追憶の彼方。

思いつくまま、思い出すままに、日々是好日。

日本の民主主義…官僚主権

2016年10月26日 | 文化・文明
日本は民主主義かと言えば外形的には「立憲君主型の民主主義国家」である。
選挙が行われ、代議制ではあるが議会が存在する。
しかしながら国民は数年に一度の選挙を通じ部分的に立法権に関わり得る
に過ぎない。
一方行政は官僚が完全に掌握しており行政執行に国民が参加出来る機会は
皆無に近い。
司法も官僚の手に握られている。最高裁判事には官僚OBと官僚が選ぶ
御用学者の枠があり政府の意に添わぬ判決を出す下級審の裁判官の行く
末は最高裁事務総局の手に握られている。司法は完全に法務官僚が掌握
しており三権分立は教科書の中での話に過ぎない。

アメリカの事例で紹介したが市民が主権者として行政に参加し、或いは
監視出来る公的な制度があってこそ理想的な民主主義に一歩近づけるの
である。
立法すら無能な職業政治家、利権に汲々とする政治家のせいで官僚=行政
の手に握られている。
市民の意思を汲み上げる制度として審議会や有識者会議があるが委員の
人選は官僚が行う為官僚の意向に沿った結論が導き出される。官僚の決定
を民間の意思に見せかける巧妙な洗浄の仕組みである。

官僚は選挙で市民に選ばれたのではなく、又市民が選んだ代表によって
任命されたわけでもない。単に公務員試験というペーパー試験に小さい
時から塾通いをし受験技術を身に着けて優秀な成績を収めたに過ぎない。
国家の運営や将来方向に対する見識を身に着けたわけでは決してない。
従って方向を間違い大きな損失をもたらし或いは犯罪的な行為を行って
も大抵のことは責任を問われることは無く、責任者は説明すらしない。

この様に見て来ると日本はうわべだけの民主主義、民主主義的儀式を
行う「官僚主権主義」と呼ぶべきものである。




次回「日本の民主主義」…(2)

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