雨あがりのペイブメント

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能登半島地震 (6) 2次避難

2024-02-17 06:30:00 | ことばのちから

 能登半島地震 (6) 2次避難
  2次避難 新幹線延伸で迫る退去
   来月16日開業 被災者に戸惑い
    観光地の宿泊施設 期限延長できず
              (朝日新聞2024.02.10社会面)

  能登半島地震の被災者たちが2次避難先のホテルや旅館から出るよう決断を迫られている。
  背景にあるのは、3月16日の
北陸新幹線の開業があるからだ。
 それに加えて3月から4月ゴールデンウィークを直前までを対象に、
 『北陸応援割』が始まることも影響している。
  応援割は石川、福井、富山、新潟の4県全域を対象範囲とするが、開始日決まっていない。
 観光庁は「各県の状況を踏まえて検討する」としている。
 しかも、開始時に予約済みの分が対象になるかも未定である。
 東日本大震災の時には、「いったん予約を取り消して、すぐに予約を入れなおす」
 というような措置がとられた。
  「いつまでも自粛しているわけにはいかない。支援が起爆剤となってムードが変わればうれしい」
                           (富山県宇奈月温泉旅館協同組合代表者)
  一日でも早く、観光地としての賑わいを取り戻したい。これが観光被災地の願いでもある。
 石川県では「コロナ禍から立ち直り、借金を返すメドがついてきたのに、温泉旅館はほぼ9割キャンセル
 だ」(石川県議)。

  地域により被災の状況はそれぞれ異なり、復興に対する考え方も異なる。
 「地域の実情に応じて、生活再建と観光を同時並行で進めることが重要」とはなす。

  石川県旅行業協会発表キャンセル被害状況
   1月25日現在、宿泊予約の取り消しはのべ約2万5千人、金額に換算すると5億8千万円分になり、
  概算ではすでに10億円分を超えている。
 
 主な観光拠点の宿泊施設の状況 (朝日新聞記事から引用)
  石川県  和倉温泉  組合加盟の全22県が休業中
       金沢市内  一部休業があるが、ほぼ通常営業(市観光政策課)
       加賀温泉郷 ほぼ通常営業(加賀市観光交流機構) 
  富山県  富山市内  一部休業であるが、ほぼすべて通常営業(市観光協会)
       宇奈月温泉 通常営業(温泉旅館協同組合)
  福井県  芦原温泉  同温泉旅館協同組合の全15軒は通常営業

                  石川県では2次避難の機嫌を2月から3月末までとしているが、
                3月16日の北陸新幹線の開業や北陸応援割の支援が始まるから
               といつて出ていってほしいという身勝手はどうしたものか。

   2次避難所を担当する石川県観光戦略推進部は「基本的には、
   1人1日1万円の範囲内で3食つけて宿泊を提供してください、
   とお願いしていると話す
    だが、実際には2次避難斡旋に、業者に委託している場合もあり、
    県のホームページには、
   「滞在費用は無料です(食事の提供については、施設によって取り扱いが異なります)」
   と書かれている。また、自己負担となるものとして「売店での買い物、洗濯機の利用代、
   ご提供する食事以外の食事、お酒類、電話代、 駐車場代(有料の場合)など」を挙げている。
    食事付きに空きがなく、食事なしの施設を案内された場合の食費が自己負担となるのは
   「仕方がない」という。駐車場代に関しては「災害救助法の対象外なので」と説明した。

    二次避難の提供も、地方自治体によって異なっている。
   例えば富山県黒部市の2次避難を生活ニュースコモンの阿久沢悦子氏は次のように記事にしている。

   富山県黒部市は宇名月温泉旅館協同組合と調整の上、3食付きで2次避難を引き受けた。
  さらに、2次避難中に市が家財を用意して、市営住宅への入居準備を進め、
  市営住宅の水光熱費も入居後1年間は「避難中」とみなして無料にする、
  という手厚い支援パッケージを発表している。
  
   斡旋業者に二次避難の選定を丸投げしてしまうのか、地域に根差した自治体がきめ細かく、
  2次避難提供者とき詰めの話をするのでは、結果に差が出てくる。
  被災者の立場に立ち、被災者が何を望んでいるのか、施策の目的を最大限活用できるように、
  そして、被災者たちの自己負担ができるだけ少なくなるように調整するのが自治体の役目と
  思います。

   能登半島地震で、政府は2次避難の利用額の基準を1日7000円から1万円に引き上げが、
  なにがなんでも一万円以内に収めるということではない、自治体によっては食費に自己負
  担が生じないように差額を負担しているところもある。利用額の規定を超えた場合、
  いくらまでだったらいいのか、煩雑な問題も出てくるからと言って、紋切り型に1万円以上は
  しこ負担と言うのも、情がない。

最後に2次避難の具体的な例をいくつか紹介します。
二次避難所は一時避難所での生活が困難な方のために開設されます。

 1.災害時の避難所から一時的にホテルへの避難:
  被災地の一次避難所で過ごしていた住民が、避難所の状況や生活環境の制約から、
 ホテルや旅館などの宿泊施設に移動することがあります。
 これは、より快適な環境で過ごすための措置です。

 2.避難所から親戚や友人の家への避難:
  一次避難所で過ごしていた住民が、自宅に戻れない状況である場合、
 親戚や友人の家に避難することがあります。
 これは、避難所での生活が長期化したり、避難所の混雑を緩和するための手段です。

 3.福祉避難所への避難:
  福祉避難所は、高齢者や障害者、妊娠中の女性など、
 特定のニーズを持つ人々のために設けられた避難所です。

 

【能登半島珠洲市 伝統産業を詠う】

おにぎりに静かにしみ込む珠洲の塩鈍色の海の味をかみしむ 
     
 … 唐崎安子  (朝日歌壇)
                                                          

 
能登半島沖の日本海は暖流と寒流が混ざり合うポイントで、能登の海には多くの種類豊富なミネラルが含まれます。
珠洲の塩は海水100%で作った塩です。江戸時代は加賀前田家の「塩手米制度」により、奥能登では塩づくりが発展・発達しました。塩の製法にこだわり、奥能登の綺麗な海から塩を製造しています。
                                     (能登観光課ホームページ)
 製造方法には「揚げ浜式」「流下式」「平釜式」の三種類があり、写真は500年前から続く「揚げ浜式製塩」だが、現在これを継承しているのは一軒だと言われている。

 (ことばのちから№6)         (2024.2.16記)


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