穴にハマったアリスたち

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感想:工藤真由 Welcome Back!!LIVE ~NEXT STAGE~

2020年01月14日 | 工藤真由さん
■工藤真由 Welcome Back!!LIVE ~NEXT STAGE~

 日時:2020年01月13日(月)開場14時00分/開演14時30分、開場18時00分/開演18時30分
 場所:表参道GROUD
 出演:工藤真由
 ゲスト:能登有沙、五條真由美
 曲目:
 (第1部)
  01. Tomorrow song ~あしたのうた~
  02. たとえどんなに離れていても
  03. ひまわり
  04. 君のとなり
  05. Love Come Back To Me
  06. 可愛いアイシャ
  07. Birthday Present☆
  08. プリキュアfly
  09. プリキュア5、スマイル go go!

 (第2部)
  01. My sweet days
  02. For My Friend
  03. ラ♪ラ♪ラ♪スイートプリキュア♪
  04. Part of Your World
  05. Blue Velvet
  06. パプリカ
  07. おジャ魔女カーニバル!!(能登有沙、工藤真由)
  08. ハレ晴レユカイ(能登有沙、工藤真由)
  09. Birthday Present☆
  10. Go My Way!
  11. DANZEN! ふたりはプリキュア (Ver. Max Heart)(五條真由美、工藤真由)
  12. リワインドメモリー(五條真由美、工藤真由)
  13. 人生☆レボリューション
  14. プリキュア5、フル・スロットル GO GO!
  15. プリキュア ~永遠のともだち~
  --. KUDOMAYU プリキュアメドレー

(本記事は私の記憶・主観に基づいたものであり、実際の演者の意図・言動とは異なる場合があることをご了承ください)

1年前のプリキュア15周年ライブ、池田彩さんの10周年ライブ、弟さんの開店イベントに、NHKの全投票。
素敵な時を経て、遂に、我らの工藤真由さんが復帰してくれました。おめでたい。
お帰りなさい、くどまゆ!

卒業ライブから約3年。過ぎてしまえば、あっという間。でも3年前の自分らにとっては望むことも難しかった再会ライブ。
くどまゆさんが「3年の引退期間で自分をリセットできた。改めて歌が好き」とおっしゃっていましたが、同じことをしみじみと思います。
くどまゆさんのお歌が聴けるのを当たり前と思ってはいけない。この3年の気持ちを忘れないようにしよう。

と、言葉にすれば堅苦しいのですが。
セットリストからも伝わる、良い意味で新鮮な「くどまゆ第2期」な楽しいライブでした。
卒業ライブのセトリと見比べてみよう。なるほど、これは「復活ライブ」だ。「一夜限りの復活ライブ」ではなくて。なんかそのことに無性に感動した。

【Tomorrow song ~あしたのうた~】

全ての歌が、卒業ライブと今日のライブとで意味合いが変わっていたのが印象的だった。
この曲もそうで、あの時は前向きな別れの歌。今日は感謝と再会の歌。
復帰1曲目がこのお歌とは予想しなかったけど、物凄く納得した。

【ラ♪ラ♪ラ♪スイートプリキュア♪】

まさかの無印。
今日のセットリストは、その気になれば定番のプリキュアソングだけで固めることもできたでしょうに、あえてそれを避けたように見えました。先ほど書いた「一夜限りの復活ライブ」ではないと感じた所以。

ラストの前の「くるり」ターンは健在でした。以前にも増して素敵な「くるり」。そして最後の「じゃーん」の決めポーズ。
おぉ、くどまゆだ。くどまゆが戻ってきてくれた。

【Part of Your World】

お馴染みのカバー曲コーナーは、「やったことがないことを」とのことで「ミュージカル」。ディズニーのアリエルソング。
歌い始め第一声でぎょっとした。綺麗にプリキュア色が消えて、ディズニーになってる。
いや、歌手様としては当然なのかもしれないけど、こうも変わるのか。
20個落ちてるペットボトルをはじめ、動きにも隙がない。なんか圧倒された。

