穴にハマったアリスたち

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(第13話)ひろがるスカイ!プリキュア「届けて!はじめてのおくりもの」感想

2023年04月30日 | ひろがるスカイ!プリキュア
■(第13話)ひろがるスカイ!プリキュア「届けて!はじめてのおくりもの」感想


(「ひろがるスカイ!プリキュア」第13話より)

カバトンを退けて一安心していたら、スカイランドへのゲートも完成しました。これで帰れる。ひろプリ完。

実際のところ、物語が終わっています。
アンダーグ帝国とやらは詳細不明。ソラさんたちは帝国を滅ぼすつもりはないので、「まぁ困った人たちも居るよね」でしかありません。
歴代シリーズと違い、スカイランドは健在ですから、王国に戻ればエルちゃんの護衛は多数います。
これまた歴代シリーズと違い、エルちゃんは不思議生物ではなくご両親も普通にいますから、引き渡さない方が変。

敵の目的は「人類の生み出す不幸」とかではないので、エルちゃんを安全な王城に戻せばソラシド市は無関係。
こちらの目的も「ハーティエルを集めて何かを復活」とかでなく、エルちゃんの身の安全のみ。王城に戻してガチガチの警備をしいて貰えばお役御免です。

おまけに、ましろさんは学校があるのでスカイランドに長居はしない。

終わった。ソラさんの短い戦いが、本日めでたく終わりを迎えました。

ぐずぐず長引かせても良いことはないので、あげはさんも呼んでお別れ会を開催。
幻となった四人目とかバタフライさんのことは忘れよう。そんな人はいなかったのだ。戦いが無事に終わったんだから、それで良し。

旅立ちの前に、エルちゃんのファーストシューズでゴタゴタはあったものの、敵が襲ってくるでもなく、平和に時間は過ぎていく。
お別れの悲しさを知るあげはさんのきめ細やかな「ぐがー!」や、たまたま知り合った女性の見送りを経て、ソラさんとましろさんも別れに向き合う。
終わった。ひろプリが、綺麗に終わってしまった。

「ファーストシューズ」は少々強引なエピソードだったとは思います。
靴はサイズの問題があるし、海外への旅立ちの直前に靴を貰っても、かさばって正直しんどい。というか普通に考えて、日本にいる間に靴を買ってますよね。

ですが込めた意味としては分かる気がする。
プリキュアさんは、小さな子供の第一歩を導く存在。入園入学、あるいは就職や困難に直面した時。最初の一歩を歩む手段を得ることの、ささやかなお手伝いをしてくれる。

戦いのために身に着けたプリキュア能力を転用するのも良いです。
言うなれば、就職して「●●」職という肩書を手に入れ、資格や専門知識も得た。そしてそれらを、会社とは別の私生活で役立てることができた。
「●●」職になること自体が夢ではなく、その職で行える何かをしたかったから目指したのだから、私生活で活用できたなら真に夢が叶ったと言えます。
ソラさんは期せずして、憧れていたヒーローに名実ともになれた。

先ほどのファーストシューズにも通じます。ソラさんがヒーローとして歩むための最初の一歩を手助けしたのは「プリキュア」能力だった。

うむ、見事に綺麗に終わってしまった。ひろプリ、完。

次回はスカイランド観光回のようです。順調にいくなら、王城に行ってエルちゃんを引き渡し、幾ばくかの褒賞を貰って城下町で豪遊、そしてさようならです。
予告を見るに、ソラさんがヒーローを目指すきっかけになった憧れの人とも再会する模様。コネと実績ができましたから、望めば王国騎士団?なのか何なのかに入団も出来そうです。良かったですね。

…本当にこれで終わってしまいかねないので、次回は新幹部がゲートを破壊して、ましろさんが戻れなくなるとかでしょうか。ソラさんと立場が入れ替わり。
そんなことしたら四人目の登場がますます絶望的になるのですけど、助っ人とかで来るとか?
7月1日の20周年ライブではバタフライさんも出番があるでしょうから、あと数話以内では登場すると思うのですが、現段階では必然性の欠片もなし。どうするんだろう?

ここに至るまでが妙に丁寧に丁寧に描いている上に、ひとまずは各人の悩み的なものも解決してしまっていますから、これから大きなどんでん返し的なものがあるのかも。
ソラシド市での学校描写が異様に少ないのも気になります。全く描かないならまだしも、わざわざ転入イベントをやっている。
記念シリーズのハピネスやハグプリと比べて(他のシリーズと比べても)こじんまりとした戦いをしているのも奇妙。だって赤ちゃんを送り届けたら終わってしまう。

物語は高速で前に進み、一旦の終わりを迎えてすらいるのに、妙な気分です。戻った矢先に王国壊滅、ヒーローとは?と悩みながら決死の逃避行のような急転直下が仕込まれていてもおかしくなさそう。

まぁ一番なさそうでありそうなサプライズは、「プリキュアシリーズ完結」とかですけれど。
いまだ明らかにならない「プリキュアオールスターズF」の「F」の意味といい、オトナプリキュアのような新機軸の展開といい、周辺が騒がしすぎます。20周年の全容が全く分からなくてかなり怖い。
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「たからもの」(ドキドキ!プリキュア ):プリキュアソング感想

