穴にハマったアリスたち

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ヒーリングっどプリキュア 第13話「辞める?辞めない?迷えるひなた!」

2020年06月28日 | ヒーリングっどプリキュア
数ヶ月にわたるリープを抜け出し、時が前に進みだしました。
繰り返してみたその果ては、前回と同じ。問題は解決せず、むしろ事態の深刻さが浮き彫りになるばかり。

「プリキュア、やめそう」

ぼそりと吐き出された平光さんの言葉が重いです。さりげなく伝えられただけに、嗚呼本気で悩んでるんだな感がせつない。
平光さんは語る。

先日(がいつのことなのか定かではありませんが)めっちゃやばくなった。でもめっちゃ頑張って強くなった。それなのにもっと強い敵が増えた。
私たちの努力は何だったのか。

「戦いが怖い」といった表面的な問題ではなかった。
「勝っても勝ち」じゃない絶望。局地的に勝っても、敵の勝利条件は着々と貯まっていく。
歴代シリーズでいえば、桃園さんや星空さんが近いでしょうか。それらと比べても、ヒープリ組の置かれた状況は一際きつい。

(1)敵の目的はプリキュアではない。
故に全く関係ないところを襲撃してくるし、同時多発攻撃もできる。
「ラテ様を奪おうとする」とかなら迎撃すればよいですが、「探知して駆け付ける」からやらないといけない。

(2)敵が成長する。
初動が遅れると育ち、単体でも倒せないレベルに。しかも増える。それも幹部クラスが。
先ほどの(1)との相性がえぐすぎる。

(3)敵幹部が普通に強い。職場の体制もしっかりしている。
「プリキュアに負けた」=「失敗」とみなさず、新人フォローもしっかり。自分達の強み(1)(2)を理解した戦術まで採用してくる。

改めて整理すると、どうしようもなさが酷い。これ、オールスターズ案件じゃなかろうか。プリキュアの数が全く足りていない。

非常に辛いことに、この状況は現実の病気も反映しています。

「目の前の患者ひとりを救えばそれで終わり」ではない。
ウィルスはこちらの事情など考慮してくれないので、同時多発的に発生するし、打ち漏らせばその分だけ拡大していく。

「負けてもその場はそれで終わり。次回はまた仕切り直し」ではない。不利はどんどん積み重なる。有利は積み重ならないのに。
患者の新規発生が昨日は100人、今日は50人。だから良くなった…ではない。昨日の患者100人は病院にいるのだから、今日は150人をケアせねばならない。事態は悪化している。

終わりの全く見えない戦いに、これまでの半生もあって平光さんは完全に自信を喪失なされた。私が頑張っても、どうにもならない。
折しも現れた今回の敵は、空を高速移動しながら少しずつ被害を巻き散らかす相手。どうしようもなさすぎます。敵が自分たちの強みを理解しきってて怖い。
平光さんらには知る由もないですが、「たまたま作戦がハマった」のではなく「新人に一味違う戦略を教えようとして」「広範囲・高速・空中の探知されにくい手段で」「成長までの時間を稼ぐ」戦術を狙った通りに実行しています。
グアイワルのようなタイプは一般には「口だけの単細胞」と思われるのに、宣言通りにきっちり仕事をしているし、彼なりに部下を可愛がっている。勝てる気がしない。

実際、花寺さんらは敵の正体すらまともに把握できず。そもそも敵の攻撃かも確信が持てない有様です。
頼みの綱のラテ様は、畜生の悲しさでまともな情報をよこさない。正体は「ドローン」+「雷のエレメントさん」による「静電気」だったわけで、犬の認識力を越えています。これも意図しての攪乱だったならいよいよ絶望的すぎる。

どうにもならぬかに思えましたが突破口は意外なところにあった。SNSです。
「広範囲・高速・空中」の特徴故に、多くに人の目に留まり、結果的に捕捉できた。
語弊を承知でいうならば、現実のクラスター戦略そのものです。専門家が虱潰しに探すのではなく、「異常が起きた」ことの自主申告で発見する。

これに気づいたのは平光さんでした。自分の才能のなさを嘆いていた彼女ですが、この分野に関してはおそらくプリキュア一です。
ガラケーすら持ち合わせなかった白黒先輩は言うに及ばず、得意そうな薬師寺さんや天の川さんよりも「雑談寄りの俗っぽい話題を適切にサーチする」のは上手そう。
少なくとも花寺さんや沢泉さんは絶対に思いつかなかったと思う。

発見されたメガビョーゲンは既に相当に厄介な強さに育ってはいたものの、どうにかこうにか間に合いました。怖すぎる。薄氷の勝利だ。そしてここで勝ったところで有利にはなってない。事態は全く好転せず。
でもそれでも平光さんは吹っ切れた模様。やれることをやるしかない。
分かりやすい特効薬がない以上は、目の前のできることを地道にやっていくしかない。「上手く成功しても現状維持でしかない」のは心が折れそうにもなりますが、それでも無意味や無力ではない。できることをやろう。

