スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

武雄記念&瞬間

2008-05-08 21:03:25 | 競輪
 ゴールデンウィーク中はいろいろあって遅くなってしまいましたが,4月29日に決勝(動画)が争われた玉野記念を回顧します。想定の段階である程度は予想されましたが,地元の九州勢が大挙して乗ってきました。
 Sは荒井選手で北津留選手の前受け。坂本選手が5番手に入り,佐藤選手が8番手での周回。残り2周半から佐藤選手が上昇すると,坂本選手がこれに続きました。しかし北津留選手は引かず,打鐘前のバックから突っ張って早くも先行争い,これは北津留選手が突っ張りきってそのまま先行。残り1周のホームから坂本選手も発進。しかし荒井選手が十分に引き付けてバックから番手捲り。坂本選手がいけなかったので大塚選手が斬り込み,しかしさすがに九州の邪魔はできないので,これが自力捲りの形に。一旦は捲りきって先頭に出ましたが,荒井選手が続き,直線では再び抜き返して荒井選手の優勝。大塚選手が2着で,3着はゴール寸前で藤野選手を交わした原選手でした。
 優勝した佐賀の荒井崇博選手は,記念競輪の優勝は久しぶりで昨年1月の立川記念以来。純粋な地元となる武雄記念は初優勝。大塚選手に捲られたのは本人としてもびっくりだったのではないかと思うのですか,その後は冷静に対処しました。久しぶりとはいえ,決勝にはコンスタントに乗っているイメージですので,またすぐにチャンスがあるものと思います。

 まず最初に,スピノザがゼノンがいっているというのを,瞬間,すなわち最小時間と考えることの妥当性を吟味しなければなりません。これはたぶん,次のように考えるのがいいのではないかと思います。
 仮にこのような瞬間というのが存在するものとして,これを1秒という単位に固定してみます。そしてより分かりやすくするために,矢は1秒間に1メートル進むものと仮定してみましょう。
 すると矢は,飛び始めるときに0の位置にあり,1秒後には1メートル先に,2秒後は2メートル先に,3秒後は3メートル先に位置する,といった具合に進み,いずれ止まるでしょう。そしてこの矢は確かにそれぞれの位置で静止しているということになり,ゼノンの主張していること,すなわち飛んでいる矢は止まっているということに合致するということになります。
 ここで重要なのは,この1秒というのが,任意に仮定された時間であるということです。僕たちは実際には0秒と1秒との間にはまだ指定できるような時間があるということを知っていますから,矢の運動というのをこのように規定することには違和感を感じます。しかしこの論理は,瞬間というのを仮定さえすれば,それが何秒であろうと,つまりそれをさらにどんなに細かく考えようとも同様に成立しますし,その際に矢が飛ぶ速度とは何の関係もありません。
 したがって,少なくとも,今という瞬間が実在すると仮定する限りでは,第三の逆説が成立しているということだけは,これで証明されたことになると思います。
コメント
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