忘却への扉

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憩いの場所に

2010-02-25 | 日々
 『帽子を買う?』『どこで』『帽子屋さん』『ないじゃろう』から、他県をずっと走った街のショッピングモールに入った。よく来ていた店だが、もう懐かしい感じがする。
 1階の広い食品コーナーには大勢の買い物客と思って、エスカレーターと幅広い階段に別れて2階に上がる。なにこれ、たくさんの売り場があるのにまるで開店前のような客の居ない空間を見たのは初めてだった。
 もう1つの駐車場からの通路でもあるのに、私たちを含めて数人だけとは淋しい。帽子も何カ所かにあったが特に気にいる品もなく、最初に見た売り場で初めてかぶる帽子を選ぶ。
 『ほんとにこれでいいの』とお金持ちに聞かれるが、他の所にいいのは見たけどここには安い品1つでもの熱心さがあった。支払いが済み私1人残り頭に合った帽子に調整してもらう。『この街の方じゃないのでは』1人だけの店番もおしゃべりできる余裕がある店の暇。
 1階に下りテーブルと椅子が何組みか並ぶロビーで、昼食までの待ち合わせ。私の隣りではもっと高齢の男女の顔見知りたちがテーブルを囲み雑談の最中。おれおれ詐欺の体験を何人かが話すのには、この町にもあるんだとつい聞いた。
 椅子は隣りに集まって、私の前はテーブルだけなる。この休憩コーナーも広い通路の1部だが、楽しくにぎやかなのは隣りだけ。買い物のための来店なのか、安らげる憩いの場所と時間つぶし目当てかさてどちら? 親しそうに話しかけ空いた席に座った男性は、全員に無視され独り言をつぶやきながらどこかに行った。早朝帽子を忘れて家を出て、高齢者の安らぎの憩いと厳しい現実の両方を見る。