初心に戻って
「人生が二度あれば」という
井上陽水の歌があります。
「~~今年の二月で父は64~~♪」
72年の作品だから、私はまだ21歳。
64歳の人のことなど、
想像もできませんでした。
それ以上に、父親や母親のことを
この歌のようにいたわる気持ちさえ
抱いていませんでした(
そんな私も、歌の父親の年齢をはるかに
超えて68、「今年の0月で69♪」
とても面白い本を読みました。
「リプレイ」(ケン・グリムウッド・新潮文庫)
43歳のある日あるとき、
心臓発作で突然死。
目が覚めてみると、
1963年、18歳の時に戻っている。
これを繰り返すこと4回。
よくあるタイムスリップものではありますが、
毎回、前の人生で後悔したり、
やりたかったことを次々と実現していく。
この繰り返しのデティールがなんとも
正確で、興味深い。
ケネディの暗殺、国家間の軋轢~~。
と書くと硬い内容のように見えますが、
メインテーマは愛、
セックスシーンもふんだんで、
これも真実味がありますよ。
私も文庫版の表紙を真似て作ってみました。
ワタクシのタイムトリップは、
大盤振る舞いして48年!
目覚めると20歳!
時を超えるBABA~~♪
小説の主人公は、60年代に戻ると、
その時代の競馬やらフットボールの賭けで、
莫大なお金を得る。
結果をすでに知っているので、
間違いはない~^。
その上に、アップルとか将来伸びる会社の
株をどんどん買うわけです。
これでどんな人生でもお金の心配は
なくなる~~。
お金の心配がなくなった上で、
人は、この人生で何を成すのか~~。
が、テーマかな
それにしても、
何度も43歳になって、
その都度、再び18歳。
前の時代に生きた記憶はあるけど、
妻も娘もそのたびに失う。
喪失することの無量の悲哀~~。
ちょっと哲学的な課題になっていくところが
それがほかのタイムトリップものと違う。
この小説、前にも読んでいるのですが、
今回改めて読んで深く、深く感情移入。
私は、何度生き直したいだろうか。
でも一回きりの人生を生きる
ワタシたちだって何度も生まれ変わる。
耐えがたい苦痛や悲しみを経験すると、
人は一度「死ぬ」のだと思います。
一度死んで、また生き返って、
次の人生に向かって歩いていく。
だから人は本当は何度も生まれ変われる
はずなんですね。
で、今回の私は、20歳くらいに勝手に
生き返ることにしました。
この本を読んで、ぐっすり寝ます。
目が覚めたら、20代!
上京したばかりの頃の部屋は四畳半一間。
今目覚めると~~、
なんと、当時の部屋より部屋が広い!
ラッキー!!
これからは20代のつもりで
子どもを産むまでの14年間を
一人暮らし、します!
楽しみだああ。
主人公のジェフは、’45年生まれだから、
現在74歳、生きていたらどんなシニアに
なっているんでしょうね。
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思うがままにやりたいことを
やりたいようにやってきたワタクシですが、
ものすごく幸運なことに、
行き倒れることもなく、
娘も息子もめでたく結婚して、
それも願ってもないよいご縁。
良き日続きの毎日ですが、
この年齢になると、
どんな穏やかな日々のなかにも、
「死」が通奏低音のように鳴り響くことが。
最近では60代になったばかりの知人が逝き、
いつ死が訪れてもおかしくない~~。
お正月に着た訪問着に
鶴帯を合わせてみました。
日々、着物周りのことにうつつを
抜かしておりますが。
これからは、
「引き寄せ」より
ずばり「死」についてじっくり
考えてみたいと思っております。
モノは整理しほうがいいのか。
あるいは
死ぬ直前まであれこれ
ジタバタしたいのか。
死ぬまでにどんなことをしたいか。
どんな風に生きたいのか。
実務的なことも含めて
課題はたくさんあります。
これからは
「よき死に方」を引き寄せたい~~。
「どうせ死ぬのになぜ生きるのか」
(名越康文・PHP)
名越先生は、
「エヴァ・ブラウン」の番組にも出演していた
精神科医です。
本のタイトル「どうせ~~」という言葉が
投げやりに聞こえて面白いなと
書店で手に取ってぱらぱら、
次の一節に惹かれました。
「~僕の考えではマイナスを
埋めたいとの願いだけが人を動かす」
人は、こうしたら得すると言われると
その通りにすると思われがちですが、
多くの人は「他人にこうしろ」と言わても
その通りにしない~~。
だからこそ自己啓発本が華盛りとか。
実行する人が少ないから、
次々と同じようなテーマで。
ワタシも強く、強く、同感なんですね。
周りを見渡しても、
意識しているにせよ、
無意識にせよ、
「劣等感・コンプレックス」を埋めようとして
人生を進んでいる人のなんと多いことか。
それがたとえ間違った方向でもね。
というか、間違っていることさえ
気づかないのかも。
私ももちろんその一人~~?
