独断偏見妄言録 China's Threat

中国は人類の命運を左右する21世紀最大の不安定要因

古き良き保護貿易の復活を

2010年05月29日 22時47分41秒 | 日本
日本の失われた20年はなぜ起きたのか。
経済音痴の私ではあるが、無謀にも、リチャード・クーのバランスシート不況説に異議を唱えることにした。ただし、データーも知識も持ち合わせていないので、頼りは直感だけ。

バランスシート 不況とは、ほとんどの企業において財務内容が悪くなり、その修復のために一斉に 儲けを借金の返済にまわす状態を指します。財務内容の改善が最重要課題なので、新たな設備投資は控えられ、当然マクロレベルで考えると経済全体はマイナス 成長へ向かいます。政府日銀がいくら金融緩和を行っても、「債務の返済」が至上命令なので、新たに資金を借りて設備投資など行われません。

バブル崩壊により不動産価格や株価が暴落したのは事実だが、崩壊の前段階では大幅な値上がりがあり、大儲けした者がいる。外国人の寄与を無視できるのであれば、マクロに見れば、バブルの前後で国内での富の移転が起きたにすぎないのであって、日本国内の富の総量に特段の変化はなかった、と見ることができる。
したがって、ほとんどの企業において財務内容が悪くなったとするバランスシート不況説には説得力がない。財務内容が悪くなった企業もあっただろうが、良くなった企業もあったはずなのだ。不動産投資などに手を出さなかった真面目な企業はバブルの影響を、良くも悪くも、ほとんど受けなかった。

つまり、失われた20年(このままいけば、失われた30年、40年になるかもしれない)の真の原因は別のところにあると考えるべきだろう。

90年代には、グローバル化の掛け声のもとに企業は賃金の低い発展途上国に生産拠点を移したわけだが、それによって生じた国内の産業空洞化こそが日本経済低迷の真の原因ではないだろうか
と、経済音痴の私は考える。

企業が海外に生産拠点を移せば、必然的に国内産業は空洞化し、それにともなって失業率が上昇するか賃金が低下する。安価な輸入品に押されて国内に残留した企業は倒産し、ますます賃金は低下する。
国民一人ひとりは消費者であるとともに生産者でもある。
グローバル化により、海外から安価な製品が入ってくることで消費者としての生活は楽になるはずだが、生産者としての賃金が下がれば、国民一人ひとりの生活向上には結びつかない。

デフレに苦しむ日本の失われた20年はこのように説明できる。

リチャード・クーのバランスシート不況説により国家の財政出動が正当化されたわけだが、この20年間、900兆円もの財政赤字が積み上がったにもかかわらず経済は一向に良くならない。バランスシート不況説が間違いだからだ。

失われた20年から脱却するには、海外進出した企業を国内に呼び戻し、雇用を促進し、平均賃金を引き上げなければならない。

そのためには、農産品だけでなく、すべての工業製品について、関税を大幅に引き上げるしかないのではないか
関税引き上げは世界が同時に実施することが絶対条件だ。日本だけが実施したのでは世界から袋叩きにあう。
発展途上国の低賃金を利用して安価な製品を製造しても、高率の関税をかけられたら海外生産の利点は失われる。

関税引き上げというムチだけでなく、並行して企業減税というアメを与えるのも、企業の国内回帰を促進するうえで効果があるだろう。

グローバル化は世界を不幸にした。
野放図なグローバル化の推進により、先進国の労働者は失業し、中国やその他 の発展途上国の労働者は奴隷労働に苦しんでいる。

関税上げ、あるいは古き良きマイルドな保護貿易の復活によって、日本の場合、輸出企業が打撃を受けるというデメリットはあるが、雇用の増加や賃金の上昇による内需の拡大が期待できる。
国民の生活は楽になるだろう。

保護貿易の復活は、中国の一人勝ちというゆがんだ世界貿易の実態を是正し、発展途上国に独自の産業を育成するチャンスを与える。



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