Sightsong

自縄自縛日記

金大煥『黒雨』

2018-09-04 07:50:26 | 韓国・朝鮮

金大煥『黒雨』(Sound Space、1991年)を聴く。

Kim Dae Hwan 金大煥 (perc)
Kang Eun Il 姜垠一 (ヘーグム)

大きな音量で聴くと、金大煥のパーカッションの鼓動のような感覚とが、大波のように、また空気のように、周囲を取り囲み、身動きが取れなくなる(本当)。かれは3本ずつのスティックを両手に持ち、マレットで長く大きな響きを、細いスティックで火花を創りだしている。生前にこのパルスを体感できなかったことが残念だ。

演奏は主にソロ、ときに姜垠一の弦楽器ヘーグムが入ってくる。これもまた、こぶしをきかせた歌や叫びのようであって、身体の内奥に届く。2013年の「ユーラシアンエコーズ第2章」で姜垠一を観たときには、空間を大きな断ち鋏で切り裂いていくようだと感じた。本盤を聴くと、さらにか細いほどの繊細さも同時に伝わってくる。

●金大煥
齋藤徹ワークショップ「寄港」第ゼロ回@いずるば(2017年)
友惠しづね+陸根丙『眠りへの風景』
(2012年)
ジャズ的写真集(6) 五海裕治『自由の意思』

●姜垠一
映像『ユーラシアンエコーズII』(2013年)
ユーラシアンエコーズ第2章(2013年)


ダンテ・ラム『オペレーション:レッド・シー』

2018-09-04 07:24:15 | 中国・台湾

帰国する飛行機の中で、ダンテ・ラム『オペレーション:レッド・シー』(2018年)を観る。

仮想の国名を使ってはいるが、紅海とイエメンが舞台である。中国海軍は海賊と戦い、また、イエメン国内で人質となった同胞の救助を行う。

ダンテ・ラムはエンタテインメントの作り手としては冴えない。ここでも兵士間の友情や使命感といったべたべたの俗を使うだけであり、まったく大したことはない。狙撃の銃弾の軌跡をCGで描写しているが、これもまた、工夫などはない。そして映画としてはどうしようもない軍隊のプロパガンダとなっている。

よくまあこんなくだらない映画を作ったね。軽蔑。

●ダンテ・ラム
ダンテ・ラム『魔警』(2014年)
ダンテ・ラム『コンシェンス/裏切りの炎』(2010年)