スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

有馬記念&第一部定理六系

2006-12-24 22:41:03 | 中央競馬
 第51回有馬記念
 宣言通りにアドマイヤメインの逃げ。後続を離してのものでしたが,めちゃくちゃに速いペースではありませんでした。実質的には2番手につけたダイワメジャーがスローペースで逃げたという感じだったと思います。
 注目のディープインパクトは,スイープトウショウが出遅れたのとスウィフトカレントが思い切り控えたので後方3番手からの競馬。3コーナー過ぎから武豊騎手がほとんど手綱を動かさないままに外目を上がっていくと,今日はここで前に取り付くときの脚が圧巻で4コーナーではもう前を射程圏内に。そのまま鞭も一発入れられただけで豪快に抜け出し,後続に3馬身の差をつける快勝となりました。
 ジャパンカップに続く連勝でこれがGⅠ7勝目。日本の馬としては3頭目の最多タイ記録となります。力を発揮できない可能性があると考え評価を下げたわけですが,力を出してしまえばほとんどが勝負付けの済んだメンバーですのでこの圧勝も当然でしょう。これで引退のため,レース後に引退式。今後,これほどの馬が現れるかどうか,かなり微妙なところと思います。
 2着は2番手集団の中から,ディープインパクトとは初対戦で,メルボルンカップ2着のポップロック。今年最大の上がり馬といえるでしょう。
 3着は接戦でしたがマイルチャンピオンシップまで3連勝していたダイワメジャーがドリームパスポートを抑えました。ダイワメジャーはここは明らかに距離が長い印象で,それを目下の状態のよさで克服しての健闘といえると思います。
 コスモバルクは11着。五十嵐騎手は敗因不明といっていますが,絞れなければいけないところ,また増えていたのが最大の原因と思います。寒い時期でダイエットが難しいのは分かりますが,これだけの馬を出走させるわけですから,調整に工夫を望みたいです。

 第一部定理一〇に,属性attributumは自己原因causa suiであるという意味が含まれているというのはあくまでも僕の考えですのでこの点について,さらに『エチカ』に訴えて補強していくことにします。そこでまず,第一部定理六系を紹介します。
 「この帰結として,実体は他の物から産出されることができないことになる」。
 意味はまったく難しくないと思います。たびたびいっていますが,僕はこのあたりの定理Propositioについてはすべて名目的なものであると考えていますが,この系Corollariumだけを考える場合にはその点にもこだわらなくていいかもしれません。すなわち,実体substantiaというものを名目的に考えようとあるいは実在的にrealiter考えようと,存在する実体はほかのもの(第一部公理一の意味からしてほかの実体または様態modi,modus)を原因として存在することはできないというのがこの系のすべてであるといえるでしょう。
 ところで,これは第一部定理六系ですから,当然,第一部定理六から派生してくる,あるいは第一部定理六からの帰結事項なのですが,スピノザは第一部定理六の証明Demonstratioにあたっては第一部定理五を利用していて,ここではまさにその第一部定理五をテーマとして扱っているわけですから,これを使って証明するというわけにはいきません。そこで,別の証明の方を利用することにします。

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23 コメント

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有馬記念、感動でしたねーー! (wan♪)
2006-12-25 13:26:31
お久しぶりです!spinoza05さん!

spinoza05さんは、ディープが力を発揮できないかも、、、なんて思っていらっしゃったんですね!
そんなことがあったら、多分日本全国、亀田の試合判定勝ちの試合以上のブーイングだったと思いますよ!

でも、本当に勝ってよかったです!
武豊騎手の日記で
「引退式の時にまたがったら、“もう一回レースするの?”というような顔をしていたような気がする」
と書いてあって、なんだか本当に引退するのが残念でなりません。。。
別に競馬ファンじゃないのですが、ディープだけは別ですね(笑)。

流れがわからないので、アドマイヤメインがめちゃくちゃ早いわけではない、とは思えず、もうドキドキでした!
(わかる方は最初からこれはいける!と思ったんでしょうね。)
でも、ラストはもうあっという間に大差をつけていて、他の馬が歩いているように見えました(笑)。
ディープって、1歩(1蹴?)がとてもおおきいのでしょうか?
「飛ぶ」というのがなんとなくわかるような感じでした。
しかも、武豊騎手もディープもとっても楽しそうでした!
spinoza05さんが、ジャパンカップでたくさん鞭を入れられてた、と書いていらっしゃったのもこのときに違いがわかりました。
あの時とは全然違ってましたね~

凱旋門、本当に残念ですーー
凱旋門で日本が勝つのは、やっぱりむずかしいのでしょうか???
勝ちたいです!