2023年04月26日 | プリキュアソング
●たからもの
ドキプリ映画の挿入歌。
歌いだしの「あなたのいない未来はつらい」には、ドキプリのテーマが一文に集約されてます。

幸せの王子は町の人たちを救うためにツバメを犠牲にした。
家族を優先して、王女様はトランプ王国の国民を切り捨てた。
映画で描かれた「結婚」も、誰か一人を選んで他を捨てる行為。
幼少のマナさんはお祖母ちゃんの元に走り、結果的に大好きなマシュマロが死んだ。
ラストバトルにおいても、マナさんは他の面々を犠牲にしながら先に進んだ。

このお歌が「切り捨てた側(王子)」「切り捨てられた側(ツバメ)」のどちらから歌ったものかは分からない。
マナ・六花・ありすの3人で歌っていますから、おそらくは両方の意味を持たせてると思う。どちらの側から見ても切なすぎる。

[引用]
『「あなたのいない未来はつらい」 さみしくて目を閉じれば思い出があふれだす』
『「あなたのために何ができるの?」 青空を見上げながらそっとぬぐった涙』
[引用終]

別れは当然つらい。願いを叶えるための犠牲なんだから尚のこと。
それでも選ばないわけにはいかない。だから「つらい」。もう、そうとしか言えない。

OPにも「君を信じる。ために戦う」とあるように、信じる。
「信じる。ために戦う」は、間を「。」で区切っていますから、「信じるからこそ戦う」「信じたいから戦う」の二重の意味があると思う。
ツバメは王子を憎まない。王子は憎いからツバメを捨てたのでもない。
お互いに信じる。だから選択する、そのために選択する。

(付け加えるなら、ここでの「信じる」には「街の人たち」も含まれていると思う。
幸せの王子から宝石を受け取った人々が、自力で立ち上がり助けに来てくれるなら、ツバメは犠牲にならずに済みます。
ラストバトルでは実際に街の人たちが奮起してくれて、救われている。

マナさんは特徴的に後輩の育成をしない方でした(王子は宝石を配るような直接的な助けはするが、自立支援はしない)。
今まさに危機に直面しているときに必要なのは直接支援であって、自立なんて呑気なことはしていられないからですが、その体制に限界が来る前に人々が立ち上がってくれるかは賭けです。信じるしかない)

15周年ライブでは、マナ役の生天目さん一人で「たからもの」を歌われていました。元は3人で歌う曲で、故にソロで歌うと卑怯なまでに完成されきってます。今ここに、六花やありすはいない。そして歌われる「あなたのいない未来はつらい」。

20周年ライブでは、まこぴーの「こころをこめて」の方が採用されそうですけど、叶うならまた聴きたい…のだけど、「片方しか採用されない」のもまたこのお歌の精神に沿ってて良いな。
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(第12話)ひろがるスカイ!プリキュア「ツエェェェ!キュアスカイ対カバトン!!」感想

2023年04月23日 | ひろがるスカイ!プリキュア
■(第12話)ひろがるスカイ!プリキュア「ツエェェェ!キュアスカイ対カバトン!!」感想


(「ひろがるスカイ!プリキュア」第12話より)

ソラさんが夢にまで見たであろうシチュエーション「子供を守り、仲間に応援されながら、特訓の成果を発揮して悪を一人で倒す」が遂に実現…!

おそらくは彼女が第1話でやりたかったのは、こういう展開だろうと思う。そして今回この戦いができたのは、「毎日黙々と特訓」「一人で倒す」のこだわりを捨て、幅が広がったから。ヒーロー以外のことをしていたから、ヒーローとして戦えるようになる不思議。

以前の彼女なら、約束を違えて不意打ちしてきたカバトンや、それから守るために戦ったプリズムさんらを見て、「私が油断したせいで危険に晒した」とネガティブになりそう。
しかしながら今の彼女は違う。己のやるべきことをやり、任せるところは信頼して任す。その心の広がりが、カバトンを救う視野にもつながったと思われます。

一方のカバトンは、最後の最後まで一人でした。
おでん屋で愚痴る横を通り過ぎるソラさん達の図は、かつてソラさんが経験した「一人で訓練してる横を同世代が楽しく横切る」に近しいものがあります。

アンダーグ帝国はとことん放置国家のようで、使い捨ての怪物化とかすらしてきません。次の幹部が自己紹介がてら制裁にやってきたりもしない。
ある意味、ナイトメアやクライアスよりもリアルなブラック企業。直接的に追い込んで責任を取らせてくるのも辛いが、関心ゼロで放置も辛い。
ここまで極端に正体不明な集団となると、テーマに何か関連していそう。

数少ない情報として、カバトンの言葉によればアンダーグは激しい競争社会のようで。
ソラさんも以前はそちら寄りで、遊んだりするよりも鍛錬を優先していた。

実社会でいうなら、新社会人になり、休日返上で残業したり自己啓発に励んでいるようなものです。
確かにそれはそれで大事な一面もあるにはありますが、今の社会では通用しづらい。

仮にソラさんがその路線のままだったら、移動手段がないので山に行くことすら困難で、滝行やらリスに教えを乞うたりもしなかったでしょう。
しかもソラさんは以前からそういうのが嫌いだったわけでもないはず。むしろ憧れてはいたのに、選択肢になかったというか。