春映画がまだ公開されておらず、また今まさに世の中が揺れ動いているので着地点が見えませんが、今年のテーマはここ数話をみるに「少数の英雄(プリキュア)では手が回らない。数多の人々の一つ一つは小さな協力が大事」の方向なのかなと思う。
メガビョーゲンの同時大量発生を、免疫や予防で(プリキュアの力に頼らずに)各人が発生を食い止める、いざ発生したら発見と回復に奮闘する、みたいな感じで。
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「時をかける野乃はな」:HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察

2020年06月28日 | ハグプリ最終回考察
野乃さんのことはちゃんと考えるべきな気がしてきた。

【未来の亡霊】

何度か触れたように、野乃さんが我が子を「はぐたん(を想起する名前)」と命名したのはかなり不気味です。
直感的な理解として、あの子と「はぐたん」は別人ですから、「死んだ第一子の名前を、第二子につけて、戻ってきたと喜ぶ」かのような異常性を感じます。
もちろん「尊敬する人から名前を一字もらった」ようなニュアンスの可能性もあるにはあるのですが…。
命名シーンの直前には「ママ…」と感慨深く呟くトゥモローさんのカットが入っています。野乃さんが「我が子=トゥモロー」と認識してなかったとすると、なんかちょっとすれ違ってる気がする。
素直に考えるなら、野乃さんの頭には「我が子=トゥモロー」があったと思う。

話がそれますが、仮に「時間を巻き戻す」装置を手に入れたとします。それを使って「我が子が生まれる前に」戻った場合、「もうその子には会えない」と認識するんじゃなかろうか。私の感覚ではそうです。
完璧に同じ人生を歩んだとしても、不可抗力や制御不能なランダム要素が意識に上りますから、あの日あの時産まれたのと、全く同じ子供であると確信は持てません。
極言してしまえば私たちの体も日々細胞が入れ替わっていますから「全く同じ人間なのか」は甚だ疑問ではあるのですが、「これから生まれてくる子供」はやはり一線を画します。

ではなぜ野乃さんはあんな怖い真似ができたのか。

「未来は不変」だと確信していたとしても「はぐたん=野乃はなの娘」には直接には結びつきません。
視聴者の私たちとしては「ハグプリの主人公・野乃はな」は特別な人物だし、その特別な人物と「キュアトゥモロー」や「はぐたん」に関連を見出すので、「野乃はなの娘がトゥモロー」となんとなく受け入れられます。が、劇中人物の野乃さんにはそんな根拠はどこにもない。たまたま自分のところにトゥモローが降ってきて育てただけであって、自分の娘であるかは保証されていない。
名づけにいたるには「未来は不変」だけでなく、「トゥモローは自分の子」をクリアしないといけません。抽象的な「未来は変わるか」よりも、具体的な「はぐたんの親は誰か」の問題の方が劇中人物の視点では深刻とも言えます。

ハグプリ本編を見る限りでは、はぐたん=野乃さんの娘と気づいている様子は最終回まで無し。ハリーが教えていてもおかしくはないのですが、描写がない以上は疑問です。そもそもハリーが「野乃はなが親」と知らなくても何ら不思議はない。
未来組との別れの後では気づける機会が全くないので、これではどうやっても2030年時点の野乃さんでは「はぐたん」と命名するに至る説明がつかない。

なので未来の野乃さんに解決を見出すことにした。

【過去の記憶】

漫画版ハグプリにて、野乃さんはいわゆるタイムリープを経験しています。
「過去に移動」するのではなく「意識だけ過去に巻き戻る」パターンで、小学生や赤ちゃん時代に戻ったことがある。

これと同じことが2043年に起きれば、2030年に「はぐたん」と命名できます。
つまりは2030年の出産後のあのシーンで野乃はなの肉体にいたのは、2043年の彼女。だから「この子がキュアトゥモロー」だと知っていた。

イメージとしてはこんな感じ。

2043年の戦いで窮地に陥った野乃さん。
まとわりつく絶望を振り払いながら、「オールスターズメモリーズ」のあの名言をもう一度。

『これしきのことで心折れるとか、私がなりたかった野乃はなじゃない!』

愛娘と共に過ごした新たな15年。その15年があるから踏みとどまれる。立ち上がれる。
過去と矜持を胸に反撃、そこでタイムリープ能力が再度現れ、束の間よぎる15年前の娘との初めての対面。
これから始まる15年に想いを馳せ「よろしくね、はぐたん」。そしてこれまで過ごした15年を力に変え、眼前の敵に立ち向かう。


そんな展開だったなら、野乃さんが「はぐたん」と命名することに違和感が消えます。知っていたから名づけた。これなら何ら問題は起きない。
プリキュア40周年シリーズで炸裂する、15周年シリーズのテーマ。展開としても熱いんじゃなかろうか。
タイムリープは劇中(漫画版ですが)でやっているので、もう1回ぐらい頑張っていただいても無理はないはず。無事に解決できたと思いたい。

【蛇足】

最終回の命名シーンのやり取りを抜き出してみる。

さあや:「おめでとう、よく頑張ったね」
はな:「ありがとう。この子の名前決めてるの」
ほまれ:「そうなんだ」
さあや:「なんて名前?」
はな:「はぐみ。よろしくね、はぐたん」