また、すばらしい馬が出てきて楽しませてくれるといいな、と思います♪
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半々 (spinoza05)
2006-12-25 21:54:34
コメントありがとうございます。
そうですか,ブーイングですか。それなら勝ってよかったのかもしれません。でもね,サラブレッドというのは生き物ですから,力を発揮できないケースというのも往々にしてあります。競馬とはそういうものであって,どんな結果が出たとしてもそれを受け止めることができないと,競馬ファンというのはやっていられません。心が優しく,そして強くないといけないのです。そういうことを多くの人に最後に知らしめてもよかったかもしれないという気持ちも僕にはあります。
 ディープインパクトの歩幅(こういうのを競馬の世界では完歩[かんぽ]といいます)がほかの馬より大きいのは事実です。それが「飛ぶ」という感覚に影響しているのだろうと思います。詳しいことは下記のサイトを見てください。
http://www.yomiuri.co.jp/sports/feature/deep/de20060916_01.htm
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なるほど、、、 (wan♪)
2006-12-27 14:05:52
「心が優しく、強い」って表現を聞くことがありますが、具体的にわかったような気がします。
ありがとうございます!

>そういうことを多くの人に最後に知らしめてもよかったかもしれないという気持ちも僕にはあります。

ただ、spinoza05さんのこの気持ちががわかるようなわからないような。
これは、ディープじゃないとできないんでしょうけど、でもディープじゃなくてもいいのではないかな、とも思いました。
競馬ファンではなくとも、ディープに力づけられたり、夢を見させてもらったりした人がたくさんいると思うので。

完歩のことについてのサイトを教えていただき、ありがとうございます。
歩幅が長いのに、滞空時間が短いなんて、すごいですね!
それは、まさしく「飛ぶ」ということですよね~。

引退式をTVで見なかったので、JRAのサイトでぜひ見てみたいと思います。
ありがとうございます!

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ディープ祭り (spinoza05)
2006-12-27 21:36:29
 一連のディープインパクトフィーバーのことを俗に「ディープ祭り」といい,競馬ファン(ディープインパクトのファンではなくて)の中には,それを快く思わなかった人がいるのも事実ですし,他馬と能力の開きがある馬が圧勝するのはいわば当然で,それに感動するということに違和感を感じる人がいたのも事実です。1頭の馬に力づけられたり夢を見たりするのは競馬の魅力のひとつですが,なぜディープインパクトがそれほどの支持を集められたのかということについて,僕はまだ十分に理解しきれていないのです。
 日本経済新聞の野元賢一記者がそのあたりのことを分析されていますので紹介します。感想などをお聞かせ頂ければ幸いです。
 http://sports.nikkei.co.jp/keiba/column.cfm
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あけましておめでとうございます。 (wan♪)
2007-01-02 01:29:54
あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いいたします。

遅くなってすみません。去年の宿題です。
きちんと、まとめられておりません&
人間的な表現になってますが、ごめんなさい。

まず、前提として
正真正銘の“サラブレッド”ということを、私自身は全く知りませんでした。
“すごい血統”と聞いても、どのくらいすごいかピンとこなかった感じです(もしかしたら、実際聞いたのも、今年の有馬記念かな?)。
メディアで盛り上がっていて、(競馬に知らないような)私も知るところとなり、単純に“すごい!”と思ってしまい、そのうち、感情移入していったのかな、と思います。
武豊に関しても、厩舎に関しても同じです。

1)そんな中で一つ思ったのは、「(能力がある方でも)努力しているんだろうな」と思って応援していたのかもしれない、ということ。
“勝つのが当たり前のレベル”と聞いても、「それでも努力はしてるはず」という気持ちがあったように思います。

仰木監督もイチローに対し、
「あれだけ練習すれば、打てるようになるよ。
あんなに練習するやつはいないけどね。」
というようなことを言ったとか。

ハルウララに関しては、本当に「一生懸命さ」にひかれた、という感じではないでしょうか。

2)ご紹介いただいた野元記者の記事で
>セレブは嫉妬(しっと)の的ではなく「あやかりたい」存在となったのだ。

という部分もなるほど、とおもいました。
(叶姉妹も似てるでしょうか???)
競争社会になって、きっかけがあれば、自分もそうなれるかも♪という感情もあるのでは?と思いますが。

逆に、ハルウララに関しては、自分を貫き通している、というところが受けたのかもしれないですね。

最後に、
そういえば、「ハンカチ王子」もディープのブームに似てませんか?