カバトンの巨大化は、ソラさんでいえばプリキュアに変身するようなもの。
今まで使わなかったのは、体への負担等々以外に、チート(巨大化、プリキュア)を使わずに自分の力で勝ちたかったのかもしれない。
「ソラがTUEEEEのは、プリキュアという卑怯な手段を使っているから」。だけどこちらも変化を使ったのに、やはり負けた。
チートを使ってるから強いのではないし、チートだからと忌避していても使いこなせない。

「プリキュアを前向きに捨てるシリーズなのかな」とも思っていたのですけど、「憧れから卒業して、プリキュアを手段として使いこなす」みたいなニュアンスかもしれない。無理に新社会人で例えるなら、福利厚生やら会社設備やら、使えるものは正当に積極的に使おうみたいな。

ただカバトンは、それをしたくても許されない職場環境だったわけで、仮に巨大化を最初から使っていたとしても、それを前提にコキ使われたはず。
ツバサ君も故郷で頑張り続けても行き詰ったでしょうし、当人の努力だけでなく周囲の環境もテーマの視野に入ってるのかもしれない。

次回は新しい幹部が登場する…と思うのだけど、次回予告では全く触れられず。
どういうタイプかで今後の方向性がかなり分かりそうです。

ソラさんがヒーローとして振舞えたのは、カバトンがシンプルに分かりやすい悪役だったからともいえます。
ビョーゲンズやノットレイダーのような、敵側には敵側なりの道理がある場合、今の彼女のキャパだとフリーズしてしまいそう。
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「2018年の謎(ジョージの最優先は野乃はなではない説)」: HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察

2023年04月20日 | ハグプリ最終回考察
「なぜジョージは2018年で時間を止めようとしたのか」という基本に立ち返ってみる。
※ハグプリの物語が2018年である保証はないのですが、ここでは2018年だとして進めます。


(「HUGっと!プリキュア」8話より)

【疑問】
トゥモローを追いかけてクライアスがやってきて、2018年で戦いが始まった…のには幾つか奇妙な謎があります。

●疑問1「なぜ2043年で時間を止めなかったのか」
トゥモローが過去に逃げたのなら、放置してそのまま2043年で時間を止めればよいです。

当初こそミライクリスタル反転方式による時間停止を試みていましたが、他の方法でも彼らは時間停止が可能です。
世界の真相がどうであれ、ジョージ達は「未来は変わらない」と確信しているので、トゥモローが過去で何をしようが現在の彼らには影響なし。
わざわざ追いかける必要がありません。

最も単純で否定できない確実な解答としては、「理由は分からないが歴史がそうなっていたから」と思われます。
ジョージ達は2018年に何があったかを知り得ますから、「2018年にクライアスとの戦いがあった」ことは把握できます。
なぜクライアスが2018年を戦場に選んだのかは分からないが、とにかく歴史がそうなっているのだから、漫然とそれに従った。
「未来は変わらない」と確信しているのだから、抗う道理がないです。

ただこれは深刻な問題をはらんでいます。
ジョージは過去の戦いを知っていて、しかも今の自分が時間停止していないことを知っている。
ということは、2018年の戦いは敗北すると初めから分かっています。

2043年で時間を止めることを選んでいれば、勝敗はまだ分からない。
2018年で時間を止めることを選ぶと、確実に負ける。

この条件下でそれでも2018年を何故選んだのか。

●疑問2「なぜ人生最良の日を選ばなかったのか」
ジョージが2043年以外を選ぶとしたらいつだろうか?

ジョージにとって最重要は野乃はな(仮)です。
※以降は、野乃はながジョージの妻だとの前提で進めます。

普通に一般的な感覚でいえば、野乃さんが最も幸せだった瞬間を選ぶと思います。
そして普通に一般的な感覚でいえば、「妻の人生最良の日を選べ」と言われたら、結婚式・子供や孫の誕生直後・入学式/卒業式/旅行などの家族イベントではないでしょうか(妻本人は違う回答をするかもしれませんが、夫が選ぶとしたら)。

ジョージは2018年にタイムトラベルしていますから、ぼんやり待ってれば2030年なども停止の瞬間に選べます。
彼は「プリキュアとして戦うこと」も「野乃はなにとっては不幸」だと捉えていましたから、さっさと戦いを放棄して待てばよい。

他シリーズのボスと違い、時間制限はない(少なくとも2030年までは野乃さんは生存している)し、待つ積極的な理由もある。それなのにジョージが選んだのは2018年です。
この年が野乃さんにとって人生最良かといえば、かなり疑問です。

(1)プリキュアになった
(2)親友と出会えた
(3)ジョージと初対面

等が挙げられますが、(1)は戦わない方が幸せ。(2)は言い換えれば「直前までは友人がいなかった」のですから、これから「最良」は始まります。
(3)に至っては歪んでいるとしか思えない…。ジョージはそういう思考をしそうではありますけど。

【仮説】
手探りで考えてみる。

●仮説1「ジョージは時間を止めるつもりはなかった」
負けが確定していると知ったまま、流れに任せるがままに2018年で戦った。
彼は「何もしない男」「見ているだけ」と評されていますから、身も蓋もないですがこれで説明はできます。