改めて見てみると、輝木さんの台詞が妙ですね。「おかしい」とまでは言いませんが、ちょっと適当な相槌な気がする。

表情が映っておらず声色だけでは判断が難しいのですが、この瞬間まで輝木・薬師寺の両名は、「野乃はなの娘=キュアトゥモロー」の可能性を思い描いていなかったように見えます。
妊娠した時点で「10年前のはぐたんの育児」を思い出して話題にしたりはしていたでしょうから、「野乃はなの娘=トゥモロー」を考えていたなら、もう少し違うやり取りになるんじゃないかな。「そうなんだ」ではなく「そうだよね」とか。

この命名の深刻さに薬師寺さんは気が付いたと思う。輝木さんはどうなんだろう?
最終回の後、輝木さんがどのような人生を送ったのか、何度か考えてはみたけどあまりはっきり形にならなかった。

未来に影響を与えそうな存在として、野乃:はぐたん、薬師寺:ダイガン、えみる:ルールーに対し、輝木さんはハリー。
ただ「ハリーにトゥモローよりも先に出会って奪い取ろう」とかは考えそうにない。そもそもハリーがどこにいるか、手がかりもなさそう。
未来のハリーは大気汚染的なものに苦しんでいたような描写があるので、スポーツ選手の知名度を活かして環境改善のキャンペーンを頑張ってるとか、それぐらいしか思いつけなかったです。

参考:
●HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)
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「星奈ひかると時間の呪縛」:HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察

2020年06月22日 | ハグプリ最終回考察
先に書くと、結論は「どうしようもない」です。未来の誰かに解決を委ねたい。

【スタートゥインクル】

今まで意識的に逃げてきましたが、星奈さんがかなり厄介です。
15年一区切りの直後のプリキュアで、過去と未来の境界ですから、非常に危うい神秘的なポジションにいらっしゃる。

ひとまず下記が確定している。

(1)ハグプリ最終話にて野乃さんと出会っている
(2)ミラクルユニバースにて、宇佐美さん・野乃さんと出会っている
(3)スタプリ最終話にて、花寺さんと出会っている

一連は全て、双方ともに中学生姿で同年代。

(2)は星奈さんがというより、宇佐美さんが矛盾を引き起こしている。ハグプリ36話で大人姿で野乃さんに出会っていますので。

解決策として「ハグプリ36話の宇佐美さんらは2033年から来ていた」説を唱えてみた。(参考1) (参考2)
しかしこの説に則ると星奈さんのスタプリ本編も2018年ごろの物語になってしまう。
これ自体は今のところ問題は引き起こさないのですが、おそらくあるであろう2033年のプリキュア30周年に、星奈さんは何歳の姿で出演するのか。
普通に考えれば中学生の今のお姿です。では2033年シリーズの劇中時間は2018年なのか?それはとても不自然に思える。
(スタプリ~33年プリキュアの15シリーズ集合の想定。黒白先輩~33年プリキュアまでの総出演だったらもっとややこしくなる)

星奈さんが大人姿で出てくれば回避はできますが、(3)の影響で花寺さんの年齢も引きずられてしまいます。
波及して2021年シリーズや22年シリーズのプリキュアさんらも大人姿になってしまい、結局のところ問題が解決しない。どうしよう。
逃げ手としては(3)が夢の中の出来事だったとかにすればいい。実際、そのようにも見える演出がなされていますから、公式に意図してのことかもしれません。違うと思うけど。

33年といわず、もっと直近でも問題が残ってる。公開延期中の「ミラクルリープ」です。

(4)ミラクルリープにて、野乃さん・花寺さんと出会う(と思われる)

願わくば下記であれば解釈は楽なのですが…

・星奈さんと花寺さんの「はじめまして」イベントがある。
 ※(3)は夢の中の出来事にできる

・野乃さん・星奈さんは、花寺さんと現実世界で出会う描写がない
 ※リープしている不思議な空間のみで出会えば、時系列を無視できるかもしれない

タイムリープを扱うお話なので、何か誤魔化せる要素があると信じたい。
あとは「星奈さんは『プリキュア』=『前に癒す』存在と言及されている」ことあたりから、何とかこじつけよう。
また、「おさらいコレクション」により結果的に本編もリープしています。理由が理由なので取り扱いに迷いますが、「リープした」を正史として扱うなら「ミラクルリープと同じ原因」か「戦いに恐怖した平光ひなたによる逃避現象」と思われます。特に後者だと色々と悪用できそう。

おそらくは2021年の映画にも星奈さんは出演されるでしょうから、それも何とかしないといけない。
もちろん、これらを上手く解決できても、2033年のオールスターズの描写によっては現時点の回答がひっくり返りかねません。
星奈さんにはミステリアスさとか儚さが妙に似合うので、時間の難題を抱えているのが何かしっくりくるのがまたなんとも…。
未来の課題として語りつぎ、今後のプリキュアシリーズで時間に関わるネタが出てきたら敏感に反応しよう。

