Sightsong

自縄自縛日記

ダリウス・ジョーンズ『Man'ish Boy』

2012-04-17 00:13:48 | アヴァンギャルド・ジャズ

ダリウス・ジョーンズ『Man'ish Boy』(Aum Fidelity、2009年録音)を通勤時間に聴く。

Darius Jones (as)
Cooper-Moore (p, didley-bo)
Rakalam bob moses (ds)

ヘタウマのジャケット絵が凄い、何じゃこれは。これを描いたランダル・ウィルコックス(Randal Wilcox)はジョーンズのCDのジャケットを色々手掛けているようで、他の作品もじろじろ眺めていると割と好きになってくる(>> リンク)。

それはともかく、外側が鬼面人を驚かすのに対し、ジョーンズのアルトサックスは奇抜ではなく真っ当である。ジョニー・ホッジスばりの唇の柔らかそうなヴィブラートが印象的であり、抜けが良いというのか、聴いてきて胸の奥がむずむずしてくる。ふくよかで朗々とした「鳴り」もあれば、細い音での「泣き」もある。自分もこんな風にアルトサックスを吹けていたらよかったな、なんて思ったりして。

クーパー・ムーアは、ピアノと、なんとディドリボーを使っており、ベースのような効果はなかなか聴きごたえがある。米国南部の黒人による手作りの一弦楽器である。ジャケットも含め、ジョーンズが自身のルーツを意識していることは明らかに思える。そして、最後の曲「Forgive Me」におけるブルース演奏は最高である。

そういえば、同じクーパー・ムーアがオルガンを弾いた、ウィリアム・パーカー『Uncle Joe's Spirit House』(Centering Records)(>> リンク)もかなりコテコテのルーツ的なパフォーマンスだった。こういうものがフリージャズの棚に置かれてしまうと、嬉しいような、勿体ないような。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。