そしていざ負けた後。負けると分かってはいても、実際に経験するのはやはり違う。「何もしない見ているだけの男」も心が動き、野乃さんとの最後のやりとりに至った…のかもしれない。(参考:「ジョージの別れと再会」

●仮説2「時間停止に意味がないと知っていた」
仮説1の発展形。

仮に停止に成功しても、膨大な時の果てには再び時間は動き出します。時が止まっているのに「時の果て」があるかは別として。

2043年にジョージ達が動き回れることは、時間停止に失敗した証拠にはなりません。
逆に言えば、勝っても負けても結果は同じです。野乃さんの戦いは、実のところ無意味とすら言える。
(参考:「停止した時の果て」

戦いが無意味なら、いつの時代を選ぶかに拘る意味もない。
だからジョージは虚無的に2018年を流されるがままに選んだ。

●仮説3「ジョージの最優先は野乃はなではない」
2018年に何の意味があるかといえば、「トゥモローが逃げ込んだ先」が考えられます。

もしもジョージにとって重要なのが、野乃さんではなく、娘のはぐたんの方だったとすれば、追いかけるのは理解できます。
2043年で停止したとしても結果は同じかもしれませんが、同じ時間帯で止めたいのは心情としては分かる。

はぐたんの成長を待たなかったのは、「成長すると不幸になる」と考えたからでしょう。
「はぐたんには不治の病があり、成長すると発病する」といった具体的な害があったのか、「成長すると嫌なこともいっぱいあるよ。何も考えないでいい赤ちゃんの時が一番幸せ」のような抽象的なことなのかは分かりません。どちらもありえそうには思います。

「赤ちゃんが最良」であるなら2030年でも良いはずですが、2018年を選んだのは「人生最良の時は今この瞬間である」と認識していたから。
先ほどの「最良の時を選べと言われたらいつか?」の質問は、「結婚式」等以外に「今この瞬間が一番幸せだよ」もよくある回答だと思います。ジョージに似合わないですけど。

ジョージの主観でいえば「今この瞬間」とは、2043年のトゥモローから地続きの、2018年にいるはぐたんです。だから2030年ではなく、2018年を選んだ。

・赤ちゃん時代が一番幸せ
・生き抜いてきた今この瞬間が一番幸せ

この両立しなさそうな二つを、「若返ったトゥモロー」は満たします。奇跡的に条件が揃った。だから2018年が戦いの舞台になった。

物語としては発展性はあるようには思えます。深堀してみたら面白いかもしれない。
ただジョージは明らかに、はぐたんではなく野乃さんに執着していますから、肝心要の本編の描写と齟齬があるのが残念。
野乃さんの遺言で娘を頼まれたから…といった経緯なら、「はぐたんに興味はないが、はぐたん基準で時間を止める」としても矛盾はないかな。

●仮説4「2023年に何かが起きる」
ジョージにとって最悪の何かは、2030年以降ではなくもっと早く起きた。
時間の猶予がない。だから2018年での停止を急いだ。

その「何か」が起きるのは2019年とかでも良いのですが、ちょうど今20周年をやっていますし、2023年だと仮定しよう。
つまりは「プリキュアオールスターズf」で破滅的な何かが起きる。ジョージはこれを避けたかった。

そんな未来が来ないことは祈りつつ、もしも「プリキュアシリーズ完結」などが発表されたら、「ジョージが言っていた絶望はこのことだ」と決めつけよう。

【結論】
結論といっても決定的な根拠はないので、投げっぱなしです。
ジョージをどんな人物と捉えるかで、「仮説1か2」「仮説3」のどちらなのかは分かれそう。「仮説4」は起きないことを願う。

パラレルワールドを導入してもっと複雑な仮説にすれば、もしかしたら発見があるかもしれない。

【参考】
●HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)
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(第11話)ひろがるスカイ!プリキュア「気まずい二人!?ツバサとあげは」感想

2023年04月16日 | ひろがるスカイ!プリキュア
■(第11話)ひろがるスカイ!プリキュア「気まずい二人!?ツバサとあげは」感想


(「ひろがるスカイ!プリキュア」第11話より)

ツバサくん、大人のお姉さんに弄ばれる。

成人女性かつ自動車免許保有という、ある意味スカイランド人より異世界の住人のあげはさんに連れられて、一行は山へ。
何で唐突に山なのか?は特には説明はありませんでしたが、免許取りたてのあげはさんがドライブをしたかったんでしょう。初心者マークが眩しく光る。

こういうところ、絶妙に初々しさがあってときめきます。少年から見れば大人のお姉さんでも、客観的に見るとそうでもない。

ケチをつけるつもりは一切なく、意図した演出でもないとは思うのですけど、「山にドライブ」のミスチョイスぶりも良いです。
おそらくは1歳未満のエルちゃんを連れていくには、かなり不適当。自分の子ならまだしも、預かってる子ですから一般には避けるはず。
また、チャイルドシートの乗り方も多分間違っています。1歳過ぎてしばらくまでは、進行方向の逆向きに乗せます。

「エルちゃんは1歳過ぎている」「使っているチャイルドシートの規格では問題なかった」等々もありえるし、そもそも拘るようなところでもないので作劇を優先したとしても悪くはないのですが、あげはさんは保育士を志望しています。そのため、先ほどのドライブのお誘いと同じく、「劇中人物からは大人として扱われているが、客観的には初々しい(幼い、未熟)」描写に一役買っています。
この感覚、中高年なら分かってもらえるんじゃなかろうか。