[追記]
遂に公開されたので、続きを書きました:「星奈ひかるとリフレイン」

【蛇足】

幸か不幸かスタプリは宇宙が舞台です。つまり本来ならローレンツ収縮(雑にいえばウラシマ効果)により年齢がめちゃくちゃになるのですが、劇中ではそんな描写はない。
これはもう宇宙モノの宿命なので、「夢原さんの四季2回問題」と同じく「そういうものだ」と無視するしかない。
それでも強引に組み込むとすると、例えば、

「ミラクルユニバースの現場は、地球から15光年離れていた」
「宇佐美さんが呼ばれて、また地球に帰るまで実は30年経過している」
「但し宇佐美さんの年齢経過は30年より若い」
「ハグプリ36話の宇佐美さんは20代ぐらいに見えるが、戸籍上の年齢は40代。2053年から来ていた」

とかです。こんなこじつけをしなきゃいけない日が来ないことを祈る。

あるいは「実はかなり近いところにサマーン等々がある」のかもしれない。
もし0.01光年くらいのスケールであれば、(光速で1週間で行き来できるので)夏休み期間であればどうにかなります。時間の遅れも表面化しない。
そんなに近くにあるなら観測されているでしょうから、内閣府宇宙開発特別捜査局なんかが作られるのも当然です。

…まぁララさんの「地球から見える星は、サマーンとは全然違う」発言と明らかに矛盾しますけど。
「ララが知らなかっただけ」もなくはない(車の運転ができるからといって地理に詳しいとは限らない)としても、いずれにせよそんな近距離にあったら重力とかで別の問題が起きるでしょうから、やっぱり「そういうものだと受け入れる」しかないと思う。


参考:
●HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)
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「薬師寺さあやの葛藤」:HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察

2020年06月14日 | ハグプリ最終回考察
もはや「考察」ではない気がしてならないけれど、今度は脇の視点から考えてみる。

【破滅は2043年】

何度か触れてきたように、えみるが研究室に行くにあたって「ダイガンの出現」はかなり大きな意味を持ちます。
彼が現れたことにより、未来の正確な時間を知ることが出来る。

私たちがトゥモロー年代を2043年と判断できるのは、あくまで「プリキュア40周年だから」(伝統的に主人公は中学生。2030年誕生の子が中学生になったころのメモリアル年は40周年)。
当然ながら劇中人物のえみる達にはこんな知識はないので、そのままでは「はぐたんがトゥモローだとすると、2040年~50年のどこか」ぐらいしか絞れません。

しかしダイガンが居てくれれば違う。未来ダイガンの年齢が分かれば、2030年現在のダイガンから生年月日を聞くことで、かなり細かく特定が可能です。

ではハグプリ娘はダイガンの年齢を知っていたのか。
普通に考えれば、そんなものには毛ほども興味がないはずで、知らないに決まっている。

が、未来ダイガンが事の重要性を認識していれば伝えているはずです。
何かあるごとに「いやぁ〇〇歳になると力仕事が堪えるねぇ」とか「この間〇〇歳になってねぇ」とか「君らは中学2年生か。もう〇〇年も前のことだなぁ」とか、しつっこくアピールを続けたと思われます。主には薬師寺さんに。
というかダイガンは素でそういうことを話しそうだ。

2030年にダイガンと「再会」した際に、この心底どうでもいい無駄話を思い出せれば「あれは2043年だ」と分かります。そしてすさまじい衝撃を受けるはず。何せ未来の破綻が、たった13年後の出来事なのだから。

【戦うか、逃げるか】

未来を知ったとき、薬師寺さんは変えようとするだろうか。
彼女は工学寄りの理系ですから、タイムマシンの考察をしていてもおかしくはない。もしそうなら「未来は不変」と判断しそうです。ただ、えみるほどの切迫感はないでしょうから、確信にはまでは至らないはず。
何せ、理屈としては「不変」でも、感覚としては「変えられる」が自然です。理解と直感がずれるのは、非常に気持ちが悪い。

いずれにせよ近い未来に大きな異変が起きる恐れがあるのなら、かつてのハグプリチームに連絡し、阻止するために何ができるかは考えようとするはず。
とはいえできることはないです。プリハートが手元にないので、変身すらできない。この時点で疑心暗鬼にすらなるかもしれない。

プリハートがない理由はハリーらに返却したから(と私は思ってる)。
しかし43年の出来事ならば、薬師寺さんらが持ったままでもトゥモローチームに渡せます。何より最初の災厄で変身して戦う選択肢を、なぜ奪うのか。ここで勝利すればそもそも問題が発生しません。
タイムパラドクスが問題だったとしたら、薬師寺さんたちはある意味見捨てられたとも言える。
ではやはり「世界は分岐」するのか?でもそれは理屈には反してしまう。

そうこうする内に野乃さんが出産し、はぐたんと命名する。私が薬師寺さんだったら背筋が凍ると思います。
いよいよ破滅の未来が迫ってきた。
(注:「ハグプリチームに連絡する」とは書きましたが、野乃さんにだけは連絡を避けると思われます。「はぐたん」の存在を左右する彼女の自由意思らしきものに、変に干渉するのはかなり怖い)

ここまでくると、遅まきながら薬師寺さんも未来対策に動き出すかもしれない。最初に探すのはトラウムの所在でしょう。
しかしこの頃には えみるがトラウムと合流し、クライアス社創設のために地に潜っているはずです。私の妄想では。

