追憶の彼方。

思いつくまま、思い出すままに、日々是好日。

スマイリング・シンデレラ(渋野日向子)(3)

2019年11月27日 | スポーツ

スマイリング・シンデレラ(渋野日向子)(3)

24日(日)早朝TBS ラジオ美輪明宏の薔薇色の日曜日をいつも通りぼんやり聴いていたら、美輪が今年の流行語と言うコーナで「渋子」を取り上げたので急にパッチリ目が冷めた。
そういえば今日はエリエール・オープン最終日、これは一種の啓示、きっと何か起こりそうだと急に心がざわつき始めた。
Bounce Back Girl(私製英語です)の異名を持つ渋子、先週の予選落ちから一転復調し、二日目は多少荒れたが、三日目はノーボギーの6アンダー、とっても良いゴルフをしている。しかも一組前の一打差に申ジエ、同組には鈴木、賞金女王闘いをする舞台装置は整っている。 
実際女王のタイトルに望みをかけた頂上対決はゲーム序盤から張り詰めるような緊張感に包まれ名勝負となったが、結果は2日続けてのノーボギー・6アンダー、4日間トータル19アンダーで渋子が鈴木を振り切って勝利し、賞金女王タイトル獲得の可能性を最終戦に残した。本人の解説によれば、流れを引き寄せたのは後半のスタート、10番だったという。 「全英女子オープンも、10番でバーディーをとって波に乗った感じ、今日もキーホールとなりました。」11番でも連続バーディー、14番まで鈴木と首位を並走してデッドヒートを展開し、15番でピン奥4メートルのバーディーを決めで単独首位にたって優勝を決め、フアンを狂喜させた。これで次週の、ツアーチャンピオンシップ・リコーカップも俄然盛り上がりスポンサーや協会関係者は大喜びだろう。今年度女子プロゴルフ会への彼女の貢献度は計り知れないものがある。
今回の優勝でメルセデス・ランキングが申ジエを抜き首位へ浮上、25日付発表の世界ランクは日本勢トップとなる5位に畑岡奈紗、この優勝争いを制した渋野は15位から12位に浮上した。鈴木は日本勢3番手の17位。まだ出場選手決定までは半年以上残されており、今後も熾烈な闘いが続くことになる。出来れば3人の出場枠が確保出来れば日本の女子ゴルフも大いに盛り上がることになるだろうし、経済効果も極めて大きいと考えられる。その実現を待ちたい。
 最終戦は宮崎C.Cで開催されるリコーカップ 、出場資格が今年度優勝経験者等に限られ、現時点での有資格者は33人。この精鋭たちが賞金総額1億2000万円、高額優勝賞金3000万円をかけて争う。
予選落ちが無く、棄権・失格がなければ賞金が加算されるが、渋子の女王戴冠の絶対条件は単独2位以上。そのうえで、『渋野が優勝の場合…鈴木が3位以下、申ジエが2位以下』、『渋野が単独2位の場合…2人が10位以下』となり、容易ではないが今週の勝利でチャンスが広がったことは間違いがない。渋子自身は優勝後の会見で、「(賞金女王のことは)考えないほうがいいと思う。出場できる人数も少ないし、1週間楽しんでプレーできれば」と述べている。このコースは海岸の林間コース、樹木の上の強い浜風に煽られ林間に打ち込まないことと、グリーンが高麗で極めて難しい。今年始めて経験する渋子にとっては経験不足が大きなハンデイーとなる。しかしイギリス・ウォバーンでもコースに慣れ親しんだ欧州勢を退け勝利しており、ハンデイーを跳ね除ける精神力と対応力は彼女の強み、是非面白いゲームを展開して欲しい。
時々荒っぽい言葉も発するが、天真爛漫・ビューティフル スマイル・高感度抜群・クレバーな渋子、そもそもAIG全英女子オープンで得た賞金7千万円を加算すればダントツの賞金女王だ。1ファンとしては勿論最終戦も頑張って欲しいが心の何処かに「もうそれで十分だ……(アリス・チャンピオンの歌詞の一部)」という気持ちもあり、最終戦は愉しめれば良いと多少複雑だ。
この試合で気になったのは3日目を終え15アンダーでトップをキープしていた森田遥選手、賞金ランキング61位で、50位以内に付与される来年度賞金シード枠に達するには単独3位以上が必要という崖っ淵にいたのである。森田は中国人の両親が卓球コーチとして来日し日本で生まれた中国名 魯婉遥という中国籍の選手だが日本のJGAナショナルチームメンバーにも選ばれた逸材であり、その美しいスイングには定評がある。2,015年アメリカ下部ツアーで優勝、2016年からJLPGAツアーに参戦し2019年までシード権を維持してきた選手である。(2017年明治カップでツアー初優勝)  最終戦も9番H まで2アンダーで良いゴルフをし16番H終了時点ではカップに手が届く所で頑張っていたが、17番テイーグランドで信じられないような不運に見舞われた。今迄静かだった天候が突如、嵐のような雨風が吹き荒れ始め、帽子は飛ぶ、傘もさせないような悲惨な状況になった。案の定、森田はバーデイを計算していた17番に加え、18番もボギーとしトータル「71」通算16アンダーで4位タイに終わり賞金ランクは52位、シード権には2ストローク足りず涙を飲むこととなった。森田は泣き言は一切言わず、気丈に「神様がそういう風にしているような感じですよね」という言葉だけを残してコースを去った。 只55位迄の5人は来年前半の出場権が与えられるので彼女の実力からすれば今年前半不振の反省を踏まえ立派な成績を残し、後半戦につなぐことも可能だと思う。是非華麗なスイングを期待したい。
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スマイリング・シンデレラ(渋野日向子)…(2)

