白樺小舎便り(しらかばごやだより)

北信濃の田舎暮らしの日々

抒情派爺さん

2022年05月23日 18時26分05秒 | 日記
黒百合に続いて、待望のニッコウキスゲが咲いた。
背景には白樺。
これはまさに、高原の風情ではないか。
歳とともに、益々抒情派爺さんになって来ているようだ。
堀辰雄や立原道造の愛した軽井沢の追分あたりを思い描ける庭を作りたいものだ。

五月下旬の田園風景。
我家から三キロ程度、バイクでここに来る。



もう田植えが済んだところと、これから田植えをする準備中のところと、そばのリンゴ畑での摘果作業の中、三方を山に囲まれたこの地で軽いランニング。


田んぼの中の未舗装の道を走るのが楽しい。

多分、脊柱管狭窄症の影響で、脚にしびれが出て、感覚がなくなることもあるが、そんな時は休みながらでも走る。
この場所はお気に入りの、専用トレーニング場。
扇状地で、坂ばかりの村だが、一キロ以上の横道がほぼ水平に走っている。
この田園風景の中で走りながら、何かが回復している。

三年前、ストップしてしまった甲州街道歩き。
いよいよ、相模湖~小仏峠を越えて江戸の入る。
その計画を練り始めている。
峠越えの最後の難所だという。どんな程度のものなのか確かめてやろうじゃないか。
そんな気持ちで、伴虚無蔵のように日々鍛錬を怠らない。

黒百合の花が咲き 季節は移ろう 

2022年05月21日 20時17分58秒 | 日記
              白樺にもたれるは  いとし乙女か

    黒百合の花を    胸にいだいて

    アルプスの黒百合  心ときめくよ

    なつかしの岳人   やさしかの君

 

庭に黒百合が今年も咲いた。
もう大分前のことで、どこで入手したのか忘れてしまった。
毎年庭の片隅で、一~二本弱弱しく咲いていたが、土造りが効いたのか、今年は数本が見事な花を付けた。
岳人の歌の二番に歌われているように、黒百合と白樺は特別なのだ。
その名前を聞くだけで、さわやかな高原の風景が目に浮かぶ。

季節は花や木の変化で感じ取れる。田舎暮らしの最高の贅沢。
庭から見える北アルプスや北信五岳に沈む夕日の位置からも、季節の移り変わりが感じられる。
冬至の頃夕日は穂高連峰に沈んでいった。それがだんだん北に移っていき、爺ヶ岳、鹿島槍、五竜岳、唐松岳、白馬連峰を過ぎて、今では戸隠連峰を通り過ぎようとしている。
季節の過ぎるのがあまりに早い。ふと気が付けば、あと一ヶ月で夕日は北のはずれまで行こうとしている。妙高山の辺りまでだろうか。そこから南へ帰って行く。

自分には、あとどれくらい時間が残されているのだろう。
ふと、そんなことを考えてしまう。

まだ、やってみたことがなくて、一度はやってみたいと思っていることの一つに、更科蕎麦を打つ、という体験がある。
で、今日思い切って打ってみた。
更科粉という、水ではほとんど繋がらない粉を熱湯で練って、薄く延した。
切れやすいのは端をみればわかる。

更科粉に抹茶を加えて茶そばにした。
本に、7~8パーセントが基本、と書いてあったが、入れ過ぎだろうと思い、5パーセントにした。
それでも緑が濃すぎる。淡い緑がいい。1~2パーセントが妥当だろう。

茹でてみた。
やっぱり緑が濃すぎる。
食感はツルっとしてコシがあり、抹茶の香りもして美味かった。
蕎麦になるかどうか、実験のつもりで一人前だけ打ったが、一応繋がった蕎麦になった。
抹茶の代わりに柚子をすりおろして練り込めば、柚子そばになる。
練り込む素材によって色が変わるので、見て楽しむ蕎麦でもある。
蕎麦の世界は奥が深いなあと思う。






わすれなぐさ

2022年05月12日 19時45分36秒 | 日記
我が家の庭にわすれなぐさがたくさん咲いた。
花など愛でる柄ではないと言われるかもしれないが、青いこの花が好きだ。
以前は別の場所に植えてあったが小さな株でしか咲かなかった。土を改良し植え替えたら一面のわすれなぐさの群落になった。

もう半世紀以上も前、僕らの中学校の修学旅行は東京、神奈川だった。
色々な思い出はあるが、中でも忘れられないのははとバスのガイドさん。松原智恵子さんの若いころをもっと透明にしたような、「こんなキレイな人がこの世に居るのか」と田舎の中学生は思った。儚さと透明さを併せ持ったとしか、他に言い表しようがない。このガイドさんが夜の銀座のネオン街を走りながら歌ってくれたのが「わすれなぐさをあなたに」だった。1963年の歌だから、まだ倍賞千恵子さんや菅原洋一さんがカバーする前だ。ブォーチェ・アンジェリカという女性コーラスグループの歌だ。
それ以来僕はわすれなぐさという花を見るたび、胸の奥が甘酸っぱい気持ちになる。

庭はできるだけ消毒したくない。
ところが、もみじやリンゴなどの木にアメリカシロヒトリが発生した。
理想は天敵に任せる循環を作り出すことだが、当面そうもいっていられない。
枝の込み合ったところは剪定し、一匹一匹ピンセットでつまんで退治した。
アブラムシも発生しているが、葉だけ切り取って処分している。天敵のテントウムシの姿もあるので、消毒で一網打尽にしたくはない。
朝に晩に、庭に巡回は欠かせない。

古き良き山歩きの時代 五月の飯縄山

2022年05月04日 21時51分15秒 | 日記
下山途中、登ってきた登山者の方に道を譲るため端に寄ると、その登山者の方に「早く来いって言ってんだろ!」と、いきなり怒鳴られる。 は??いつ来いって言った??ってなりながら横を通過する。登山は登り優先という認識だったので、なぜこんなこと言われるのか??

四月末に飯縄山に登った登った登山者の方が、YAMAPにこんな記事を書いていた。
僕等は、山に登るのはみんないい人で、顔見知りではないけれど、仲間意識というような気持ちを抱いていた。
今はもう、それは古き良き時代の遺物なのだろうか。
その飯縄山に登ってきた。

残雪の山頂遠望。

双耳峰の釣り尾根。一メートル程の積雪。

日本百名山、高妻山。右奥が乙妻山。

貴婦人、妙高山。

白馬三山。今年は久しぶりに行ってみようかな。

大型連休中のこともあり、大型駐車場も満杯。やっと駐車できた。
老若男女、色々な人たちが登っていた。
冒頭のようなことは無く、気持ちよい登山ができた。