忘却への扉

 日記? 気づいたこと 何気ないひとこま 明日への伝言 願い 子供たちに 孫たちに そしてあなたに・・ 

も一度立って

2008-09-19 | 平和を
【30分で読める…大学生のための マンガ『蟹工船』】原作/小林多喜二 作画/藤生 ゴオ 企画・白樺文学館多喜二ライブラリー
 最初に「日本資本主義の黎明期にあって犠牲となった幾多の人々にこの一冊を捧げる―― 白樺文学館多喜二ライブラリー」とある。
 2年前の初版から6刷を数える。先日読み終えた「漫画で読破『蟹工船』小林多喜二・作」とは一味違う。より小説に近い作品のようだ。
 内務省直轄で社会運動などの弾圧に当たった特別高等警察に検挙され、凶暴な取調べの拷問で殺されて帰って来た著者多喜二を囲み悔しがる人々の会話から始まる。
 「おい 地獄さ行(え)ぐんだで!」函館の港から沖に向かう男の言葉が、蟹工船の現実。そこからは物語の厳しい船出だ。
 戦前を引きずり生きて来た私にも、表現の限界だとしても迫力はわかる。島村 輝)(女子美術大学教授による「マンガ蟹工船」の詳しい14ページもの解説も資料付き。
 小林多喜二の蟹工船が今、10代から40代までも含め幅広い多くの人たちに読まれているとのニュースを理解できる気もする。新潮文庫の小説にも興味がある。