イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

1990年代のセックス・シンボル、リージェンシー時代の紳士、Mr ダーシーが泳いだ池

2016年03月31日 09時00分00秒 | ストックポートとその周辺
昨日の続きです。

ライム・パーク Lyme park



ジェーン・オースティンの名作「自負と偏見 Pride and prejudis 」 が1995年にBBCによってテレビドラマ化された時、ミスター・ダーシー Mr. Darcy が飛び込んで泳ぐシーンを撮影するのに使われた池があります。

ダーシーズ・ポンド Darcy's Pondと呼ばれ、かくれた観光名所になっています。
(別にかくれてはいないか・・・?園内で配布しているウォーキングコース案内にも「見どころ」として明記されているし、地図にも載っていますし)

「撮影に使われた」と言う記述はどこにもありませんがみんな知っています。

短距離でラクという触れ込みの、ダーシーズ・ポンドが含まれるルートを地図にそって歩いてみました。



勾配を上りきるとすぐ、カフェや駐車場などパークの施設や邸宅、ライム・ホール Lyme Hall が見えなくなり、見渡すかぎりの野原です。


寂寥感たっぷりでパークの敷地内だということを忘れるほどです。

ふりかえると、ライム・ホールの向こうの丘のてっぺんにあるケージ Cage と呼ばれる、ハンティング・ロッジ(狩りの際の休憩所)が見えます。




突然横手にダーシー・ポンドが出現。

これですよ!




どうってことないですね・・・・・。

暑い日にコリン・ファース Colin Fieth が演じるミスター・ダーシーが池に飛び込んで、服を着たままひと泳ぎした後、濡れたシャツを胸にはりつけて池から上がってくるところを、物語のヒロインのエリザベスに目撃されます。

原作にはないこのシーンがイギリステレビ史上に残る大センセーションを巻き起こしました。
原作に忠実であるべきBBCの文芸作品のテレビドラマ化に「セックス・アッピール(濡れたシャツ)」シーンを挿入する是非がもちろん論議されました。

そんなことより濡れたシャツ!

エリザベスに男性としてのミスター・ダーシーを意識させ、女性視聴者をよろこばせるためなら、裸にしたほうが効果的ではないかと当時のだれもが思ったはずです。

暑い日に自宅の池で泳ぐのに(エリザベスが訪ねてきて庭を勝手に散策しているのを彼は知りませんでした)シャツを脱がないのは、不自然ではないでしょうか?

しかし!ウケたのです、ミスター・ダーシーの濡れたシャツ。
男性の上半身裸なんて見慣れた現代の女性の目には、こっちのほうがずっと官能的でした。

演じたコリン・ファースは女性視聴者のあまりの騒ぎように当惑して、セックス・シンボルとして注目され続けると今後の役柄が限定される、と判断して、以後20年間、かっこよさを売り物にした出演依頼を一切却下し続けたそうです。


ライム・パークとミスター・ダーシー関係の記述のあるウェッブサイトは(いまだに!)多数あります。
面白くないジョークのキャプション付きの、おなじみ「濡れたシャツ写真」です。