2019年10月05日 | スポーツ

スマイリング・シンデレラ(渋野日向子)…(2)

朴セリに続く韓国人二人目の全米女子オープンwinnerにバーデイー・キムという選手がいる。有名な(ティーチングプロの元祖)ボブ・トスキに師事し,2005年の大会に初出場でいきなり優勝し、すわ朴セリ2世の登場かと騒がれたが、以後目立った活躍も無く二軍ツァーに身を落としてさえ優勝出来ない不遇をかこっている。
渋野が全英オープンに勝利した時、賞賛の嵐の陰に第二のバーデイ・キムにならなければ良いがと言う米スポーツ記者のコメントもあった。
しかしウォーバーンからの帰国後の渋野の活躍はその心配を完全に払拭したかに見える。
本人が指摘していた通り環境の激変に中々フォロー出来ていないと言う状況に加えて、ゴルフと縁の薄い人まで巻き込み大きな期待を込めたフィーバーに何とか答えたいと言う健気な姿勢が読み取れて何となく痛々しく、重圧に潰れて仕舞わないかと心配させたが、しかしそれは全くの杞憂であったことが判明した。
渋野は6日に英国から羽田着のJAL機で帰国すると、その足で、2つの記者会見をこなした。日本記者クラブには、ゴルファーとして初めて招かれた。急きょ決まったこの会見には187人の報道陣が詰めかけ、同クラブ史上最年少のゲストともなった。その受け答えは中々堂々たるもので「宮里チルドレン」としての素養充分と印象付け中々の好評であった。
当初帰国後その足で北海道入りする予定だったが、1日ずらして翌7日の午後に北海道北広島市へ移動、初出場のこの大会、初めてラウンドするコースの下見が出来たのは、開幕前日の8日のプロアマ戦の一度だけ。パッティングの練習すら出来ず、前夜祭の前には地元テレビ局の情報番組に生出演し、前夜祭が終わったあともテレビ出演をこなした。メジャーでの激闘に加え、帰国後は分刻みの超過密状態であった。
本人の言によれば、時差ぼけも手伝い眠気との戦いであったが、前夜祭にも出席し寝たのは午前2時 心身ともに限界状態だった為、8日夜には遂に体調を崩し38度の高熱、そんな大きなハンデイを背負った状態で臨んだ試合で通算4アンダーの13位タイでのフィニッシュは称賛に値するだろう。
9月12日、日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯初日、渋野は国内大会での連続オーバーパーなしのラウンド数を「29」と伸ばし、アン・ソンジュ(韓国)が2013年に出した記録「28」を破り最長記録を達成した。2日目にはつっかい棒が外れた感じで残念ながらオーバー・パーとなって記録は途絶えたが、しかし本人が述懐していた通り背負っていた重しの一つが取れた様子で、魅力的な自然な笑顔を取り戻し何となく吹っ切れた感じが仕草や表情にも現れて周囲を安堵させた。