八方ふさがりの薬師寺さんにできるのは、ダイガンの監視ぐらい。どこかのタイミングでこのオッサンはクライアスに入社するはず。
劇中では、ダイガンは口だけの無能な老害として描かれています。もし2030年時点でその兆候があるなら、薬師寺さんとしては「何故この人がクライアスの重要な役職に就けたのか」を疑問視するはず。
おそらく真相としては、未来を知っていたが故に えみるがスカウトせざるを得なかった(そして後に後悔した。これが後のトラウムによる粛清にも繋がる)だけに思えますが、何にせよ薬師寺さんとしては「創設メンバーの一人だったから」と予想しそうです。

そうすると選択肢は二つ。

①ダイガンを慰留して転職を防ぐ
②ダイガンを積極的に追い出し未来をなぞる

①は「未来を変えたい」のが前提です。一番シンプルといえばシンプルで、18年当時の薬師寺さんなら最も選びそうには思う。
②は「未来は変えるべきではない」が前提。積極的にこれを選ぶ必然性は全くない気がするのですが(未来が不変であるなら、何もしなくても必然的にそうなる)、「追い出すためにいきなり陰湿ないじめを開始する薬師寺先生」とかちょっと見てみたい。そりゃダイガンもやさぐれて仕事辞めますよ。

どちらにせよ、結果的にダイガンは仕事を辞めてクライアスを目指すはず。薬師寺さんはそれを追いかけて、クライアスを突き止めるところまではやろうとすると思われます。
クライアスを潰して未来改変に挑むにせよ、不変の未来を受け入れて災厄を待つにせよ、「クライアスがどこにあるか」を知るのは大いに意味があります。

当然えみるはこれを予想するはず。えみるの裏切りに薬師寺さんが気づいていなければ、ダイガン追跡を妨害するのは容易いでしょう。おそらく薬師寺さんはダイガンをロストし、立ち往生するはず。
(「薬師寺さんも誘ってクライアス創設に加える」可能性もなくはないのですが、必然性が薄いように思う)

そうこうする内に2033年、トラウムVSオールスターズが始まり(私の妄想では)、いよいよ破滅の時が迫る。
この時点で、薬師寺さんにできるのはプリキュアたちに危機を伝えることぐらいです。が、それをやっても良いのかのがいよいよ分からなくなってくる。
もしも黎明期のクライアスを潰せたらパラドクスが起きる。「未来が変わる」とか「パラドクスだから実現不可。時間の復元力で阻止される」とかならまだいい。訳の分からぬ世界消滅とかになったらどうしようもない。

「ルールー」という強烈な信仰があり、各種情報を持っていたえみると違い、薬師寺さんには思い切った行動ができません。唯一できるのは、すくすくと育つ はぐたんの姿に希望を見出すことぐらいか。
足しげく野乃邸を訪問し、はぐたんに英才教育を施そうとしたりするかもしれない。
もしそうなら前回の妄想にも少し幅が出そうです。「社長業で忙しい野乃さんに代り、頻繁に面倒を見てくれていた格好いい女医の薬師寺さんに憧れて、実母に失望する はぐたん」みたいな感じ。

[43年シリーズの第1話イメージ]
友達と一緒に帰宅する はぐたん。途中で薬師寺先生に出会う。
小さいころからお世話になってる、憧れの先生にどぎまぎしながら、そんな先生と親しいことを友人に誇らしげに語りながら帰宅。
いつものように誰もいない。
まぁいつものことだと友人に話し、母がいかにダメかを語りだす。「でも社長さんってすごいよね」とフォローにまわる友人。
そこに、実に空気の読めないサプライズで飛び出てくる野乃さん。ドンびく友人。赤面する はぐたん。
ふざけ続ける母にブチ切れて飛び出した はぐたんが謎生物と出会い、その後なしくずしでプリキュア、戦闘へ。
その夜。
こっそり連れ込んだ謎生物と眠る我が子に、ついに始まったかと野乃さんは嘆息。
様子を見に来た薬師寺さんに「子育ては難しいね…」と吐露しながらも、そっと我が子を見守る。 

…なんかそれっぽいんじゃないかしら。

【蛇足】

「なぜ直接的にストレートに、あれは〇〇年のことだと伝えなかったのか」は謎です。
カメラに映っていなかっただけで、普通に話していてもおかしくはないのですが、それならば「なぜトゥモローは野乃はなの子だと話さなかったのか」が更に謎。劇中の描写では、はぐたん=自分の子と認識しているようにはちょっと見えない。

「話していない」とすれば、理由としては「過去への干渉を極力避けたかったから」あたりでしょうか。
「未来は不変」であれば何をやっても影響はないとはいえ、ハリーらも含めて皆がそれを実感として確信しているかは怪しい。「伝える必要がないことは伝えない」のが普通だと思う。

それを踏まえると「微妙に匂わせる」のはダイガンが適任に見えます。
他の皆が秘匿したのに、「重要情報を伝えるべきだと空気を読んだつもりで、空気の読めないスタンドプレーに出た」としたら、いかにもダイガンのキャラクターな気がする。

参考:
●HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)
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「ジョージの巡礼」:HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題