【追記】
コメントでご指摘いただきました。
第1話でエルちゃんはお誕生日を迎えてました。

一応細かい話をすると、メーカー推奨値は1歳3ヶ月〜1歳6ヶ月ごろまでは後ろ向き。体重の指標に準ずるなら1歳8ヶ月頃まで。
エルちゃんは1歳直後だとすれば、いずれにせよ前向きでの使用はやや早いです。
【追記終】

思えば以前も「最強の保育士を目指す」というよく分からない発言をなされていました。「何かがズレている」のはもしかして仕込みなのかもしれない。

今回の話も、保育士を目指しているにしては「子供」の目線とあっていません。
先回りして答えを教えたり、自尊心を傷つけるのはタブーだ。
振り回される少年の図からは、何か癒されるものを感じるのですけど、同時に不穏な何かを感じます。何者なんだ、あげはさん。

山登りはどのルートをいっても同じ場所にたどり着く。
アスレチックをしてもしなくても、ロープウェイを使っても使わなくても、のんびりコースも過激なコースも、自分で答えを考えても考えなくても、すべて同じところに行きつく。

繰り返し繰り返し強調されたからには、意図があると思う。「プリキュア」能力に目覚めなくてもソラはヒーローになっていた、とか?「ヒーローが助けなくても解決する」=「あえて手を出さず見守るのも大事だ」とか?
OPにも「凸凹道でも歩く意味はきっとある」と歌われていますので、これらの点でいえばカバトンは改心エンドを迎えられそう。

「言わないのは信じているから」は、プリキュア的にはちょっと意外でした。
ハトプリのマリンさんを初めとして「言わなきゃ分からない」「だから言おう」がこれまでのセオリーでした。
「今回は話の流れ上たまたまそうなっただけ」「あげはさんの成長ポイント」「違う切り口を描こうとしている」のどれかしら。

あげはさんは大人ですから、これまでとは視点が違ったとしても違和感はないです。
「言わなければ分からない」は対等な立場での話であって、大人と赤ちゃんなら「言わなくても察する」が求められます。
ただ逆ですね。あげはさん(大人)が少年(子供)の心を察するのではなく、あげはさんが察してもらう側です。まぁ大人が子供に、意図をくどくどと説明はしないといえばそうなので、おかしくはないのか。

「ツバサくんを大人扱いして信頼しているからだ」であれば、「少年」呼びを続けたのは奇妙と言えば奇妙。実は年下の男の子との接し方が分からず、テンパってたのかもしれない。

あげはさんの内心がまだ描かれていないので、第一印象とは違った一面があったりするのかもしれない。
コメント (2)
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「こころをこめて」(ドキドキ!プリキュア ):プリキュアソング感想

2023年04月10日 | プリキュアソング
プリキュア楽曲総選挙(2023年4月7日~5月7日)の「泣けちゃう曲」に投票してるので、応援を兼ねて。

●こころをこめて
キュアソードことまこぴーのシングル曲。ドキプリ40話挿入歌。

レジーナ様が強襲、捉えられて大ピンチ…という状況下。
相手はプリキュア三種の神器・ミラクルドラゴングレイブとかいう、いかにもな強武器を構えるレジーナ。単体でも強い上に、更にはお供に幹部やジコチューも従えての猛攻撃です。

それに対するまこぴー。彼女の取った選択は変身解除。
身にまとうはお子様から公募したドレス。歌うのはプリキュア黎明期から支えてくれている佳那子お姉さん。謎生物から渡される初期玩具のヘッドセット。単純な武力とはまるで異なる、だけど明らかに「強い」布陣。
はっきり言ってこの状況で、まこぴーが歌いながら接近してくるのは恐怖しかない。ミラクルドラゴングレイブが何だというのか。抗える気がまるでしない。

想いを伝える手段は数あれど、「遠くに」「複数に」「拒まれても」となったらお歌は最適です。
視覚は目を閉じれば、味覚は口を閉じれば、臭覚は息を止めれば、触角は避ければ無効化できる。
しかしながらお歌は自発的には遮断できない。両手で耳を塞いだら、武器を手放すも同義です。

しかも全方位に響き渡る。まこぴーのお歌の背景で乱戦しているプリキュアさん達が実に美しいです。
お歌は敵味方の区別なく、一斉に降りかかる。信じる人に勇気を、拒む人に迷いを。
そしてお歌は一緒に参加できる。演出上は「後ろでバトル」ですが、意味合いとしては「合唱」と言ってもいい。お歌は絵や料理と違い、後からでも自由に参加できる。

【歌詞引用】
『こころをこめて わたしは唄おう 声を届けたい はるか彼方まで』
『あの日のように希望灯す フレーズを羽ばたかせて』

『こころをこめて 一緒に唄おう こんなに広い世界の片隅』
『あふれだした涙さえも いつの日か輝かせて』

『小鳥さえずる 春のそよ風 潮騒はこぶ 夏の太陽も』
『瞳の奥映しながら 愛しさをずっと伝えてゆこう』
【引用終】

まこぴーは王女様に気づいてもらうために、アイドルになった。
このお歌も、直接的には王女様に捧げるお歌。だけど王女様はとっくの昔に他界されている。

まこぴーの願いは届かない。大事な人は実は既にそこにいない。それでも唄う。
その結果、全く思いもよらぬことではありましたが、王女様の分身たるレジーナに届いた。

ドキプリはマナさんが揶揄されたように「幸せな王子」がモチーフと思われます。
王子は街の人を守るために、ツバメを切り捨てた。
では、王子は自己中だったのか。ツバメは王子を憎んだのか。