その結果は9月20日新南愛知カントリークラブで開催された「第50回・デサントレディース東海クラシック」で早くも実現した。大会最終日の22日、渋野は64(8アンダー)、通算13アンダーでLPGAツアー2位の史上に残る大逆転劇で優勝を果たした。20位タイから、1日で8打差をひっくり返すミラクルVだった。(史上1位は2002年の藤野オリエの11打差逆転)。この日最終組は(申ジエ、テレサ・ルー、イミニョン)という実力者トリオ、当然スコアを伸ばしてくるだろうと誰もが予測した。しかし渋野と最終組がホールアウトする迄の90分の間に17号台風の影響で状況が急変、風雨が強くなって最終組はスコアを伸ばせなくなった。このコースは私も3度チャレンジしたが知多半島先端に位置し海に近く、風が吹くと後半結構トリッキーなホールが残る。これが台風影響の少なかった早朝スタートの渋野に大きな幸運をもたらした。だがこれこそ「運も実力の内」という言葉を地で行く話、8アンダーと言うようなスコアは簡単に出せるものではない。
もう一つ何方かが触れて居られたように思うが、明らかに「タイガー現象」が生じていたという点である。小林浩美会長の喜びの談話にもある通り渋野効果でツアー来場者が大幅に増加し、その多くが彼女を見ようと一緒に移動し、彼女がバーデイや素晴らしいリカバリーショット・ショットを放つたびにゴルフ場全体に轟渡るような歓声が沸き上がり,それが雨風に難渋する最終組や上位陣の耳に響きわたっている様子がテレビ画面が明確に捉えていたのである。
タイガーウッズ全盛時代同じ光景がよく見られた。タイガーがゲーム後半猛チャージをかけ歓声が沸き上がり始めると、其れ迄順調にスコアを伸ばしていた選手が途端に勢いを無くし崩れ始めて自滅してしまうのである。
デサント最終日18番ホール、台湾の名手テレサ・ルーが3メートル前後のバーデイ・パットを入れれば渋野と同スコアで並びプレーオフになる所につけた。しかし結果は彼女にとって左程難しいと思えない処でスリーパットをしてしまい呆気ない幕切れとなってしまったのである。
今渋野は日本女子オープンで誰よりも多くの観衆と声援の中にいる。観衆の多くはたとえ優勝できなくても彼女の素敵なプレーを見て満足な一日を過ごすことになるのだろうと思う。
英国のゴルフ・フアンが次のように語っていたのを思い出す。「誰だって彼女を好きになってしまうよね。英語は話せないけど、笑顔がすべてを物語っている」 「日本のプリンセスが、その笑顔で世界を明るくさせた最も楽しい2019年のトーナメントだった」

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スマイリング・シンデレラ(渋野日向子)

2019年08月24日 | スポーツ

スマイリング・シンデレラ(渋野日向子)

