Sightsong

自縄自縛日記

武満徹『波の盆』

2012-12-30 10:49:55 | ポップス

気が向いて、武満徹『波の盆』(RASA、1983年)というドラマのサントラ集を聴いてみた。

指揮/岩城宏之
演奏/東京コンサーツ

何とも気持ちのいいアンサンブルである。このテレビドラマは、ハワイを舞台にしたものであったらしく、「パール・ハーバー」、「ヒロシマ」といった曲も含まれる(もっとも、これらの曲は気持ち良いというより不穏なイメージを出している)。

武満徹の映画音楽で好きなものは『他人の顔』『夏の妹』だが、これは、南国という点で沖縄と共通するのか、『夏の妹』を想起させる。

言ってみれば「甘酸っぱい」なのか、「ほろ苦い」なのか、しかしそれも大きな力の中に位置づけられるような。つまり、ここにある感覚は、どちらかと言うと「諦念」であり、諦めて思考停止したところに、癒しだとか観光だとかいったものが成立するのではないかな、と思ってしまった。大島渚が『夏の妹』において描いた世界も、そのような沖縄であったのかもしれない。

「日本」とは「諦め」だ。

参照
大島渚『夏の妹』


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1 コメント

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Unknown (Sightsong)
2012-12-31 13:45:37
tamaraさん
そうでした、フルートをなさるのでしたね。
武満の活動はあまり知らず、映画音楽で接するくらいでした。何かお薦めがあれば教えていただければ嬉しいです。
「日本」とは「諦め」だなんて、思いつきなのですが。
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