白樺小舎便り(しらかばごやだより)

北信濃の田舎暮らしの日々

一日二題

2022年01月31日 19時56分08秒 | 日記
冬ごもりに加えて、コロナごもりの日々。
寒村のわが村でも、新型コロナの感染者数がどんどん増えている。
八十代、九十代、次いで七十代、六十代と高齢者が圧倒的に多い。
村当局はつまびらかにしないが、おそらく特養の中で広がったのではないかと思っている。ほとんど家から出ない田舎暮らしで、こんなに老人ばかり感染するはずがない。
身の回りでも、近しい知り合いが二人濃厚接触者として自宅から出られない事態になった。
週3~4日の軽いランニングとウォーキングをして、数独を一日二題、上級問題を解くのを日課にしている。

ネットで出題されているのだが、一題十五分くらいで解けることもあれば、一時間くらいかかることもある。
レベルが五段階あり、取り組んでいるのは上から二段階目の問題。
解いていくうちに行き詰まり、試行錯誤の状態になることがある。
これは悔しい。答が出たとしても、論理的に導き出されたものでないと、大きな敗北感にさいなまれる。これをこうやる、そしてこうなる、で、こうなる、という必然性の連続で答に辿り着くのでなければ負けだ。難しい問題になれば、試行錯誤の手順が避けられないこともあるだろう。だが、このレベルの問題であれば、必然の連続で答に辿り着けるはずだ、という思いがある。

こんな風にして北信濃の冬は、一月が終わる。
光の春と呼ばれる二月になれば、何かが変わるのだろうか。
昨年の春、脚の痛みから、中断していたランニングも再開した。
リンゴをたくさん食べて体重は六十キロを少し超えていたが、この数日、朝は五十九キロ台に下がるようになった。
そう、何かが始まっていく予感がする。


修理に2~3万円かかると言われ

2022年01月30日 22時36分37秒 | 日記
 僕はノートパソコンを床に置いて、こたつに体を突っ込み、腹ばいになって操作するという、極めてだらしない状態で過ごしている。
数日前、電源プラグが抜けて床に転がっているのを発見した。
よく見ると、踏んだか、重いものを置いて、折れたらしい。
どう頑張ってみても本体に残ったプラグの先端が取れない。
手に負えなくて、パソコン修理屋さんに持ち込んだ。
カバーを外し、ピンセットで試みたが、やっぱり外せない。
「これはもう、基板毎交換するしかないですね」、と気の毒そうに言う。
いやいやいや、そんな大ごとになるのかい。
「基板交換になると2~3万円くらいかかりますね。」
うーん…。

右上から少し下がったところが問題の箇所。
「電源アダプタも変えないとだめだし、新品だと高いからヤフーオークションあたりで探してみるのがいいかも。」
「ううーん…。実は、折れて残った残骸が取れさえすれば、電子部品屋さんで合うプラグを見つけて先端だけ付け替えれば、使えると思うんです。合うものがなければ、最後の手段で電線を直結すればいいかと。」
「何とか外せればいいんだけど、さっきもやってみたけど無理ですね。」
「何とか自力でやってみます。」
「どうなったか、また教えてね。」
親切な人だった。ただ、昔の技術者のように、テレビやラジオを直したりはんだ付けをしたりはできないという。パソコン業界からの参入者だという。
見積もりは無料だという。カバーを外したまま持ち帰った。
その夜の血圧は171/102だった。ショックが大きかったのだな。

その後、細いドリルで何とか残骸を取り、電子部品屋さんにパソコンを持ち込んだ。女性の店長さんだが、親切に合うプラグを見つけてくれた。198円。
ここまで来ればしめたもの。
自宅で慎重にはんだ付け。+、-を間違えるわけにはいかない。
完成させてテスト。プラグが少し短い。カバーの穴を大きくして、奥まで差し込む。
電源ON。
パソコンが立ち上がり、無くなりかけていたバッテリーも充電されていく。
さっそく、パソコン修理屋さんに経過報告。お世話になりました。
「プラグいくらだったの?」
「198円」
「...」
長野市にはもう電子部品屋さんがないという。
須坂市にはある。場所を教えて上げた。

もう、パソコンは床に置きっぱなしにしない。
心に固く誓うのでした。




静かで豊かな山 

2022年01月02日 19時43分39秒 | 日記
年末から新年にかけて、久方ぶりに大雪が降った。
例年元日には飯縄山(1,917メートル)に登る。
今回は苦労するかなと思いつつ、ワクワクしたりもする。

大駐車場は歩いて15分ほど離れたところにあるが、登山口にも少し駐車できる。自分は歩いてきた。

登山道にはところどころに石仏。雪に隠れているものも多い。


昔の修験道の名残の一の鳥居。
十時過ぎに出発したが、トレースは付いている。
それでも、例年に比べれば、登山者は格段に少ない。
静かな林の中を歩く。何も考えず、何も思わず、ただ歩く。

時折吹きすぎる風が、雪煙を巻き上げる。
粉雪がキラキラと輝く。

山頂直下の鳥居はてっぺんが腰くらいの高さ。

神社のある手前のピークとその奥にある本峰。
すれ違った登山者の情報によると、神社まではトレースが付いているが、本峰へはほとんどトレースがないという。この釣り尾根は馬の背状で、雪が飛ばされないで残っている。

昔は神社の入り口が雪で埋まっていたこともある。今年はまだそれほどのこともない。

お賽銭を上げて初詣。
欲張ってお願いすることも特にない。
何も考えず、何も思わず黙って頭を下げた。
昨年暮れ、何人かの知り合いが、病気になった。
こうして山に来れることだけでありがたい。
途中すれ違った人たちは口々に「山頂は風がすごくて、寒い」と言っていた。
僕が山頂に立った時はとても穏やかで、日差しも眩しいくらい暖かだった。
いつものように「お天気の神様と山に愛されている」(かみさん談)のだと素直に感謝する。
運試しに、年末ジャンボを一枚だけ買った。それが末等に当選していた。三百円で損も得もないのだけれど、自他ともに認めるくじ運の悪い男だった僕には、運の向いてくる兆候だと思えた。
そんなこともみんな含めて、二礼二拍一礼。

本峰へは数人がアタックしていた。
後を追って行ってみるが、深雪で足が股付近まで潜って、とても前には進めない。
ザックからかんじきを取り出して装着。
多分今ではスノーシューが主流なのだろう。この登山靴も四十年以上昔に、ゴローでオーダーメイドで作ったものだ。
かんじきの威力は偉大だった。

古希になった。
今年で四十三回目の飯縄元旦登山。
これまでは何としても登らなければ、という気持ちが強かった。
これからはそんな執着からも解放されて、雪山を楽しむだけでいいという心境になった。

無事帰還。

飯縄よさらば、また来る日まで。
あとは温泉にまっしぐら。



温泉は隠し湯なので教えるわけにはいかないが、正月はかりん湯。
プレゼントの干支のタオルとサービスの甘酒。
桜エビのかき揚げは正月のみの特性天ぷらうどん。
ここまでは毎年同じルーティン。
よい年になりそうだ、いや、する。