ゴルフの全英女子オープンで、昨年7月プロテストに合格したばかり、プロほやほやの渋野日向子(20歳、RSK山陽放送所属)が1977年に全米女子プロで優勝した樋口久子さん以来42年ぶりとなる日本人史上2人目のメジャー制覇の快挙をやってのけた。
現在日本の女子プロゴルフは「黄金世代」や「プラチナ世代」と呼ばれる20歳前後の若手の活躍で大いに盛り上がっているが、この素地を作ったのは宮里藍である。
1998年韓国の「朴セリ」が全米女子オープンを史上最年少記録で優勝しその後も米ツアーで活躍、これが起爆剤となって韓国に一気にゴルフブームが起こって、『朴セリチルドレン』と呼ばれる有力選手を生み出した。今アメリカ・日本で活躍する韓国の女子プロ達は正にそのチルドレンなのである。
同様なことが日本でも起こりつつある。大活躍中の20歳前後の女子プロは異口同音に「宮里を尊敬している」「藍ちゃんに憧れて女子プロを目指した」と公言する。正に「宮里チルドレン、藍ちゃんチルドレン」そのものである。
このチルドレンが生まれる少し前頃からゴルフ界で中学生・宮里の名前が聞かれるようになっていたが、彼女が東北高校2年の時「ダイキンオーキッド・アマチュアゴルフ選手権」で優勝、「釜山アジア大会」で金メダルを獲得し、更にLPGAツアーの「フジサンケイレディスクラシック」で優勝争いに加わるなど(最終順位4位)、兄優作と共に俄然注目を集めた。高校3年生になると「日本女子アマチュアゴルフ選手権競技」で優勝したが、極め付きは東北高が所在する宮城県で開催された「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」で優勝、10月9日にプロ宣言をして、史上初の高校生プロゴルファーとなったことである。本格参戦となった2004年緒戦で優勝、年間5勝を挙げ獲得賞金が1億円を突破した。2005年2月第1回ワールドカップ女子ゴルフ(南アフリカ)大会に北田瑠衣とペアーで日本代表として出場し、韓国・アメリカ・オーストラリアなどの強豪国を抑えて劇的優勝、日本中を狂喜させた。
その後の内外での活躍は目を見張るものがあったが、何よりも彼女の大きな魅力は、その聡明さにもあるような気がする。彼女の卓越した発信力、ボキャブラリーの豊富さと理路整然としスポーツ選手らしいテキパキとした語り口に加え、彼女の言葉の端端に現れる相手に対する思いやりや、謙虚さがフアンを魅了し、低迷しかかっていた女子プロツアーの蘇生に大きく貢献したのである。その宮里が引退し,女子ゴルフ界の「盛り立て役後継者」として登場したのが「藍ちゃんチルドレン」であり、その中で彗星のごとく頭角を現したのが今年の全英を制した渋野日向子ということになる。
今年5月のツアー公式戦「サロンパスカップ」で初優勝、6月の試合終了 時点で年間獲得賞金ランキング3位に浮上し、運命を決める、8月の「AIG全英女子オープン」への出場権を獲得した。しかも7月には今年新設された「資生堂 アネッサ レディスオープン」の初代チャンピオンに名を残すおまけ迄つけ、彼女の持って生まれた運の強さを示すことになった。

