気の向くままに

山、花、人生を讃える

映画「ナミヤ雑貨店の奇跡」

2017年10月07日 | 映画

剪定シーズンたけなわですが、昨日は昼頃から雨との予報で、予定していた仕事が中止となったのを幸いに、久しぶりにのんびり映画を見たいと思って上映中の映画を調べてみました。すると西田敏行が出演している映画があったので、彼が出演しているなら、そこそこ楽しませてくれるだろうと思って見に行きました。題名は「ナミヤ雑貨店の奇跡」でした。

すると、予想以上というよりも、予想に反してと言った方がよいくらいとても素晴らしい作品でした。

東野圭吾の小説を映画化したもののようですが、わたしの場合、いくら良くても、原作まで読みたいと思うことは今までほとんどありませんが、今回は原作も読みたくなりました。とは言っても、読むつもりはないのですが、読みたくなるほど良かったということです。

内容はというと、西田敏行扮するナミヤ雑貨店の店主は、きっかけは不明だが、ともかく人生相談をしていた。相談の手紙が雑貨店の郵便受けに投函されると、店主はそれを読んで返事をしたため、牛乳瓶受けに置いておく。そして相談者はそこから勝手に返事の手紙を受け取る。そういう仕組みになっていた。

しかし、その店主も高齢となり、自分の回答が、相談者たちの力になれたかどうかと気にかけながら、1980年、この世を去る。

それから32年後の2012年のこと。警察に追われているらしい若者3人が、店主が他界して長いこと空き家になっている「ナミヤ雑貨店」に潜入した。すると、32年前の1980年に書かれた相談の手紙が投かんされた。興味を覚えた3人組のひとりが、回答の手紙を書いた。それに対してまた返信がきた。また別の相談者からの手紙も来た。こうして、また人生相談が始まるのだが、以前と違って回答の手紙を書いているのは、不良らしい若者たちである。ただし、不良の彼らも相談の手紙に対して興味本位ではあるが、真摯に返事を書いている。そして、相談者たちは、彼らの回答によって、元気を取り戻したり、得をしようとする生き方から、もっと地道で堅実な道を歩むようにと諭されたりして、人生で成功を収めていったりするのである。(単純で大雑把に書いていますが、実際の映画はもっと複雑で感動的です。)

この映画を見ながら、わたしは改めて手紙の良さを感じさせられました。人生のことで悩む相談の手紙が、不良3人組に興味を覚えさせ、しかも、だんだん、この相談者たちに幸せになってもらいたいという思いで、真摯に相談の手紙に向き合っていく。つまり、相談者の手紙が、殺伐とした若者の心に、いつしか人間らしい温かい心を呼び覚ましていくのである。そして、相談者たちも、彼ら若者3人の回答に、生きる勇気を与えられたりする。それがとても自然で、映画のため、鑑賞者を感動させるためという不自然さを全く感じさせないのだ。これは脚本も素晴らしいが、役者の演技も、自然体でとてもいい。そして、実際にあり得ることだからだと思う。うまく説明はできませんが、とにかく、とても素晴らしい映画で感動しました。

コメント
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