【Blue Velvet】

15歳の時に、初めて人前で唄った歌だそうです。
そんな記念すべきお歌ならこれまでのライブで聴いたこともありそうだけど、記憶にある限り、多分初めてのような。

【パプリカ】

2020応援ソング。くどまゆさんのお子様も踊ってらっしゃるらしい。
流行りものだけに「なぜ?」感もあったのだけど、正直今日のライブで一番目頭に来た。
何せこの歌、3年前の卒業ライブでは唄えない。初出は2018年。特に2020応援ソングということもあり、今の令和の新時代を感じます。
もしも今日のセットリストを3年前の自分に届けることができたら、最も注目するのがこの曲で、「これは何だ」と頭を抱えつつ、先に進んだ未来を見るはず。
確かにくどまゆが、2020年の令和のこの時に復活した。まさかこの曲に、こんなに感動する日が来るとは。

【おジャ魔女カーニバル!!】

令和はどこにいった。
「パプリカ」からの落差だかオチだかが凄まじすぎて、何かもう「すげぇ楽しい」としか言いようがなくなりました。
お空に響け、ピリカピリララ!
狙ったかどうかはともかく、この曲順は神がかってる。

不意打ちのごとき一撃でしたが、コーラスは問題なく。
ただ間奏の「ヘイ!」は途中で寸断されてた。あれは「ライブで頻繁に聴いていない」曲だと、間奏と歌の境目が分からず、声出すのが怖いんですよね。そういうときは歌手様の挙動で判断するのだけど、くどまゆさんが「歌いそうな」挙動を見せた途端に、皆さま綺麗にコールが止まってた。気持ちは同じだったらしい。

【ハレ晴レユカイ】

令和はどこ(略)
ゲストの能登有沙さんのダンスの切れが凄まじかった。
能登さんとはモーションキャプチャーとかも一緒にされていたそうな。初耳な気がする。

あとくどまゆさんの決めポーズなラストがすこぶる格好いい。

【DANZEN! ふたりはプリキュア (Ver. Max Heart)】

五條さんがゲストに来られるのは初。「DANZEN」をふたりで歌うのも初だそうです。意外といえば意外。
何か全然そんな気がしないのだけど、かつてのアニサマでは「邪魔ものの(くどまゆさん談)」の池田彩さんと3人だったとかで。
最早、池田彩さんや宮本佳那子さんやうちやえさんや吉田さんや北川さんの名前が、当たり前の如く飛び出し、当たり前に会話の背景が受け入れられていく…。

五條さんとはNHK全投票の際に、一緒にカラオケに行き、レッスンを受けたそうです。
くどまゆさん曰く「五條さんとカラオケに行った女」。但し五條さんは歌わなかったらしい。くどまゆさんのレッスンなので。

【リワインドメモリー】

先日の開店イベントで「唄いたい歌」に挙げていらっしゃった曲。
そしてファンとしても、いつかは絶対に聴きたいと祈ってきた曲。

恐ろしいまでの拡張性で、夢が広がっていく素晴らしき名曲で、五條さんがゲストと聞いてすぐに期待したその通り、歌ってくださりました。感激。
欲を出して、次は宮本さんとのバージョンに夢を続けたい…。

「パプリカ」と同様にこの歌も2017年の卒業ライブ時には存在しなかった。
あちらは「未来」を感じるのに対し、「リワインド」は曲的に「過去を力に再度立ち上がる」。
復活ライブに相応しすぎる。

【プリキュア5、フル・スロットル GO GO!】

全曲、卒業ライブの時と意味合いが変わってて感動したのだけど、「フルスロットル」もそうだった。
透き通るような最後の疾走だった卒業ライブから、再び走り出した復活のお歌。

あとコールの「Go!」のところ、妙に女子の声が聞こえてたんですけど、あれはなんだったんだろう?夢原さんかしら。

【プリキュア ~永遠のともだち~】

メインのラスト曲は「永遠のともだち」。
あの当時、「プリキュアになれるか」は大きな課題で、「NewStage」のOPは恐怖に涙しながら見た。
勇ましく戦うあの後姿を、自分は見ているだけなのか。ふーちゃんを抱えた坂上さんの絶望が凄く凄く良く分かる。
そしてだからこそ、ラストの「みんなもプリキュア」に救われた。

あれから時を経て、今やプリキュアになるのは最低限のスタートラインの世界。奇しくもライブ名は「NextStage」で、思えばすごい時代になった。
「永遠のともだち」も今の時代では「救い」ではなく、自己を噛み締めつつ改めて前を向く歌に聴こえます。
なんだかんだで「NewStage」も昔なのに(8年前!)、くどまゆさんの復活に伴い、文字通り新たなステージを吹き込まれたように感じた。

