忘却への扉

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報道機関へのリークを防ぐ圧力

2017-03-01 | 平和を

 【 地 軸 】 2017/2/22 地方紙1面下段コラムより

[ かつて、執務室を文字通りのガラス張りにした知事がいた。そこまでは求めないが、情報公開や業務の透明性確保は行政が重視すべき大きな課題。なのに外部からの出入りを制限して閉じこもってしまうとは…。
 ▲経済産業省が、勤務時間内も全執務室の扉に鍵を掛けるという。来訪者は内線電話で連絡し、開けてもらう仕組み。情報管理強化の一環というものの、まるで一般市民や情報機関との接触を拒むかのよう。
 ▲他の省庁ではほとんど聞かない対応に、疑問が浮かぶ。内と外、どちらを意識した対策かと。世耕弘成経産相は「外部の人が自由に出入りするのは問題」と言うが、部屋に立ち入った人が情報を持ち出したケースは多くないはず。
 ▲発端は恐らく、先の日米首脳会談だ。日本が提案すると報じられた経済分野の内容に未調整のものが含まれていたとして、経産省の責任が問われたとされる。鍵は報道機関へのリークを防ぐための心理的な圧力に相違あるまい。
 ▲こちらもリークに神経をとがらせる。就任から1カ月が過ぎたトランプ米大統領。政権の不祥事報道を「偽ニュース」と一蹴する一方、犯人探しに乗り出すと宣言した。情報管理が行き届かない要因は、「ガラス張り」とは程遠い政治姿勢にあるのだけど。
 ▲トランプ氏も経産省も、内向き志向の転換を。狭い見識で大きな問題に向かい合う「鍵の穴から天をのぞく」に陥るようでは、行政の重責は果たせない。]

 ( 忘却への扉 ) トランプ米大統領に都合の悪い報道をしたテレビ局などに対し、「偽ニュース」呼ばわりしシャットアウトは今も続いている。
 報道する側も、真実を伝えるのが使命と批判と抗議を止めない。すり寄ることでトランプ大統領とはお友だちになれたと喜んでいるどこかの首相も、報道の自由や国民の知る権利を奪うことでは自慢のできない先輩格…。
 不透明性で守られた政権運営の在り方は、一般国民を不幸にするばかり。行政機関と親しい間柄に情報は流れ込む仕組み、偏った情報管理強化は都合の悪い情報漏れを防ぐ狙い。悪法の一つ「(国家の)秘密法」と重なる。