全英女子オープンでの活躍ぶりは種々報じられているが,地元英国のBBCの報道を紹介すると「渋野日向子が初のメジャー(タイトル)を見事な勝利で獲得」との見出しを取り、「日本の渋野日向子が全英女子オープンでの驚愕の勝利をつかむために最終ホールでバーディーを奪った」と報じた。 記事は大激戦となった最終日の渋野の最終18番のプレーに注目。「17アンダーでプレーを先に終了したサラスがプレーオフの可能性を前にパットの練習をしている間、渋野は18番ホールのグリーンに向かい、フェアウェイの両サイドへ向けて手を振り笑顔を見せていた。初のメジャー大会出場。しかも、日本国外での大会出場が初めてだったというのに、ルーキー(の渋野)は、まったく緊張した様子も見せず、カップの後ろにぶつけ18フィート(約5.5メートル)のパットをしっかりと決めた」と伝えた。
 今大会中に旋風を巻き起こしていた渋野につけられた異名は「スマイリング・シンデレラ」。同記事は「先週、英国へ到着したときは、ほとんど誰にも知られていなかったが、3番ホールで4パットのダブルボギーの後でさえ絶やさなかった笑顔で多くの新しいファンをつかんだ」と、そのプレー姿勢を絶賛。「渋野は、ウォバーンでの1日目、2日目と2位だったが、土曜日に後半9ホールで首位に立ち、多くの関係者は日本のルーキー(の渋野)に注目し始め、もっと彼女を知りたがった」と、報道陣の注目度が日増しにアップしていたことを伝えた。
 さらに「彼女は、昨年7月にプロテストに合格、世界559位で今年を迎え、日本ツアーで2勝してランキングを上げてきた」と説明。「渋野がラウンド中やラウンド後にファンとハイタッチし、自撮りでポーズを撮るところを見るのはたやすいことだった。大会がクライマックスを迎えた17番と18番ホールでさえ、彼女はフェアウェイで、お菓子を食べ、キャディーと冗談を交わしていた」と、明るくプレーしていた様子をレポートした。
更に渋野はあらかじめ準備していた英語でのスピーチを読む間、いたずらっぽく笑みを見せていたと優勝スピーチの様子と、「リンクスコースだと思っていたが木々が立っているのを見て驚いた」という大会初日に渋野が残したユーモアあふれるコメントを好意的に紹介し、「ウォバーンに到着した際に世界44位だった彼女は、多くの新たなファンの獲得とともに、54万ポンド(約7000万円)の賞金を得てバッキンガムシャー州を離れる」と報じている。
BBCのウェブサイトでも、渋野に関する記事を複数掲載。その中で「感情のないポーカーフェイスでのプレーがはびこる時代に、彼女はゴルフ界が必要としているカリスマとキャラクターを備えている、ラウンド中にもファンとハイタッチを交わすなど、常に笑顔でプレーする様子は他の選手と違うし、観客を呼ぶ力を持っている。世界中のみんなが彼女のプレーを観たいと思うようになるだろう」と、人気アスリートに必要なプレー以外での魅力を絶賛している。
同じく英国の高級紙であるガーディアン紙も、「渋野は全英女子オープンのトロフィーを手にする前から(ファンの)心をつかんでいた。この大会前に、彼女が海外に出たのは、ゴルフとは関係のないタイ旅行の一度だけだったそうで、そんな20歳(の渋野)が、18フィート(約5.5メートル)のパットを沈めタイトルをつかんだ。彼女は、今年、最も愛される話題の1つを提供してくれた」と、そのキャラクターを含めて絶賛した。   さらに「『スマイリング・シンデレラ』のニックネームを持つ渋野は、その明るく攻める姿勢を4日間、貫いた。18アンダーまでスコアを伸ばした彼女のゴルフは、その姿勢の賜物だった」と称賛。「彼女は、戦いの最中、厳格な雰囲気を保つ、このスポーツの慣習とはかけ離れた様子で観客とハイタッチをして自らに敬意を向けるギャラリーに手を振って見せた」と、明るくプレーした異例の様子を伝えた。その上で、「それは今大会の最後のパットが決まる完璧な瞬間を作り出すための演出のようにも感じられた、と報じている。
一方アメリカでは専門メディア「ゴルフ.com」で記者が読者からの質問に答える企画を展開。渋野が楽しそうにプレーしていることについて問われると、同記者はこう答えている。
「ゴルフは楽しいものだ。シブノの喜びは人から人へと広がっていく。彼女のキビキビとしたプレーは素晴らしい。観客だけではなく、他のプロをインスパイアできればと思う。気難しいゴルフ選手たちは、もし態度や仕草がよりよくなれば、スコアも伴うということが分かるだろう」 プレーファーストの機運が高まるゴルフ界の中でも、際立った渋野のスピーディーなプレーについて高く評価し、ショットに時間をかけるベテラン選手たちも見習うべきだと指摘している。
渋野に向けられた数多くの賞賛の中で、この評価こそ本当にゴルフの楽しさを理解している人のものであり、我が意を得たりと最も共感出来るものであった。スポーツの楽しみ方には、「Playing、Watching、Reading」があると思うが、観戦するのはスポーツの持つ爽快感を味わいたいというのが根底にある。スピーデイーこそ爽快感の大きな要素の一つであり、特にゴルフの場合プレイする場合でも同伴者にストレスを与えぬためにもきびきびした行動が喜ばれることをゴルファーの多くがよく知っているのである。
アメリカNBCテレビの報道でもテレビ観戦者が133万人、視聴率が異常な高さに跳ね上がりゴルフの面白さを再認識したとの視聴者の声が多く寄せられていると報じている。