女性にとって、ディープもハルウララも、ハンカチ王子も、
動物とか、高校生、などの自分の子供のような立場、というのも上記の感情移入しやすい条件かも知れません。


以上です。
2日になってしまいました!
おやすみなさい!
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箱根駅伝 (wan♪)
2007-01-02 12:34:13
セレブになるのかどうかわかりませんが、
箱根駅伝の順天堂大 5区を走る今井選手も応援しています!
(同じ福島出身というのもありますが、、、)

2年から3年連続の箱根駅伝 5区の山登りを走っている選手で、一昨年は11人抜き、昨年は5人抜き、というすごい選手です!
でも、淡々と走っているんですよね~。
他の選手が「神様」と言っているみたいです。

今、4位です!
今年、ラストの箱根もすばらしい成績で終わってほしいと思ってます!!!

これも一緒でしょうか???
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宿題 (spinoza05)
2007-01-02 19:23:30
明けましておめでとうございます。

まず,馬に努力ということばはやや違和感は感じますが
ディープインパクトが努力したことは間違いないでしょう。
ただ,競走馬の場合でいえば,強い馬が弱い馬と比較したときに
格段の努力をしているかといえば,微妙だとは思います。

たとえば日本の馬が海外で走るような場合では,
僕も無条件で日本の馬を応援するわけです。
僕はそれ自体が悪いことであるとは少しも思いません。
勝ったときに喜ぶこと(感動といってもいいです)も同じです。
ただ僕が同時に需要ではないかと思うことは,
自分があるものを応援し,支持し,また感動させられるときに,
なぜ自分がそれを応援し,支持し,感動するのかということを
一度,立ち止まって考えてみるということです。
これはおそらく,受動(反動)を否定し能動を肯定する
スピノザの哲学からの影響だと思います。

僕はハンカチ王子というのは実はよく知らないのですが
彼の場合にはルックスも関係しているのではと推測します。
僕は今回のディープインパクトフィーバーの中に,
数年前に内閣の支持率が8割に達したのと似たようなものを感じました。
宿題というのは僕の場合にも同じことです。
このディープインパクト現象についての考えを
いずれブログの本文の方に書いてみたいと思っています。
もう少し時間が掛かりそうですが。
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訂正 (spunoza05)
2007-01-02 19:25:29
真中の文章中,需要は重要です。
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ディープインパクトもかっこいいですよね? (wan♪)
2007-01-03 02:28:31
>彼の場合にはルックスも関係しているのではと推測します。

上記の文章の意味がわからないのですが
ハンカチ王子のブームの要因と似ているのでは?
と思ったのは、ルックスも同様だと思います。

斉藤君もかっこいい(かわいい)ようですけど
馬を応援している人は、もともと馬をかっこいいと思っているのではないでしょうか?

違うのかな?

私は馬はかっこいいと思ってます。
これは、ブームとは関係ない普段もっているイメージになってしまいますけど。

昔、ツィンクルレースに初めて行ったとき、
隣であたっていた女の子が
「白くてきれいな馬だったから買ったの♪」
と、言っていて、一緒に行った男子が落ち込んでましたっけ。

>数年前に内閣の支持率が8割に達したのと似たようなものを感じました。

ディープインパクトのブームなら問題ないのでは、と思いますが、政治などの問題になると、確かにまずいですよね。
一緒なのかな???
全然わからないです。
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逆に、 (wan♪)
2007-01-03 02:32:02
競馬ファンでは、「ディープ祭り」を快く思わない人もいたのはなぜですか?

当然勝つ馬が勝つだけのことなのに、盛り上がっているから、という理由だけですか?
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