王女様がキングジコチューを撃破していれば、トランプ王国は陥落せず、こんな戦いは起きなかった。
ジコチューに囲まれ、孤軍奮闘しながら必死に生き延び、王女様の捜索を続けていたソードからすれば、恨んでも無理はない。
でも後にソードさんはきっぱりと断言なさる。愛に罪はない。

このお歌からも、まこぴーの覚悟が伝わってきます。
ただただ唄う。思いが伝わると願って。伝わって何をどうして欲しいのでもない。ただここに私が居て、あなたを想っていることを伝えたい。
恨んではいない。あなたは自己中ではない。ただそれを伝えるために、かつてのあの楽しかった日々を思い浮かべ、明日はそれよりも良くなると願って唄う。

しばしば「ポンコツ」とも揶揄されるまこぴーですが、これぞ王国の誇る歌姫にして伝説の戦士の真骨頂。このための宮本佳那子さん。マナさん達の唄う「たからもの」と共に、ドキプリのテーマを象徴する凄まじいお歌だと思う。
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(第10話)ひろがるスカイ!プリキュア「むむむ!思い出の料理ってどんな味!?」感想

2023年04月09日 | ひろがるスカイ!プリキュア
■(第10話)ひろがるスカイ!プリキュア「むむむ!思い出の料理ってどんな味!?」感想


(「ひろがるスカイ!プリキュア」第10話より)

3人目の正式加入でOPやアイキャッチも更新。スカイさんはこういうポーズさせると魅力増し増しだと思う。

その3人目ことツバサくんのプリキュア歓迎会をすることになり、彼の思い出の料理・ヤーキターイを作ることに。
作り方はすぐに判明、材料も判明。但しスカイランド産の小麦もどきや小豆もどきがいるらしい。
ではそれらを探しに行こう!となるかと思いきや、似たもので代用しよう!の方向に。

とりあえず鯛焼きに似ているのでその製法で作ってみる。当然、何かが違う。
次に様々な材料で作ってみて、味を試行錯誤。
結局ヤーキターイそのものはできなかったけど、ツバサくんが欲していたのはヤーキターイそのものではなく、それを食べた時の温かい雰囲気。
だから3人でわいわい楽しくやったことで、とても楽しい会になった。

これはソラさんの「ヒーロー」、ツバサくんの「空を飛ぶ」にも当てはまります。
幼少のころから努力をして、ヒーローや自力飛行に憧れた。だけど実際には力及ばず、プリキュアという一種のチートで代替して実現した。
努力は無駄だったのか。夢は叶わなかったのか。

ヤーキターイに求めていたのが温かい雰囲気だったように、ヒーローや自力飛行もそれそのものが大事だったのではなく、「子供を救うこと」等が主。ならば彼女らの夢は叶ったといってよいはず。

ただこの文脈だと「プリキュア」が代替品なんですよね。
ヒーローにはなれなかった。だからプリキュアで代用した。
ぷに麦粉が手に入らなかった。だから小麦で代用した。

カバトンの口癖「俺TUEEEE」はチートの象徴ともいえる。プリキュアに変身して敵を叩きのめすのは、見ようによっては「俺TUEEEE」です。
ぷに麦粉を作ろうと苦心惨憺している人の前で、買ってきた小麦粉で得意気になったら、やっぱり感じは悪い。

それらとソラさん達の何が違うかといえば目的や気持ちなんでしょうけど、20周年記念作ですから「プリキュア」に対して何かもっと意味づけがありそうな気がする。

今作は4人とも親元を離れていて、しかも学校が主体にならない。
新社会人(初代プリキュアを見ていた世代)の環境に近く、「プリキュア」に「職業、仕事」のイメージはかなり被せてるはず。

今の流れだと、クライマックスでは生身で挑むような大穴もあるかもしれない。リアル社会でいうなら、「就職してみたら、自分が夢描いたのとは微妙に違っていた。それはそれで目的を達成してはいたが、いよいよとなった時、会社を離れた素の自分で立ち向かった」のような感じ。その展開なら「プリキュアとして過ごして学んだこと(会社の業務で学んだこと)」が問題解決のキーになりそう。

あるいは逆に「プリキュアでないとできないこと」に意味を見出す方向かもしれない。現実としても、特定の会社に所属しているとか免許を持ってるからこそ出来ることは多々あるものな。ある意味で個人の努力の限界だから負のイメージで捉えられなくはないけれど、そればっかりでもない。

ヒロガリズムの歌詞に「無敵だと強くなれない 優しいだけじゃ越えられない」とあり、結構重要なフレーズじゃないかと思ってます。
『プリキュア』と『生身』とも、『ソラ』と『ましろ』のこととも取れそう。

