一度覚えたら体が覚えて自転車には一生乗れるという。たしかにそうだと、何年か間をおいて自転車に乗るたびに確かにそうだと思う。デジタル慣れして使うこともなく十年と言わずに薬箱で眠っていた水銀式の体温計をまだまだ収まりがつかない新型コロナ禍で引っぱり出して使ってみたりしたが、使ったあとに力強く二回ほど振って次に測れる目盛まで戻す動作をして、自転車のことを思い出した。たぶん、水銀式の体温計を使ったことのない液晶世代の新型君たちは、測ったあと水で冷やすか大好きな氷菓子に押し付けたりするのじゃないかと余計なことを妄想するジイさんになってしまった。