2020年06月07日 | ハグプリ最終回考察
前回からの続き。

【明日の戦い】

野乃さんが黒幕をやらないんだったら、他にできそうなのは既知のキャラクターではジョージぐらいしかいません。
というわけで、ジョージで考えてみる。

先に大筋を書くとこんな感じ。

2030年:はぐたん誕生。
2033年:
 野乃母子、不幸な経緯で死亡。ジョージ呆然。
 トラウムや えみるからクライアス社を持ちかけられ、幾度か改変を試みるも失敗。
 未来は変えられないと悟り、時間停止を決意する。
2018年:はぐたんを追いかけて、過去に戻る。
2019年:若かりし頃の妻との戦いを通じ、去る。
19年~43年:何かがあり、真の敵となる。
2044年:トゥモローシリーズのラスボスとして娘の前へ。

次に、クリアすべき課題を順に処理してみる。

【野乃母子の死亡】

オフィシャルで「ジョージ最愛の人は死亡」と語られているので、野乃さんには他界していただくしかない。
ジョージをクライアス社に駆り立てるきっかけになるので、これ自体は問題ない。

ですがここで野乃さんはおろか はぐたんまで死亡してしまったら43年の話に続かない。
なので「この時点のジョージ視点では死亡したとしか見えなかったが、後々蘇生した」としよう。
33年ジョージには43年の情報はないので上手い事やれば(要はえみるやトラウムが隠蔽すれば)気づかれない。

【時間改変と停止】

本編の口ぶりから「何度かチャレンジした」ようです。
私の仮説ではこの時点で過去に戻るワームホールはあるので、幾度か改変に挑むことはできる。

ただその状況はイメージよりもかなり狂っています。

例として「500m先にいる妻が不意に車に轢き殺された」状況で考えてみます。
いつもと同じはずの日常が、突然思いもしない事故が起き一変、妻を救うためにタイムマシンに乗り、何度も改変に挑むがその都度、様々な理由で失敗して…のようなことは起きない。

まず「不意に轢き殺された」がない。
起きるのは「ある日突然、未来から来たという自分10人ぐらいに取り囲まれ、妻が事故にあうから止めるぞと言われる」です。そして失敗する。
タイムトラベルしても起きることは同じ。2回以上タイムトラベルをしている9人と共に、過去の自分に「止めるぞ」といい、「前回」と全く同じ手段で止めようとして失敗する。

2回目。1回目の自分と3回目以降の自分8人と共に、過去の自分に「止めるぞ」といい、失敗することが分かっている「前回」と同じ手段で止めようとし、失敗する。
3回、4回、5回以降も全て同じ。「歴史は変わらない」世界では、延々とこれが続きます。失敗すると分かっているのに、「未来」の自分から「3回目も4回目も5回目も失敗する」と教えられているのに、ひたすら同じチャレンジをする。

そして11回目以降の自分がいないのなら、自分は10回目で諦めることも初めから分かっている。それなのに、何故か続ける。事故が起きたその時点で「改変不可」と判明しているのに、それでも同じことを何故か続ける。

しかもこれは短期間の出来事ではない。
ワームホールで過去に戻り、コールドスリープだかウラシマ効果だか地道に待つだかで事故の瞬間に戻るので、体感では1周するのに数年かかる。数年かけて、結末が分かっている同じことをただひたすらに繰り返し、何度も何度も妻子の死に立ち会う。

これは「諦めないチャレンジ精神」というより、流されるままの狂気じみた傍観者だと思う。
ジョージを評する言葉「何もしない男」にあっているんじゃなかろうか。

彼が何回繰り返したのかわかりませんが、眼前で繰り返される悲劇を見続けて「未来は不変」を悟り、変えられないのならと停止を選択。止めてしまえば、未来は変わっていないけど、それが起きるのは防げる。

【はぐたん】

ジョージは、どうみても はぐたんに親子の情を持っているようには見えない。
これは明らかにおかしいのですが、「33年に我が子は死亡した」と思っていれば説明がつく。

ジョージ視点では「33年に死亡」「未来は変えられない」のだから、43年から来た はぐたんが、自分の娘であるはずがない。
それならばむしろ敵視しても理解できる。妻が別の「はぐたん」を世話している様子はかなり薄気味悪い。前回の記事で書いたように、我が子への冒涜ともいえる。

そうはいっても、このはぐたんは、あのはぐたんなんですから、顔に見覚えがあるとは思うのですが、彼は「何もしない男」なので家事も育児も(仕事も)しておらず忘れていたんでしょう。なんでそんな男が野乃さんと結婚できたのかは謎ですが。

【変わる未来】

ジョージの持つ謎の本には未来のことが描かれているらしく、それが白紙になって「未来が変わる」描写が劇中にある。つまり「ジョージは未来は不変と思っていたが、戦いを通じて変わると考え直した」。

これはいわゆる「分岐世界」説にとっても致命的な描写です。世界が分岐するのであれば、そもそも「未来の本」が存在できない。分岐するからには複数のルートがあるんだから、未来が変わる(書いてあるのと違うルートに乗る)のは当たり前です。
この描写を素直に受け取るなら、「世界は一つ。但し未来は変えられる」のがハグプリ世界となる。そしてタイムパラドクスとの絶望的な戦いになる。それは嫌なので、「未来は不変」で処理してみる。