ましろさんが優しさ推しをされまくってるのは、ちょっと違和感はあります。
ソラやツバサも十二分に優しいし、プリズムが戦力的に極端に弱いかといえばそうは見えない。

彼女は「明確な夢がない」そうですから、上述の「夢の次善策としてプリキュア」が直接には当てはまっておらず、そのあたりで何か読み取れるのかも。
バランスで考えるなら4人目もこのタイプなのかなと思えるのですけど、あげはさんは「保育士が夢」と明言してるしで、まだまだ色々と仕掛けがありそう。
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「episode16:海底からの声」マーメイドメロディーぴちぴちピッチ aqua(なかよし2023年5月号)感想

2023年04月04日 | マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ
■「episode16:海底からの声」マーメイドメロディーぴちぴちピッチ aqua(なかよし2023年5月号)感想


なかよし 2023年5月号 [2023年4月3日発売]【電子書籍】[ なかよし編集部 ]

復活のBBSによる猛攻をるきあさん達が受けているその頃。
海の奥深くのどこかで星羅はローラン相手にお目目をキラキラさせて爽やかに笑っていらっしゃいました。
表情がころころ変わる星羅が実に可愛くてよいのですけれど、オレンジ人魚のチョロさは何なんだ。

星羅がローランにくっついているのは、彼が平和を約束してくれたからという単純なものでした。
他のマメプリのお姉さんたちがあまりにもどうしようもなさすぎて、こんなどこの馬の骨とも知れぬサカナにひっかかってしまった。

彼はパンタラッサでもなく、普通のマーマンだったようです。
「マーマンとして生まれたオレはずっと喧嘩ばかりで馴染めなかった」とおっしゃっていますけど、「マーマンの特性のせいだ」と言いたいんでしょうか。
既知のマーマン情報といえば「幼少時はオスメスがはっきりしない」ぐらいです。まぁ人間の感覚だと、アイデンティティに悩みを抱えてグレそうではある。

そんなローランが憧れたのが深海の王・ガクト様。オレンジ人魚を彼女にするイカした野郎です。沙羅を「彼女」と呼称するあたり、ローランのヤンキー具合がよく分かる。

そして何だかよく分からない謎の闇に力をもらい、深海王を自称するとともに、オレンジ人魚の彼女探しにでたようです。トロフィー扱いするには物騒すぎると思うのですけど、その辺も含めて欲しかったのかもな。確かに「ピンク人魚の彼女がいる」より「オレンジ人魚の彼女がいる」の方がハッタリは効く。こいつやべぇな感がひしひしと。

じゃあなんで、るきあさんの婚約者きどりなんだ?と疑問は沸くものの、そうこうする内に当のるきあさん達はBBSのお歌の前に敗北していました。哀れ、おサカナに戻ってしまわれた。「サカナ」呼ばわりは侮辱のようで、もしかして下半身がサカナのマーメイドは下等生物扱いされたりしないか?

このまま敗北かと思いきや、古の様式美が発動。黒砂君が唐突にパンタラッサの力に目覚めて、窮地を救ってくれました。しかもガクト様の後継者っぽい。
さて2人の関係はなんでしょう?

・息子に相当する
・生まれ変わり
・血のつながりのないパンタラッサ
・パンタラッサですらない、ただの後継者

「息子」だとすると、るきあさんから見ると従妹です。国によっては近親婚扱い。大丈夫なんだろうか。

「生まれ変わり」だと、海斗君から見ると娘が兄と結婚するのは心理的にどうなんだろう?転生して肉体は別としても、姪との結婚は従妹よりもまずい。

リヒトさんや海斗君とも無関係な野良「パンタラッサ」でしょうか。世界には意外とパンタラッサの末裔が跋扈してるのかもしれない。

「非パンタラッサの後継者」だと、ローランがグレそうです。ただのヒトを何故に後継者に選ぶのか。

どのパターンでも愉快なことになりそうです。るきあさんがどんどん追い詰められていく。
今のところ彼女の自己認識は「ヒト」なのですけど、黒砂君がヒト以外の生物だと判明したら、もうヒトに拘る必要がなくなってしまいそう。
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(第9話)ひろがるスカイ!プリキュア「勇気の翼、飛べキュアウィング!!」感想

2023年04月02日 | ひろがるスカイ!プリキュア
■(第9話)ひろがるスカイ!プリキュア「勇気の翼、飛べキュアウィング!!」感想


(「ひろがるスカイ!プリキュア」第9話より)

前回の感想で「自力飛行に拘って頑張ってきたのに、プリキュアに変身したから飛べました、で満足できるのか?」と疑問を書きましたが、そこはやっぱり安心のプリキュアさん。ちゃんとケアされてた。

ツバサくんはエルちゃんを助けるために頑張った。残念ながら非力で、格好よくカバトンを倒すことはできなかったけれど、その身を犠牲にして奮闘なされた。
だけれど、赤ちゃんにはそういうの分かりません。ナイトの犠牲を許さない。ツバサくんの犠牲を看過できず、結果的に彼の奮闘をも無駄にしてしまう。

傍目にはイライラする行動ですが、赤ちゃんにはそういうの分からないんです。犠牲を受け入れろというのも、ある意味で大人扱いというか、子供のキャパを超えています。仮にここでツバサくんが死んでエルちゃんを救ったとしても、彼女の心に深い傷を残しそうです。ここで捕まったらそんなこと言ってられないんですけど、そういう計算は赤ちゃんには通じない。

