独断偏見妄言録 China's Threat

中国は人類の命運を左右する21世紀最大の不安定要因

グローバリズムこそ諸悪の根源

2011年06月13日 11時57分02秒 | 日本
グローバリズムとは米国の軍事力を背景とした一方的な世界の画一化を指すことが多いようです。1992年以降に顕著になりました。

グローバリズムの必然的な帰結として、人、物、資本の移動が自由になったことで、人は高賃金を求めて国境を超えて移動し、企業は低賃金を求めて国外に移動します。

そしてどうなったか。
欧州では東欧から、米国ではメキシコから、それぞれやってきた低賃金労働者に職を奪われて底辺のネイティブは失業や低賃金に苦しんでいます。リーマンショックの原因であるサブプライムローン破綻はこうして激増したと考えられます。

先進国の企業は低賃金労働力を求めて海外に移転して国内産業が空洞化し、職場が減少し失業率が高まりました。日本の失業率はそれほど高くなっていませんが非正規雇用が増加して平均賃金が低下しています。
さらに、中国などからの低価格品の大量流入は国内残留企業を破綻に追い込み、賃金の下落が加速されました。これが日本の失われた20年の根本原因なのです。欧米の経済苦境の原因もほぼ同じと考えていいでしょう。

グローバリズムの受益者はごく少数の大企業経営者、金融関係者、資産家、などに限定され、先進国の労働者は失業と賃金低下に苦しみ、途上国の一般国民は過酷な低賃金労働に苦しんでいます。世界の大多数がグローバリズムの犠牲者なのです。

グローバリズムは、言い換えれば、行き過ぎた自由貿易です。多くの自由貿易信奉者にはグローバリズム悪玉論はがまんできないかもしれませんが、現実を冷静に見ていただきたい。
別に鎖国がいいと言っているわけではありません。行き過ぎを修正せよということなのです。

最近日本で話題のTPPはグローバリズムの一つの形態であります。農業への打撃が予想されることから根強い反対論があり、実現するかどうかは不透明です。
ほとんど無視されている視点からの反対論を申しますと、実現すれば、加盟国のベトナム、マレーシアなどへの企業の流出が大幅に増加するとともに、両国からの低賃金労働者の流入が加速される結果、日本だけでなく米国の経済をもさらに悪化させると予想されます。

いまや南欧諸国の破綻により欧州共同体という巨大な実験の失敗が明らかになりました。
そして、デフォルトの危機に直面する米国。20年に渡る経済不振と災害に苦しむ日本。
グローバリズムの最大の受益国である中国もインフレと不動産バブルの狭間で崩壊の危機に直面しています。

グローバリズムの害悪に気づくのが遅すぎた結果として、世界大動乱の時代が目前に迫っているのです。