【感想】

3年弱。覚悟していたより早かった。
くどまゆさんも「15年後ぐらいとも思ったけど」とおっしゃっていたけど、それぐらいはイメージしていたし、「残念ながら、なかった」もありえたと思う。
プリキュア15周年ライブを初め、巡りあわせに感謝したいです。もちろん単なる運とか縁とかではない様々なこともあるだろうし、第三者の部外者の私がどうこういうのは失礼だとも思うけれど、とにかく感謝しかない。

始まる前は、しんみりと涙したりするのかなと思ってたのに、ただひたすらに楽しかったです。
繰り返しになりますけど、卒業ライブの時とのセットリストの違いが、このライブを物語ってる。
もし「一夜限りの復活」ならこの構成はなかったはず。
次回は未定とのことですが、絶対に行こう。この3年で改めてくどまゆさんの素晴らしさを再認識しました。

逆にいえば卒業ライブは「完全卒業」を想定していたセットリストだったわけで、今回の復活は本当に奇跡だったのだと思う。「次があるのが当たり前」と思わず、1回1回ありがたく楽しくお歌を聴こう。
くどまゆさんのお歌は元気と勇気をくれる。これからもずっと聴いていきたい。

改めて、復活おめでとうございます。戻ってきてくださって、本当に嬉しいです。

【蛇足】

3年弱の間に私らも老いた。
第1部が椅子ありと知って喜ぶ人が多数。第2部では酸欠と足の痛みに直面した。
昔はよく2部構成で飛んだり跳ねたりしてたな…。

あと嬉しいことに「くどまゆのライブ初参加」の方がいらっしゃいました。
くどまゆさんも色々と新しいチャレンジを語られていたし、是非広がって行って欲しい。

【蛇足2】

子育て話。
以前は歌うと笑ってくれたお子様が、今では笑ってくれないらしい。そして五條さんや うちやえさんのお歌だと笑うそうな。

以前に話されていたように、変わらずお風呂場で熱唱されているそうです。
普通、風呂場の防音性は極めて低いので、茨城のどこかにはやたらに本格的な「フルスロットル」とかが夜な夜な聞こえる家があるのか。。

【蛇足3】

くどまゆさん退場時に「みんな、いい子だね」を聞けた。いい子にしてるので、また歌ってください。
退場といえば、物販コーナーでお見送りをしてくれた…のだけど、準備に時間がかかったのか、スタンバイする前に普通に店を出てしまった。
戻るのも申し訳なかったので(それに、くどまゆさんと対面で会話するのは勇気がいる)そのまま帰ったけど、何か「次」を信じているからこその緩さだった。いや「次が当たり前にあると思うな」と矛盾してるけど。
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[追記した]感想:HUGっとプリキュア! 第49話(最終回):愛崎えみるは如何にして研究室に行ったか

2020年01月04日 | HUGっと!プリキュア
[2019年2月2日]
衝撃の最終回から1週間。その間、悶々と考えていたことを書き起こしてみる。

[2020年1月4日]
1年もたってから追記しました。

[2020年2月9日]
続きを書きました。

【この世界はどうなってるのか】

最終話、2030年のえみるさんはトラウム研究室を訪れ、ルールーと再会します。
しかしこれは非常に異常な行動です。
彼女がここに辿り着くには、色々と厄介な問題をクリアしないといけない。

まず大前提として、この世界が

(1) 未来は変えられる。変えるたびに複数の世界が生まれる。
(2) 未来は変えられる。しかし世界はあくまで一つ。(タイムパラドックスを孕む)
(3) 未来は変えられない。世界も一つ。

のいずれなのか、えみるには分からない。
第三者である我々は、極めて適当に「未来が変わって良かったー」とか「いやパラドクスが起きるから変わるはずがない」とか言えます。
が、当事者である彼女たちにとっては深刻な問題です。

更に厄介なのが、仮に製作者様が「未来は変わる(あるいは変わらない)」と公式に明言してくれたとしても、劇中人物の愛崎えみるには、それを知る術がない。

それを踏まえた上で。

えみるがトラウム研究室でアンドロイドを抱きしめ再会を喜ぶためには、「これがルールーである」と認識する必要があります。
このハードルがかなり高い。

例として、仮に未来ルールーがいる間に、若トラウムを見つけ出して訪問し、「これを作って欲しいのです!」と設計図付きで渡したとします。
そして未来に帰る前にできましたと。「ルールー!会えましたね!」とはならないでしょう、普通。