まず野乃さんの語る「未来は変えられる」は、あくまで心持ちの問題だと思う。
タイムマシンで過去に戻ればアンリ君の事故を防げるとか、プリキュアの奇跡パワーで足を治癒できるとか、そういう「何でもできる」ではない。
不幸や挫折は現にあるが、それで未来が終わってしまうのではない。何度でも立ち上がり、未来に向かえる。「自分の頭の中にある絶望の未来予想は変えられる」の意味であって、「観測された事実を変えられる」の意味ではない。
これはハグプリのテーマとも整合していると思う。時間改編や表面的な分岐世界の方が、そぐわない。
(「過去は変えられないが、これからの生き方は変えられる」と言い換えればイメージしやすいかもしれない)

上記を念頭に、あの謎の本は実のところ単に「アンリ君の絶望的な心象風景」が描かれているだけでそれがリセットされた、等であればそれほど齟齬がないんじゃなかろうか。実際トゲパワワに関連した本のようですし。

【再び2033年】

2018年-19年の戦いを経て「未来は変えられる」と信じたジョージは、幾度目かの2033年へ。

先ほどは適当に交通事故を例にしましたが、劇中の描写によれば、野乃さんには転校前の出来事を連想するような何かが起きたようです。そこでクローバーくんと鬼火のような相手と遭遇したと仮定してみる。

クローバー(仮)を守るために奮闘した野乃さんですが、周囲の理解は得られず、むしろ敵視される状況に。
結果、鬼火(仮)に屈し、野乃さんおよび はぐたん死亡(ジョージの見た光景。そして何人ものジョージが野乃さんや周囲を説得しようとして、結果的にただただ傍観して終わる)。
これは劇中で示唆された「いじめを庇って自分が標的にされた」と齟齬がないと思う。

その後、かつてのジョージが過去に戻るのを見届けた後、改めてジョージはクローバー(仮)に向き合う。
これまで何もせず、妻や娘が犠牲になった。今度こそ、苦難に立ち向かおう。
そして見事、鬼火(仮)的なものを浄化だか封印し、野乃さんや娘を救うことに成功する。未来は、変えられた…!

(注:最初の野乃さんの敗北は変えられていない。「挫折そのものを変える」のではなく「挫折を乗り越えることで未来を変える」。アンリ君と同じパターン。
「挫折」はなくせない。そこに執着するのではなく、「挫折した後、立ち上がれるか」が「未来を変える」)

だけど残念ながらその時の余波で闇化してしまい、待ち受けていたクライアス社に取り込まれ、真の黒幕に。
要するにキングジコチューです。

【2043年】

この経緯なら前回私が(勝手に)想定した「プリキュア40周年」の内容にも即していると思う。

初代を見ていた当時の幼児が、43年には40代半ば。プリキュア適齢期のお子さんがいる年代。
そこから連想されるテーマとして、

親視点:
 ・忘れていた初心を子を通じて取り戻し、次のステージに進む
 ・かつて自分も抱いた思春期の葛藤を思い出し、子への理解と信頼を深め、社会に送り出す

子視点:
 ・親の若かりし頃を知り、親もまた一人の人間だと気づき、対等に向き合う
 ・自分がいかに愛されていたかを知り、未来に進む勇気にする

を、野乃さんとトゥモローさんでやる。
ですがこれだけだと「では(育児等を)何もしなかった人は救われないのか」が問題になる。
「オールスターズメモリーズ」で「思い出があるから踏ん張れる」と立ち上がった野乃さんに、「でも僕には何もない」とうなだれたミデンのように。

「何もしなかった」「それを悔い立ち向かったが、力及ばなかった」「そしてこうして多大な迷惑をかけている」。
40代も半ばになり、子供も人生の岐路を迎えようとしている時、この悩みにぶつかる状況は大いに想像できる。
思い描いていた理想の親にはなれなかった。どうしてもっとこうしなかったのか。悔いて今さら奮闘したけれど、やはり自分ではダメだった。

トゥモローさんや、その時のオールスターズがどんな回答を出してくれるのかわかりませんが、「何もしない男」ジョージが、若かりし野乃さんとの再会を通じて奮起、そして救われるのだとしたら、とても前向きな物語だと思う。

【蛇足】

上記の想定だと、33年えみるには「闇化したジョージを程よくコントロールする」大事な仕事が待っています。
上手く制御しないと世界を滅ぼされてしまいますから、「えみるがクライアス社側につく」積極的な理由がつけられる。また一つ、辻褄を強引に合わせられた。

【蛇足2】

パップルの経緯と絡められるかもしれない。

パップル視点では2030年ごろに「19年の戦いの後のジョージ」に出会い恋仲に。その後クライアス社の発展を支え、43年に33年を経由して18年に侵攻。その最中にジョージは「33年ジョージ」に入れ替わるのだけどパップルは気づかず。18年の戦いの後、真相に気づいた彼女はジョージ救出のため43年へ。