このように世界中のゴルフ愛好家の心を捉え魅了した渋野の魅力とは何だろうか。(新人らしいチャレンジングな姿勢)、(天真爛漫)、(気取らず・飾らずの自然体・等身大の振舞)、(全英でプレーし、その観客から歓迎されていることに対する喜びを率直に表す心の底からの笑顔)、彼女が日本で初優勝した時に私が感じたことを、イギリスやアメリカのゴルフ愛好家も感じ取って、その笑顔に引き込まれてしまったのである。

最後にTBSラジオ8月18日放送の「美輪明宏のバラ色の日曜日」で取り上げた美輪の渋野評は 「「笑顔こそこの世の交通手形」であることを渋野日向子さんの笑顔は証明した。笑顔の素敵な美人で、豊満で均整をとれた姿はミロのビーナス、マリリンモンローを彷彿とさせる。」と絶賛している。私も含めて男性の多くが彼女に魅了される理由の一つは美輪の指摘通りなのかもしれない。
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大谷Vsマー君

2018年04月30日 | スポーツ
大谷・マー君夢の対決、その日が近付いていると言うのに何とも気が晴れ無かったのはどうした事だろう。4打数Ⅰ安打位の双方無難な成績で終われば上々と思い描くこともあったが、何という天の配剤か(?)、前日大谷の軽い捻挫でこの対決は5月末ヤンキーズスタジアムでの対戦迄延期となった。

ヤンキース戦収穫も有った。 開幕投手を務めた本格派、ヤンキースのエース・セベリーノの内角への97マイル(約156キロ)を完璧に捉え右翼弾丸ライナーのホームラン、「とてもいい打者。もう内角には投げられない。脱帽だ」と素直に相手の能力を認めさせた。更にブーン監督や昨年のホームラン王,MVPではアストロズのアルツーべに次ぎ2位となったアーロン・ジャッジからも素晴らしいスイングとの賞賛を受けた。
辛口で知られヤンキースを袖にした大谷に厳しかったニューヨークのメディアも大興奮。ニューヨークで試合を中継したテレビ局「YESネットワーク」の解説も「100マイル(約161キロ)で投げて、100マイル(約161キロ)を超える打球を打つ」と絶賛した。
更に大谷のねん挫でベース改良論も出てきている。現在のベースは強化ゴムで厚すぎる為怪我をしやすい。この際安全なベースを作る事を検討すべきと言う名物アナウンサーの提言もありこれが実現すれば正に画期的な出来事である。

これ迄の大谷の成績も素晴らしい。レッドソックス戦はRoyals戦との登板予定が寒さと雪の為に中止となって登板間隔が空いたのとアメリカ全土のの異常寒波・異常乾燥で気候に慣れない大谷にとって不運な登板となった。
アストロズの試合は上々の滑り出しであったが5回の物議を醸す球審の誤審に泣いた。
先頭打者にフルカウントから渾身の98マイル(約158キロ)のど真ん中の低めの速球を球審はよもやのボール判定。エンゼルスのソーシア監督は顔を真っ赤にして監督に抗議をしていたが、ベテラン監督はボールの高さと受けたキャッチャーのミットの位置で殆どストライク・ボールが判ると言われている。更に元エンゼルスの名ピッチャーは球審にはボールが速すぎたと、皮肉たっぷりに誤審の指摘をしている。その直後に2ランを被弾する結果となり投手交代となってベンチに引き上げる際,球審がわざわざ大谷に大声でGood!(pitching)と叫び大谷も丁寧に答えていたが、球審の降板投手に対するこのような行動は異常で、矢張り引っかかる物があったのだろう。野球とはそういうものと言ってしまえば其れ迄だが惜しい事に勝利を一つ落としてしまった。
次回は5月4日(日本時間5日)から始まる敵地でのマリナーズ3連戦で登板することが決まった。
イチロウはマリナーズの外野陣が負傷から復帰出揃った為引退の声が高い。エンゼルス3連戦の最終日にあたる6日(同7日)にイチローを「1番・右翼」で先発起用し、7回表終了後に引退セレモニーを行ったらどうだと言う声まで出ている。日本では大谷との対決に期待の声が上がっているが、大谷に対し得意の当て逃げヒット、見たくないものの最たるものだ。

