ニューヨーク。時差があってつらいが、早速、ホイットニー美術館で開かれたばかりのジェフ・クーンズ回顧展を観た。
キッチュというのか、大量消費と流通のシステムに支えられて普及した趣味そのものが、俗文化が、綺麗なまま拡大されている。そういうことであれば、パッケージ未開封品であればあるほど価値があるというものだ。クーンズの絵や彫刻はピカピカである。観る人たちも、ピカピカに魅入られているようだ。
大量消費文化はすなわちアメリカであった。そのアメリカのアイデンティたる自由の鐘を、クーンズは、あろうことか、これまでたどってきた歴史や素材の検証により、精巧なレプリカとして作っている。かれはこれを「altered ready-made」と称している。アメリカと心中するつもりか。
常設展のウィリアム・エグルストンやエドワード・ホッパーも素晴らしかった。