入っていないことにほっとした覚えがある。結局野犬は1匹も捕獲できずに終わった。他の地区では毒餌をあちこちに置いてもいたが、それは食べて死ぬ犬や猫などいたので、私の地域の住民が毒餌を選択しなかったこともありがたかった。
 


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