ではカエル列車が旅立った直後だったら?
涙の別れの余韻冷めやらぬところに若トラウムが現れ、「あー、愛崎えみるとは君かい?実は未来の私に頼まれてね」と新ルールーを引き合わせ、「ルールー!会えましたね!」…?
ないでしょう。

じゃあ1日後なら2日後なら。1年後なら2年後なら。
本質的に同じです。
えみるが「これが正しくルールーである」と確信するには、何らかのきっかけがいるんです。
それがない限り、あくまでルールー2号に過ぎません。

また別の視点でいうと、野乃さんを考えてみるといい。
彼女が11年後に出産した子供のことは、何となく直感的に「はぐたん」だと受け入れやすい面はある。
ですが前段に「女の子を妊娠するように調整した」とか「キュアトゥモロー時代を逆算して割り出し、妊娠タイミングを合わせた」とかがあったら?
途端に胡散臭いものに思えてくるのではないでしょうか。
つまりは「作為」が入ると説得力が薄れ、あくまで「偶然」でないとならないんです。

この事情はルールーの場合も同様でしょう。
したがって、えみるが若トラウムの居所を突き止め、ルールーのことを語りまくってお手伝いをするような展開は考えづらい。
しかも「未来が変わる・変わらない・分岐する」等がえみるは分かりませんから、下手なことをすると永久にルールーに会えなくなる可能性がある。
そうなると、えみるのとる行動としては、「トラウムとの積極的な接触は避ける」になると思われます。接触する動機がなく、避ける動機はあるんだから。

【なんでもなれる】

話がそれますが、「未来は変わらない」としてもテーマとは矛盾しない。

野乃さんが語る「なんでもできる」とは、「アンリ君は怪我をして選手生命を絶たれた。絶望的な未来が確定したように見えるが、そんなことはない。なんでもできる。ここから新しい未来を作れる」の意味であって、「タイムマシンで過去に戻ってケアすれば怪我を防げる。なんでもできる!」の意味ではないはずです。

したがって「2030年-2044年に起きる破綻」は、回避されない方がテーマに沿っているとすら言えます。
「破綻が訪れてもう終わりに思えても、そこから何度でも立ち上がり、なんでもできる」であり、「未来は変わる」とは「一度は破綻しても、2044年に再び立ち上がること」と言えます。
歴代のプリキュアシリーズのテーマとも齟齬がありません。

【あの後、どう生きたか?】

もう少し具体的に考えてみる。

大前提として「ルールーはえみるに対して嘘をつかない(嘘も方便のごまかしもしない)」とします。
アンドロイドというキャラクター特性のほか、年下のえみるを子ども扱いせず対等に接するのが彼女の人柄ですから、ここは信じたい。
「本当は分岐世界に行くので、えみるとの再会は不可能」だと知っていたとしたら、「離れても心はひとつです」といった表現になったはず。
一方えみるも、ルールーの言葉は素直に受け止め、「実は嘘をついたのでは」といった疑心暗鬼にはならないものとします。

この時点で、えみるの認識としては「分岐」説は消える。もしかしたら真実は「分岐」かもしれないが、劇中人物のえみるには正解を知る方法がなく、唯一頼りにできるルールーの言葉は「未来で待つ」。「分岐」説を否定する根拠はあっても、支持する根拠が(えみるにとっては)ない。
よって、えみるの行動は「分岐」説を除外したものになる。

さて「未来で待っている」と言い残して旅立ったルールーを見送った後、えみるの脳内にあるイメージは、素直に考えるなら「ライブを成功させた未来の自分を出迎えるルールー」とか「老いた自分の横に、そっと佇むルールー」とかだと思います。
たぶんこれらが「未来で待っている」と言われたときに思い浮かぶ純朴な光景でしょう。

しかし、よくよく具体的に考えていくとおかしいと気づくはずです。
ルールーにとってはカエル列車を降りたら、そこはいきなり未来なわけで、主観時間はほとんど一瞬です。
イメージ的には「先に未来にいったルールーが、長い長い時間をかけて歩んでいく えみるを待っている」ですが、実際には「さて着きました。えみるはどこでしょう?検索します」で終わりです。この場合、「未来で待っている」のはルールーじゃない。えみるだ。