この本には、
「~~なぜ生きる」の答えは
直接には書かれていません。
生きてみないとわからない~?
ただ、
「間違った方向にいかない」ための
ヒントが書かれている。
その一つが、
飛躍するようだけど、
仏教の「行」
まあ、ヨガとか瞑想とかですね。
最近、ヨガや瞑想が心や身体に
いいと科学的にも証明されつつありますが、
元来、「行」とは「得を考えず」
行うこと、ですよね。
「人はマイナスで動く」
その最たる人が釈迦。
確かに釈迦という人は、
「生老病死」という「四苦」を追求するために
生きた人ですね。
私は特定の宗教に属してはいませんが、
「和の引き寄せ」をやったくらいですから、
日本独特の宗教には感心を持っています。
子どもの頃、
本郷功次郎主演「釈迦」を
見て、(親に連れていかれて?)
そのころ珍しい
総天然色だったせいか、
夜ウナサレて、強烈な印象を。
1960年、なんと「座頭市」の三隈研次監督だ。
人は「あるモノ」より「ないモノ」を
求めて、それらを埋める、
探すために人生を費やす。
健康な人は健康法には興味を持たない、
病気になって初めて健康の大事さを知る。
などなど~~。
「人の考え、思いは刻々と変わる」
さっき怒っていたかと思うと、
もう喜ぶ~~。
「本当の現実を見ることができない」
だから、
「誰もが自分だけの色眼鏡に
よってこの世界を見ている」など
そうだよなと、この年齢になったからこそ
実感として(理屈や頭ではなく)
わかる言葉の数々。
私にとっては実践しつつ、
再読、考えてみたいと思う、
いい本です。
それでもやっぱり着物は好き
それでも、なのか、だからなのか?
こんな重量級の本もスタインバイ。
死について考えることは、
生を考えること。
というわけで、
これまでにもたびたび
死について書いてきましたが、
これからはもう少しじっくり考えるため、
拙ブログの「死について」を
まとめてみました。
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かつて
聖路加病院の日野原重明氏の
「生き方上手」(ユーリーグ」という本が
ベストセラーになったことがあります。
当時まだ40代だった私は
老いにも死にも興味はなく、
90歳で書かれたという
この本にもあまり興味はありませんでした。
あれからおおよそ20年、
老いは、図々しくもなぜか身近に感じないのに、
死については、ときおり考えます。
あまり長生きせず、
それこそ「上手に逝きたいなあ」と。
そんなとき目に入った本。
一冊は「人は死なない」(矢作直樹著・バジリコ)
この方東大医学部集中治療部の部長という仕事柄、
多くの人の死にかかわってきた。
その彼が人の死に関してさまざまな神秘を体験。
死んだ母親との再会、そのなかで本人と自分しか
知りえない内容を話したことから
霊の存在を確信するようになった
経緯がつづられています。
医学的な見地から書かれているので
腑に落ちる。
そして「人は死なない」と。
これは、私の心には
すんなりと心に入ってくるんですね。
亡き母親に助けてもらったこともあるし。
家族は死んでも同じ家にいて、
でも周波数が違うだけだそうです。
そうかも~~。
守ってね。
もう一冊、
「死ぬとわかるのは自由の獲得である」と
さらっと口にするのは佐野洋子さん。
「乳がんになった。
余命二年といわれた~~」
テレビをつけたら、めったに見ないEテレから
こんな言葉が流れてきて、
つい聞き入り、見入ってしまった。
「二年と言われたら十数年苦しんできた
うつ病がほとんど消えた。人間は神秘だ。
人生が急に充実してきた。
毎日が楽しくて仕方がない。」
そしてこう続く。
「死ぬとわかるのは、自由の獲得と同じである」
「死ぬ気まんまん」(光文社)と
「役に立たない日々」(朝日出版社」
すごいなあ。
私はまだそこまでには至っていないし、
いつかそのように思えるのかどうかは
わからないけど、この言葉は
頭の隅のそのまた隅に潜ませておこうと
思います。
いつか死が近づいたとき、
そんな風に思えるようになれればいいなと。
人は生きるための学びは何年もするのに、
死ぬための学びはしない。
死を意識した頃から、学びを始めたほうが
いいのではないかと誰かが言っていました。
そして、子供や孫や周りの人に
「蓄えてきた知識や言葉を伝える。
それによって先祖から受け継いだDNAを
受け継がせていく」
はい、これからはそんなことを少し意識しつつ
いろんなことをやりたいと思います。
そして死んだら、家族と同じ家に住んで
彼らを守る~~?
きっとうるさがると思うけど、
くすぐったり、ものを隠したり
いたずらはしないからね。
なんだか楽しそうじゃないですか??
メメントモリ、死をおもえという言葉があります。
これは逆にいうと、「今を楽しめ」ということ
死に方上手」は「生き方上手」でもあるのです。
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