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とらわれて夏 / 愛しい人からの最後の手紙 / 灰

2024年04月13日 | 映画

最近すっかり劇場に足が遠のいてしまって... NETFLIXで見た恋愛映画3作品の感想です。

とらわれて夏 (Labor Day) 2013

ケイト・ウィンスレットとジョシュ・ブローリン主演。ロマンスあり人間ドラマあり、スリリングな展開もあってとてもおもしろかったです。主演の2人の演技はさすがの一言で、息子役の少年のデリケートな演技もすばらしく、心に残る作品でした。

離婚してシングルマザーとなったアデル (ケイト) は、無気力に毎日をすごしていましたが、優しい息子のヘンリーは、いつも母を気遣い、寄り添っていました。そこに、逃亡中の脱獄犯フランク (ジョシュ) が入り込み、ひょんなことから匿うことになってしまいます。

最初は恐怖に震えるアデルでしたが、フランクが料理を作ったり、荒れ放題の家を見かねて修繕したりしていく中で、いつしか3人の間に疑似家族のような関係が生まれます。アデルは愛を求めていたし、年頃のヘンリーにはよき父親が必要でした。

そしてフランクもまた、過失から家族を殺めた過去を悔い、アデルたちと人生をやり直したいという希望が芽生えたのだと思います。夏休みが終わり、新学期が始まる日に、フランクとアデルは国境を越えカナダに逃亡する計画を立てますが...。

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料理を作ってみんなで食べる。住居をきちんと整える。そういう当たり前のことがいかに大切か、ということに気づかされました。フランクが作るチリビーンズやピーチパイのなんておいしそうなこと! 作りながらアデルと手が触れるシーンは、なんだかとても官能的でした。

ヘンリーはアデルの幸せを願っていたけれど、逃亡する時に自分は置いていかれると思ったのでしょうね。だから自分も連れていってもらえると知った時はどれほどうれしかったことでしょう。

原題のレイバーデイは9月の第1月曜日で、アメリカではこの日が夏休み最後の日で次の日から新学年がはじまります。フランクが作ってくれたピーチパイが、後日譚に生かされていたのも心憎かったです。

愛しい人からの最後の手紙 (The Last Letter from Your Lover) 2021

記者のエリー (フェリシティ・ジョーンズ) は、資料の中から偶然見つけた古いラブレターに興味を持ち、その後の結末を調べ始めます。そこには50年前の若き貴夫人ジェニファー (シェイリーン・ウッドリー) と、新聞記者アンソニーとの禁断の恋がつづられていました...。

フェリシティ・ジョーンズと、シェイリーン・ウッドリーが好きなので、楽しみにしていました。ジェニファーはいわゆる良家の奥様ですが、しょせんは夫のお飾りで、社交の場で自分の意見を言うことさえ許されない。

自由な思想をもったジャーナリストのアンソニーに惹かれたジェニファーは、彼と逢瀬を重ね、やがて彼とともにニューヨークに逃げようとしたところ、自動車事故に遭って記憶喪失になってしまう、という物語。

ありがちなストーリーですし、しょせんは不倫と思ってしまって、あまり共感はできなかったのですが、映画を彩る60年代?頃の雰囲気と、シェイリーン・ウッドリーのゴージャスでクラシックなファッションの数々が楽しめました。

 (Kül / Ashes) 2024

トルコといえば、イスタンブールのマーケットがよくアクション映画の舞台になりますが、トルコでふつうに暮らす人たちの映画は、そういえば見たことがないかも、と思って見てみたくなりました。出版社を経営する夫と何不自由のない暮らしをしている妻が

自宅に送られてきた小説の原稿を読んでいくうちに、小説のモデルと思わしき男性を見つけて、彼にのめりこんでしまう...という、これまた不倫の物語でした。正直、彼の魅力がよくわからなかったし、ヒロインの心情にも共感できませんでした。

ただ、トルコの格差社会を垣間見たり、街の様子がわかったり、ロマンスと思って見ていたら実はサスペンスだったりという意外性があって、まあまあ楽しめました。

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