「ルールーは正確に情報を伝える」「えみるは疑わない」のなら、そこに思い当たった時点で、「ルールーは何を言いたかったのか」をかなり悩むはず。
「未来で待つ」と表現される状況として思いつくのは、到着点で動けなくなっているとかです。
では「ルールーは未来に辿り着いた後、えみるが見つけてくれるのを待っている」と予想される。それなら、えみるは何らかの手段でカエル列車の到着地や日時を割り出さねばならない。

えみるにはルールーと再会したい強い動機がある上、ルールーが助けを求めている可能性すら考えられますから、この辺りは真剣に悩むはず。
元々えみるは「未来を考えすぎる」キャラクターでもあるので、(デメリット能力扱いで、そこから成長したとはいえ)おそらく必死に考えるし、動く。
そして適切に情報交換をしていれば、ダンカンの出現によって、ルールーが帰ったのが2044年(の付近)だと当りはつけられるはず。

この時点でえみるの脳裏にある「ルールーとの再会」イメージは、「2044年のどこかでカエル列車から降りてくるルールーを待ち構える」になるはず。
正確な日時やポイントは分からないし、ルールーの発した「未来で待つ」から想像される「何らかのイレギュラー」は分からなくても、彼女のターゲットは「2044年」と認識されると思われます。

【彼女は何を確信したのか】

しかし、実際には2030年の時点でトラウム研究室を訪れ、ルールーとの再会に涙しています。何があった。

まず、えみるがどうやってトラウムと知り合えたのか。
先ほど書いたように、えみるから積極的に接触し、情報開示するとは考えづらい。
もしかしたら「えみるが若トラウムに情報提供したことが、ルールー誕生の歴史の一端になっている」可能性もありますが、確信が持てない以上は2044年まで待つはずです。
ルールー誕生の想定時期になっても制作されなければ動き出すかもしれませんが、2030年の時点で踏み込む動機はなさそうに思える。
やるとしたら精々、トラウム研究室に(実情を明かさず)資金援助するとかでしょう。
「最終話のあれは強力なスポンサーにお披露目しただけで、若トラウムは事情を知らない」としても、描かれていることと齟齬はない。

あるいは「ルールーが約束したポイントは2044年ではない」と確信できる何かがあるのでもよい。
単純なところだと、余命を宣告されており、とてもではないが2044年までは生存できないようなケース。
ルールーの言葉が嘘ではなく、再会が可能だとするなら、「カエル列車から降りてくるルールーを待つ」のではなく(えみるの)主観時間ではもっと早く、例えば2030年に出会える可能性が出てきます。

逆に、若トラウム側からコンタクトをとれるか?
例えば未来トラウムやルールーから事前に接触されており、「2030年になったら愛崎えみるを呼べ」と言われていた可能性はあります。
若トラウムにはそれを無視する選択肢もありますが、歴史に逆らった場合に何が起きるか分かりませんので、(科学者として強烈な好奇心はあったにしても)あえて逆らいはしないでしょう。「未来のトラウムから託された」の一言があれば、確かにえみるは確信をもって研究室に行くことが出来る。

ですがこの場合、未来トラウムは「2030年にえみるとルールーが会っている」と知っていることになる。
まぁもっと単純に「ルールーが完成したら、えみるを呼べ」ぐらいのざっくりとした指示で、未来トラウムの予想以上のスピードでルールーが完成してしまった、という可能性も考えられはしますが。

若トラウムが自力で真相に近づいた可能性もなくはない。
相応の調査力があれば、異変が起きたあの近辺で、ほぼ同時期に「ルールー・アムール」なる不可思議な人物が出現・失踪したことは分かるはず。
何せ彼女はツインラブとしてメディアにも露出していますし。
そして普通の発想力があれば、それとキュアアムールを結び付けることは可能でしょうし、パートナーの愛崎えみるにも辿り着けはするはず。

では、そこから「あのルールーは未来の自分が作った」と考えるか?
若トラウムが既にアンドロイドのラフスケッチを持っているとかなら、まぁありえるでしょう。
しかし「えみるに接触する」とまでいくと踏み出せないはず。何が正解かを若トラウムには知る手段がないので、「ねぇねぇこれキミのパートナーと同じでしょ?」と気軽にコンタクトは取れないんです。