この流れなら43年シリーズのラストは「救われたジョージがパップルと共に旅立つ」とかそんな感じです。
奮起したとはいえ長らく「何もしなかった」ジョージが、救われた後にあっさりと野乃母子のところに戻ってくるというのも何か微妙に思えるので、前向きな別離は良いような気がする。
イメージとしては「光となって消えていくジョージ。悔いはない、救われた。それでも残る孤独と寂しさを受け止め、微笑みながら目を閉じる。それを見送る野乃母子。その横を駆け抜け、パップルがジョージの元に飛び込む。驚きながらも迎え入れるジョージ。今度こそ本当に救われ、ふたりは光の彼方へ」みたいな感じで。

●参考:
HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)
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「マーメイドメロディーぴちぴちピッチ」を全話見た日

2020年06月05日 | マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ
今日、こどもと第47話「黒い招待状」を見ました。とうとうこの日が来たか…。

「黒い招待状」といえばぴっちファンには言わずもがな。盛大なる放送事故回のひとつ。
冒頭の約30秒がテスト放送画像に置き換わったアレです。「噂のふたり」と並ぶ、「ぴっち」の華々しい1ページ。

「放送事故回こそが正式本編」と信じ、かれこれ約15年、正常版は見てきませんでした。
「完成したら終わりが始まる」の精神にしたがい、あえて見なかったのもある。「まだ見ぬ『ぴっち』がある」ことは、密かに心の支えになってきた。

ですが本日ついに。子供が視聴するのとあわせて、正常版を視聴してみた。
そうか、るちあさんはこんなラブラブで魚脳全開なことをのたまっていらっしゃったのか。

「噂のふたり」も視聴してしまったし、これで未視聴はなくなりました。(厳密にはテレビ版とDVD版の微妙な違いとかあるけど)
同じ理由で温存してきた「るちあソロver MOTHER SYMPHONY」も先日のライブの前に聴いた。ぴっちに出会って早15年、完走してしまった。
改めて、ありがとう人魚さん。全部見終わってしまったので、次は新作が作成される日を執念深く待つことにします。

【時代を超える人魚さん】

子供がぴっちを見るきっかけはGraffArtさんのアクリルキーホルダーだった。
当時全くぴっちを知らなかったのに気に入ってくれて、とりあえず全部盗られた。
やっぱり「人魚」のビジュアルインパクトは強い。シルエットだけでも他と一線を画します。

その流れで本編も見てみた。子供が指定したのは「藍色がでるおはなし」。放送終了から15年もたった今、ノエル推しを選択。いばらの道だ…。

ノエル初登場回といえば第4話。反射的にそこは思い出したのだけど、なぜか「第4話=冷たいキス」と誤認し、何かおかしいと思いながら第5話を視聴。
(リナ姐さんが水槽見ながら回想するシーンでごっちゃになったと思われる)
結局ノエルは出てこないのだけど、分かりやすいアイドル回だったからか気に入ってくれ、そこから視聴を続けてくれた。

はじけて飛び散る何かに慄き、「ああうたわれてしまった…」と嘆き、ガイト様にちゃんと怯え…。
コミックス版も全巻読破しました。人魚さんのおかげで、読書能力が高まってしまった。
押入れで眠っていた「ハートのかけら」やら、ぬいぐるみも引っ張り出してきた。そして「なぜ全種類そろえていないのか」と大層なじられた。

正直なところ、「ぴっち」は(特に品行方正な「プリキュア」さんと比べて)ろくでもないアニメなので、余計な知識を得られてしまうのではと若干不安もあったのだけど、純粋に楽しんでいるようで見ているこちらもとても幸せな気持ちに。15年たって現役幼児と再視聴できるとか、本当に幸せなことだ。

惜しむらくは、1年前の記念ライブには間に合わなかったこと(偶然にもちょうど1年前!)。
もし今だったら、多分連れて行ったと思う。そして無言で感涙する親の姿にビビらせよう。

何度も書いているけど「ぴっち」には本当に救われました。
本放送当時、休みもなく働いていて土曜朝にも家にいることは滅多になかった。
そんな折、泊まり込み先でついていた深夜のカウントダウン系の番組で、たまたま「ぴっち」のお歌が流れた。たぶんPoMだったと思う。
その瞬間に、何か猛烈に癒された。同時に疲労を急に自覚でき、「ぴっちをリアルタイムで見られないような生活はおかしい」と気づき、待遇の改善に動いた。
もしあの時「ぴっち」がなかったら、おそらくズルズルと働き、最悪死んでてもおかしくはなかった。今の生活がある強いきっかけの一つは、間違いなくあの時の「ぴっち」のお歌だ。
蘭花の名言「歌を忘れた生き物は滅びる運命なのよ」はまさにそう思います。「母なる海」や「種族レベルの孤独や愛」等々、「ぴっち」は大事なことを思い出せてくれる。

今改めて見ているけれど、素晴らしく面白いです。
子供が小さなちょうど今のこの時期にまた縁があり、こうして再視聴できる巡り合わせに感謝したい。
社会情勢的には色々とある暗いこの頃ですけど、「2020年上期」といえば私にとっては「子供とぴっちを見た時」として思い出されると思う。
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