それにしても大谷効果は絶大である。MLB公式サイトによると、エンゼルスは4月21日時点でア・リーグ最高の集客数を誇っている。ホーム11試合終了時点で総観客数は42万7960人で第1位。シーズン序盤に悪天候で集客面の不利を受けたヤンキースは11試合で40万9573人を集めて2位。3位は12試合消化のレンジャーズが34万3778人で続いている。 平均入場者数でもエンゼルスはリーグトップに輝いている。1試合平均で3万8905人を誇り、2位につける昨季世界一アストロズの3万7289人を凌いでいる。3位はヤンキースの3万7234人だった。 エンゼルスタジアムの収容可能人員は4万5050人。大谷の登板試合はいずれも99パーセント以上という衝撃的な集客率を叩き出しており、背番号17の人気は爆発的だ。
気の早い話だがアメリカンリーグMVP候補のトップは大谷だ。オンラインブックメーカー(賭け/スポーツくじサイト)の『betdsiスポーツブックレビュー』は彼を有力と考えている。現在の野球ファンの中で大谷翔平のようなものを見たことがある人間はいない。 打者としてホームラン3本にSlash Line【打率/出塁率/塁打率(塁打数を打数で割ったもの)】 .389/.421/.889という記録を残しつつ投手として13イニングスで18もの三振を奪い試合を支配、それは過去100年の間誰も成し得なかった偉業だ。 アメリカンリーグMVPの現在の賭け金のリストは次のとおりとなっている。
Shohei Ohtani +150 Mike Trout +200 Jose Altuve(アストロズ) +500 Didi Gregorius +1000(NY)
Carlos Correa +1500 Aaron Judge +1800(NY) Francisco Lindor +1900 Giancarlo Stanton(NY) +2000
Josh Donaldson +2000 Mookie Betts +2000 Manny Machado +2000 J.D. Martinez +2500(Rソックス)
Robinson Cano +3000 Jose Ramirez +3000 Gary Sanchez +3000 George Springer +4000
二刀流のスーパースターに、世界的な経済誌フォーブスも「超新星の輝きは増すばかり」と脱帽、 ハンサムで好感が持てる。今は通訳を介して話をしているが、彼はアジアで間違いなくスターになると分析。そして、語学力の進歩次第では、アメリカでも絶大な存在になると予測している。






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大谷サン賛歌

2018年04月09日 | スポーツ
衝撃的な3試合連続本塁打に続いて7回途中迄あわや完全試合かと言う様な投球で2試合の勝利投手となった大谷サン、今朝の西海岸米紙電子版は大騒ぎとなった。

曰く***「オオタニは明らかにこの惑星由来ではない」 ***「悪魔の様なスプリット」
***「オータニのDNAテストをしよう。多分、人間じゃないと思う」

エンジェル(ス)と悪魔の登場…これは完全にヨハネの黙示録の世界、さすがアメリカはキリスト教の世界である。日本なら差し詰め「神懸かり」とでも表現するのだろうか。
アメリカのMLB放送は松井、田中のヤンキースの試合は欠かさず見ていたが、これからは大谷サン放送に釘付けになることは間違いない。

「しばらく野球を見ていなかったけれど、オータニの試合は全部見ようと思う」 「エンゼルスファンじゃないけれど、オータニの出る試合は欠かさず見ようと思う」 「エンゼルスの試合は全部、全国放送で流せばいいのに」
大谷の登場はアメリカの野球離れに歯止めをかけ観客を球場に引き戻す大きな契機になったようだ。
大谷がアメリカ人を引き付けたのは華々しいデビュウもさることながら高額契約金を求めて右往左往する選手とは真逆の行動や豪快なプレーと大きな体躯に似合わない無邪気さ・童顔のギャップ、何よりも身体全体からにじみ出る人柄の良さを見抜いたことによるのだと思う。

かっての張本やイチロウの野球を見てもスポーツが持つ爽快感、楽しさが全くない。集客力の低迷するマリーンズの経営に乗り出したジーターが先ず元同僚のイチロウをバッサリ切ったのは彼の性格、野球スタイルに共感できなかったのだろうと思う。

アメリカのメデイアは少しスランプに陥ると手厳しいが爽快な野球を蘇らせる為にも大谷にはぜひアメリカで成功してほしいと思う。
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