「ヒーローは子供を見捨てない」。言い換えると「子供を見捨てることは許されない」し、そこには自己犠牲も含まれます。「命を賭して守る」は勝利条件を満たさない。生きてきっちり勝たねば。

そんな背景を抱えてのプリキュアへの変身です。
赤ちゃんがピンチなのに、自力飛行だの何だの言ってる場合か。ソラさんだって、本心では鍛え上げた生身の自分で格好よく救いたかったんでしょう。だけどそんなこと言ってる場合じゃないんです。使えるものは使え。目的のためには、表面的な夢など妥協しよう。
現実世界でいうなら、働いて働いて働いて、稼いだ末に死んで保険金もでてそれで子供を守ったと言えるのか。

「妥協」と書きましたけど、正確に言うなら「本質をとらえなおした」とかだと思う。
ツバサくんが目指していたことは、「自力で空を飛ぶ」だけでなく「子を救う親」の姿だったはず。
ならば今回のは紛れもなく夢を実現しています。飛ぶべき時に飛べた。手段は些細な話なはず。

まぁそういう意味では携帯飛行器具を開発したりするのが適切な道だったのかもしれませんが、「必要な時には飛んで子供を救える自分になる」のが夢であれば、道具を使うのは確かに何か違うかなという気はします。現実世界でいえば、子供を守るために体を鍛えようは分かるが、銃を買おうは(平和ボケの日本だからこそとは言えますが)何か違うかも。

先日発売されたOP曲、とてもとても20周年らしさを感じていたのですけど、多分「プリキュア」が強く推されていないからだと思う。
振り返ってみれば、スタプリ以降は「プリキュア」の地位が低下したというか、ただの手段になっています。
「プリキュア」になることは目的ではないし、特効薬でもない。たまたま結果的にプリキュアになった。とりあえず目先の課題解決に使えるんだから使え。ローラの変身経緯の精神です。

ひろプリに感じる心地よい違和感の正体は、「プリキュア」が日常化してその先の物語だからなのかもしれない。
ソラさん達は、現実世界でいえばハピネス世代です。10周年のハピネスチャージで「私たちは無力だけどずっと傍にいるよ。だから愛と勇気を忘れないで」と見守ってもらった子たちが、プリキュア世代になった。
今やプリキュアは当然であり、街中にもあふれている。ほんの15年前(ソラさん達が生まれた頃)の5周年のときとは別世界です。
世界の大きな変化と、その上での20周年作ですから、プリキュアを前向きに否定する展開すらありえそうな気がしてます。
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「夢みる女の子」(Yes!プリキュア5):プリキュアソング感想

2023年04月01日 | プリキュアソング
●夢みる女の子

春日野うららさんのイメージソング。
テーマ的な物を気にして見始めたのが「5」の頃からだったこともあり、当時からこの曲は好きでした。

「5」は「夢を叶えることに意味があるのか」のお話で、特に春日野さんは顕著に出てたと思う。
「夢は叶わない」ではなく「叶えても意味がない」。カワリーノさんに見せられた悪夢も、闇レモネの煽りもその方向。

それに対するレモネの回答は「夢が呼んでいるからもう行く(お前らに説明している暇はない)」というとても格好良いものでしたが、彼女を支えていたのは「みんなが応援してくれるから」。

【引用】
『一人でも目指してく 夢があった。途中で息切れしても 階段昇って』
『心が折れそうな夜 越えた時 何かが動き出して 人は変わるの』
『ふと最近気が付いたことがあるの みんな気持ちが背中 押してくれてる』
【引用終】

今にして思えば、「GoGo」のムシバーンや館長が否定されたのは、「こちらの価値観を侵害してくるから」だけでなく、「一人で夢を見る」ことを目指していたからなんだろうな。
館長はともかくムシバーンはああいう生き物な気がするので、気の毒ではあるのだけど。

ただ「誰かがいてくれること」を支えにしていると、「誰かのために犠牲になってしまう」「誰かがいてくれなかったら脆い」の問題を抱えてしまいます。

前者は夏木さんが直面していた課題。友人のために尽くすのは損ではないか?
夢原さんにも降りかかっていて、ココのために犠牲になってもよいのか。
「鏡の国」のラストのクリスタルを見上げるシーンは、まさに自分のために犠牲になったダークドリームに、自分自身を重ねていたんだと思う。

当然ながらダークドリームの選択は間違ってはいない。逆の立場なら夢原さんが庇っていたはず。だからこそ問題です。ココを守って玉砕する未来が見えてしまう。
夢原さんが国語教師を目指し出したのを放送当時はかなり唐突に感じていたのですけれど、他者に全乗っかりしないためには、自分の夢を持つのが大事だったからなのかもしれない。

「誰かがいてくれないと脆い」は、14年後のヒープリが回収してくれました。
ヒープリは「大事なものを切り捨ててでも前に進む」であり、その原動力はといえば「生きる(≒夢)」。
映画の「先に敗北した5チームを、夢に呼応したヒープリが助けに行く」展開はとても素晴らしかった。(映画の感想1感想2

これらを踏まえて、「オトナプリキュア」で夢原さんが何をどうするのか、とてもとても楽しみです。
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