ミシェル・ペトルチアーニの映像『Power of Three』(Blue Note、1986年)を観る。
Michel Petrucciani (p)
Jim Hall (g)
Wayne Shorter (ts, ss)
もう随分とCDで聴いた音源だが、映像でちゃんと観るのははじめてだ(ペトルチアーニを追ったドキュメンタリー『情熱のピアニズム』でも一部挿入されていた)。CDでは、トリオでの演奏「Limbo」からはじまるのだが、このDVDでは、実際の演奏順に、ジム・ホールとペトルチアーニとのデュオ「Beautiful Love」から収録されており、ウェイン・ショーターは後半3曲での参加。こちらのほうが良いかもしれない。
それにしても、予定調和とも思えるほどの完璧なコラボレーションであり、もちろんそれは結果にすぎない。
ホールのギターの音色はひたすらエッジが丸く、増幅の結果、雲の中にいるような印象を与える。ペトルチアーニの一音一音のアタックはとても強靭であり、弾いているところを観ると左手で和音を付けてはいるものの、右手の強烈さがそれを上回っている。ここでは、和音をホールが担うような形。硬くてやわらかく、尖っていて丸い。