他にも「2030年のあのシーンはルールー初起動ではない。2024年ごろにルールーは完成し、年月に従って成長。6歳ごろ(?)になったときに、何らかのきっかけでえみるがやってきた」等も考えられます。が、基本的な考え方は同じでしょう。

【辿り着くところ】

まとめると「(2044年ではなく)2030年にトラウム研究室を訪れる」には、「えみるは死期を悟った」「未来トラウムから教えられている」といった条件が予想されます。
時系列としては、

2019年 えみるとルールーでふたりはプリキュアする
2030年 えみる、ルールー起動の瞬間に立ち会う。えみるにとっては再会。ルールーにとっては初めての出会い。
2038年ごろ ルールー停止。記憶消去(※)
2044年 ルールー再起動。クライアス社で働きながら、2019年のえみるに出会う

※「ルールーは成長する」「2030年のルールーは6歳付近に見える」「2044年時点でルールーは14歳(とは明言されていないし20歳ごろと言われても納得はできますが)」ことから、2030年から2044年までの間、6年ほど停止していることが予想される。「2031年に停止し、2037年から稼働」等、組み合わせは色々と考えられますが。

時間ものとしては王道です。
ルールーの言う「未来で待つ」とは「2030年の起動の瞬間に待つ」こと。これなら確かに「ルールーが」待っている。
えみるにとっては約束通りの再会。でもルールーにとっては過去の出来事であり、2044年の未来にえみるはいない。
「これから苦難の未来が待っている幼ルールーを抱きしめながら、真相に辿り着いたえみるが2044年のルールーの心情を思い、涙を流していた」と解釈するなら、最後のあのシーンの重みは増す。

「ルールーは嘘をつかない」「野乃さんは(厳密には)別人である赤ちゃんに、はぐたんの幻影を重ねたりはしない」を信じたいあまりの結論先行の理屈付けですが、個人的にはこれが真相だったんじゃないかと思いたいです。

【蛇足1】

派生していくつか推察できる。

「オールスターズメモリーズ」で思い出を奪われたルールーがボルトではなく子供に戻ったことの説明が付きます。
更に「ルールーだけ、はぐたんの世話を続けた」「野乃さんを警戒しなかった」ことも。

ルールーには確かに子供の頃があり、「(2030年付近で)はぐたんや野乃社長に会っていた」ので、すんなり受け入れたんでしょう。
「はな社長が若作りしてます…」とか思ってたのかもしれない。
(なお「未来は分岐する」説を採用するなら、「ボルトと子供が転がっていた」ことを「分岐の象徴」としてこじつけることも可能な気はする)

2030年ルールーの姿はかなり奇妙で、対比で考えるなら「2019年えみると同い年」ぐらいに設定する方が綺麗です。
キャラクターの年齢は確信しづらいですが、あのルールーはもっと幼く見える。
わざわざそんな設定を採用したからには理由があるはずで、こじつけの材料にはなるように思います。

【蛇足2】

トゥモローさん主役のシリーズの想定年は2044年。
プリキュア40周年のタイミングです。

「ハピネス」で「初代を見ていた子がプリキュア年齢になり、現実はアニメと違うことを知る」、「ハグプリ」で「初代を見ていた子が成人になり、いよいよ社会に乗り出す」を踏まえていたことを思うと、40周年番組は「初代を見ていた子が45歳ごろ」を想定したストーリーになりそうです。
45歳で何があるかと言えば、「子供がプリキュア適齢期(8歳~17歳)」でしょう。反抗期を迎えた子供に対し「アニメのプリキュアはあんなに良い子なのに」といった葛藤、あとは更年期や社会人の節目等々を絡めた話。

トゥモローさんはああ見えて反抗的で生意気な性格をなさっており、母・野乃はなとは対立が絶えない。が、敵との戦いに敗れ、ハリーと共に2019年へ。そこで赤ちゃん時代を再体験し、母の愛を知る。それを携えて未来に戻り、黒幕(この流れだと闇化した野乃さんでしょう)を救う。一方の野乃さんももう一度子育てを体験することでかつての気持ちを取り戻し、トゥモローさんの旅立ちを見送る。そんな親離れ・子離れのシリーズ。

「籠に閉じ込められたトゥモロー」とか「異性と手を取り合って逃げる」とか、先入観を持って見ると「いかにも」な展開です。

(野乃さんが闇化した理由は「はぐたんが、あのはぐたんであると確信するために、未来を変えるわけにいかなかった」「そのため、自らクライアス社を作り上げた」等。子供への愛を貫くために狂気に陥った様は、ジョージの語る絶望とも沿っています)