池の出てくる写真も、やっとみつけました。


ウォーキングコースの続きは、あした。 

ミスター・ダーシーの住む、ペンバリー館として撮影につかわれた、ライム・ホール です。


↓↓↓画像をクリックしてください。はい、ありがとう。








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8 コメント

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 (kakowaka)
2016-04-02 14:52:55
ゆるやかな丘が続く風景は、いかにもイギリスっぽい風景ですね。
そのミスターダーシーさんは残念ながら知りませんが、この池、どこからか川が流れ込んでいるんですか?それとも水が湧いている?それとも水溜り?
もしそうなら、ダーシーさん、
そんな池で泳ぐの汚くないですか??
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いい質問です! (江里)
2016-04-02 19:17:57
ただの、汚いため池です。ちなみに囲いもなにもありません。人気ドラマの評判シーンの撮影に使われたという表示ももちろんありません。
ちなみに、池に飛び込んで、でて来たのはウエットスーツを下に着て防水マスクをかぶったスタントマン。俳優のコリン・ファースが潜水して泳ぎ回ったシーンは撮影スタジオ内の特設タンクの中で撮影されたそうです。(知らなかった)
貯め水の中にいるという何とかいう病原菌の心配があったそうです。
舞台になった19世紀のはじめにもあったでしょうに・・・その汚い水の中にいる病原菌の心配・・・衛生の知識のない昔、人がころころ死んだのも納得。
それはともかく!
英語でグーグルして、その評判のシーンをみてくださいな。Mr.Darcy とかPride and Prejudice bbc などのキーワードで。上手につなげてあります、
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ダーシー池 (Sandy)
2016-04-03 05:23:03
ダーシーポン ド汚い溜池なんですね。なるほど。
彼に飛び込んでもらおうと思いましたがあきらめます。
まぁ私の三倍遅と、足が遅い相方なので多分たくさん歩くようなピクニックは無理ですな。
妄想で楽しむことにします。
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夏にぜひ (江里)
2016-04-03 20:55:29
ダーシー池までは、ライムホール脇の駐車場から歩いてたったの20分ぐらいですよ。彼の運動不足解消にぜひおススメします。その後40分、外壁伝いに谷を見下ろして歩くのはキツイかも。私もSandyさんの彼にはとびこんでいただきたかったです。
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夏前の密かな計画 (Sandy)
2016-04-04 06:34:39
ライムパークのことを知り、入場料と駐車場が無料になるナショナルトラストの会員になろうかと思い始めてます。調べたところジョイント2人で年会費が105ポンドです。
ランカシャー地方在住でも元がとれるかどうかが決め手です。このあたりの地理にお詳しいと思われる江里さんのアドバイスをお願いします。(人生相談のコーナーのようです)
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元を取る (江里)
2016-04-04 08:31:55
車での国内旅行をよくするかどうか、が決め手です。


私たち夫婦は、長距離は電車で、と決めているので、車がないとナショナルトラストプロパティーNTPの多くは行きにくいところにあるので、元は取れない、と判断しました。

おやすみの日に車で日帰りでいけるピークディストリクトやウエールズに見るべき庭園邸宅がけっこうある。一年間にどのくらいいけますか。

うちの自宅から車で30分以内のところに、ライムパーク、タットンパーク、スタイルナショナルパークと3つのNTPがあります。私たちはどこも常連ですが、車での入場に払う金額はタカが知れているので一回ずつ はらってます。入場にお金がかかるホールや博物館などは、一回はいったら満足。もう行かない。

ただ、考慮したいのは会員になると同伴者が無料ですよね、もし、日本からお友だちや家族がよく訪ねてこられるなら、そのたびに近所のNTPに連れてってあげれば充分、もとがとれますよ!!!喜ばれること、請け合いです!!
夫の母、弟、妹一家は全員会員なので、訪ねるたびにイギリス南部のNTPに無料で入れてもらって得してます。
損得より、自然や史跡維持に貢献すると言う意義もあると思います。
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ナショナルトラストメンバーシップ (sandy)
2016-04-05 05:01:21
江里さん さっそく御回答をありがとうございました。
ここ数年の私の経験ですが、湖水地方のNTでは同伴者は無料ではなく、ひとり1枚ずつカードあるいはチケットが必要でした。イギリス南部で無料で入れたのはよかったですね。
この件NTサイトのメンバーシップQAにはのっていなかったので、どこでも同伴者が無料になるのか明日NTに電話して聞いてみることにしました。それから入会するかどうか決めるつもりです。

損得より貢献というのはまさにその通りです。
メンバーになったらその1年間は近所や国内のNTを集中してまわるというのも手かもしれません。
明日の結果をお楽しみに。
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なるほど (江里)
2016-04-05 06:30:10
どこでも会員1名につき、同伴1名無料だと思っていました。
特例とかあるのかも、聞いてみてください。
元を取るために、積極的に出歩く、というのも良いと思いますよ。でなかったら、なかなか出かけようという気にもなりませんから。元を取るのは結構簡単だと思います。リスト見て、行きたいところをリストアップしてみましょう。
庭園が見どころのところなど、冬にしまっちゃったりするようです。夏が勝負!会員になったら開園時間などの詳しい情報がニュースレターでおくられてくるはず。

入会する前に近場、例えばライムパークに行って、一日、堪能してみてからきめてもいいのではないでしょうか。入会案内所があって、詳しい説明をしてくれます。その場で入会したら、入場(駐車場等)にかかったお金を返金してくれますよ。ライムパークの場合は、ホール脇の駐車場に勧誘の人が勧誘小屋(地図やリーフレットをくれる、インフォメーションセンターを兼ねる)に手招きしてますよ。熱心。
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