追憶の彼方。

思いつくまま、思い出すままに、日々是好日。

民主主義の劣化…(3)

2016年10月25日 | 文化・文明
米・英に於いて民主主義の危機が叫ばれ始めたのは何故だろうか。
とりわけ身分制の歴史がなく開拓期から学校や教会の建設、道路の整備等
身の回りのことは「平等な」近隣者住民が話し合いで決める地方自治の習慣
が育まれ現在でさえも直接民主主義の痕跡が随所に残存し或いは再生され
ていて最先端を行くと評されるアメリカの民主制に於いてトランピズム
(トランプ的ポピュリズム)と評されるような民主主義の劣化が懸念される
のは何故なのだろうか。
サンダースが言うように一握りの大金持ちは想像を絶する贅沢を味わい、
片や悲惨な貧困にあえぐ何十億に上る人がいるという格差社会、その痛み
に政治が具体的な解決策を示さず、従来のやり方を踏襲している。
米国の民主主義の危機とは選挙民にあるのではなく、「他に選択肢のない」
政治そのものの劣化にある。
巨大金融企業や軍産複合体、超富豪からの巨額の政治献金に頼る民主党
候補のクリントンに不信感・反感を抱く多くの国民がポピュリズムに拍車
をかけている。
政治が普通の人々から遠ざかってしまったと言う現実を見逃してはならない。
グローバリゼーションの進展やロボット・人工知能の普及等普通の人々の
職域が今後益々狭くなる。アメリカのみならず世界の政治家は「平等と自由」
をベースに富裕層と貧困層の分断を阻止し融和・統合できるようなシステム
の構築に向け政治の真剣さが問われる時代である。


次回「日本の民主主義」

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