【蛇足3】

春映画には「過去に戻り未来を変えた」要素があり、上記の考えとは矛盾してしまう。
が、結論に拘って理屈をこじつけるなら、「野乃さんは過去に戻ったつもりだったが、実際はウソバーッカの心の中に入り、心象風景から救い出していた」とか「確かに過去に戻ってクローバーを連れ出したのだが、彼の恨みの心的なものが残留しており、それがウソバーッカになった」等、抜け道はあります。
それに本当に素直に過去に戻れるなら、「約束を破った後に謝る」のではなく「約束を破る前に遊びに行く」方が健全です。(野乃さんが思いつかなかった可能性はありますが…。「六角形の館」の元ネタが分かれば、もう少し掘り下げられそう)

[追記]

よく考えたら別の可能性があった。
未来に帰ったルールーたちは、当然ながらクライアス社に反撃に出る。その際、当然ながら未来えみるに支援を求めたい。何せルールーが変身できるかどうかがかかっています(二人いないと変身出来ないという明確な描写はなかったとは思いますが)。

未来アンジェや未来エトワールは、おそらく生存していない。もしくは変身不能で戦力外。
まともに戦える状態ならばトゥモローさんと共闘しているだろうし、それなら当然クライアス社の面々も(過去に行く前から)存在を知っているはずだから。
(但しパラドクス回避のために、あえて耐え忍んで隠れていた可能性はある)

唯一期待できるのは「ルールーが居ないので息を潜めていた未来えみる」。しかし未来に帰ったルールーたちには、えみるがどこにいるのか知る術がない。逆に未来えみるにも、ルールーたちが出現する正確な日時や場所が分からない。

となると、可能な合流地点は「ルールーたちがクライアス社に突撃をかけた時」。未来えみるが生存している確証がない以上、無為に時間をかけて探したり、奇襲の機会を失うような冒険もできないので、あわよくば「近くに潜伏していた未来えみるが、騒動に気づいて助太刀に来る」展開に賭けるしかない。

これなら確かに「ルールーが未来で待っている」が成立します。
クライアス社のど真ん中で包囲され、懸命に切り抜けながら、未来えみるの到着を待つルールー。時を超えた思いは通じ、颯爽と現れる未来えみる(推定30代前半)。そして約25年の時を経て、再び追加戦士として登場するキュアマシェリとキュアアムール。素晴らしい。見たい。

ただ、「では何で2030年に研究室を訪れたのか」の説明がつきません。
可能性として「2030年時点では生存していることを、ルールーに連絡したかった」からか。(2030年ルールーは、やがて過去に行く。そして「少なくとも2030年までは、えみるは健在」=「2044年のクライアス社襲撃の勝算が多少は上がる」を伝達できる)

真に危険なのは2030年以降なので、あまり意味のない配慮にも思えますが、「私はルールーの言葉を正しく理解した」「このまま2044年まで生き延びてみせる」という決意を行動で示すのは、かなり強力なメッセージに思えます。

そうすると彼女の涙は「来たる破綻の最初に、自分は戦わない。他のプリキュアを見捨ててでも生き延びる」ことを選んだ覚悟と辛さ故だったのかもしれない。

「なぜ2030年なのか(2031年や32年ではダメなのか)」は確たる理由付けができない。前述したように、何か強いきっかけがいるはずですが、30年えみるにそれがない。
ですが、えみるとしては、いつ深刻な破綻が起きるのか分からない。それが起きてしまったら、容易にルールーに会えなくなる。となると「はぐたん誕生=未来が予測した通りに推移している(※)」ことから、ここがギリギリのラインと判断したのかもしれない。

※未来ダンカンの出現から2044年頃との推測はできる。ジョージとのやり取りや、誕生したのが女の子で、時期がトゥモローの推定年齢からの逆算と一致するとかから、「トゥモロー=野乃はなの娘」等には行き着ける

いっそのこと、未来えみるはクライアス社に潜入していても良いかもしれない。
それが一番確実に、44年のルールーの襲撃に備えられる。えみるのことを知っている野乃さんが、入社を許可するかは微妙ですが。
もし44年のシリーズで、「トラウムの助手の女幹部」とか出てきたら、未来えみるを疑おう。



【続く】
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